「解除」と「解約」の違いとは?使い分けから法律上の区別まで解説

違いのギモン

スマホを買う際などに、よく「契約を解約される場合は」といった文章を目にしませんか。しかし、契約を終了する場合には「契約を解除する」といった言葉が使われていることもあります。

そこで、今回は「解除」と「解約」の違いについて解説していきます。

結論:使える場面が違う

解除は、契約自体を最初から無かったものにしたいときに使われる言葉です。

それに対して解約は、解約するまでの契約は存在していたものとみなしながら、それ以降の契約を取りやめたい場合に用いられる単語です。

「解除」をもっと詳しく


解除の特徴として、契約の解除を行うと、契約そのものが最初から存在しなかったのと同じ状態になるということが挙げられます。

また、解除が使われる場合は、契約を結んでいる当事者のうち、どちらか片方の意思表示によって契約を取りやめる場合がほとんどです。たとえば、契約者のどちらかに過失があった場合、もう一方の契約者がその契約を打ち切るために「契約を解除する」ことがあります。

賃貸契約の場合には、借主の家賃の長期的な滞納や、貸主から契約通りのサービスが受けられないなど、契約者の一方に過失があった場合に、「契約を解除する」ことがあります。

 

「解除」の言葉としての意味は「今まであった制限や禁止・特別な状態をなくし、もとの状態に戻すこと」です。すなわち、契約の場面に当てはめると、「契約という特別な状態を無くして、もとの状態に戻すこと」を意味します。

つまり、契約を解除する際には、初めから契約が存在しなかったものとして扱います。そのため、契約期間中にやり取りされたものに関しては、契約当初の状態に戻すために返還する必要があります。

このことを、「原状回復義務」という場合があります。

クーリングオフ
クーリングオフ制度も、契約を「解除」する例のひとつです。

これは、一度契約の申し込みを完了した場合でも、決められた期間内であれば無条件で契約を解除できるという制度です。

たとえば、訪問販売で契約を締結した場合には、契約を結んでから8日間以内であればその契約を解除することができます。初めから契約が存在しなかったものとして扱われるため、支払ったお金は全額返金してもらうことが可能です。

また、契約違反により一方が大きな損害を受けていた場合には、相手側に対して損害賠償を請求することも出来ます。契約を取りやめる際に損害賠償が発生しているケースでは、ほとんどが「契約を解除」する形で契約が終了しています。

これまで述べてきたように、契約を解除する際には損害賠償など大きく金銭が動くことがあるため、契約を解除することは簡単にできるわけではありません。

まず、契約違反が軽いものである場合には、一方的な契約の解除ができない場合が多いです。

また、契約を解除するに値する事実が明らかに存在していたということが証明できなければ、契約を解除できないことがほとんどです。

「解約」をもっと詳しく


解約は、将来の契約のみを取りやめる場合に使われる単語です。解除は「契約した時点から」その契約をなくすことを指していましたが、解約は「解約した時点から」その契約をなくすことを意味します。

また、解約は解除とは違い、当事者間の話し合いなど円満な方法で契約を終了させる場合に使われる単語です。

そのため、契約の解約が起こった場合に損害賠償などが起こるケースは滅多にありません。

 

ほかにも、生命保険などの保険の契約を解約した場合には、それまでの契約していた年数に応じて解約返戻金がもらえることがあるなど、解約することによって明確なメリットがある場合もあります。

法律上での区別


このように、解除と解約には違いがありますが、法律の文内では混ざり合って使われています。

そのため、法律上では解除と解約の間に明確な差をもって使われているわけではないと考えることも出来ます。

まとめ

以上、この記事では、「解除」と「解約」の違いについて解説しました。

  • 解除:契約自体を最初から無かったものにしたいときに使われる
  • 解約:それ以降の契約を取りやめたい場合に使われる
このように、解約にはあまり否定的なイメージはない一方で、解除には否定的なイメージがあります。悪いことをして契約解除とならないよう、日々の生活には気をつけて生きていきましょう。

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つつつ
この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。