今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「リアリスト」です。
「リアリスト」の意味・特徴・使い方・語源・類義語・対義語についてわかりやすく解説します。
☆「リアリスト」をざっくり言うと……
英語表記 | リアリスト(realist) |
---|---|
意味 | 現実主義者 |
特徴 | 先を見通す力、計画性があり、地に足がついた考えを持つ |
語源 | 英語のrealist |
類義語 | ドライなど |
対義語 | ロマンチストなど |
このページの目次
「リアリスト」の意味をスッキリ理解!
「リアリスト」の意味を詳しく
「リアリスト」とは、「現実主義者」という意味のカタカナ語です。現実に起こったことをベースに物事を考えて、現実に近い考えをする人のことです。
大きく分けて3つの意味で使います。
芸術分野での意味
芸術分野での「リアリスト」は「写実主義」という意味です。「写実主義」は19世紀中頃、フランスを中心に広がった芸術様式です。それまでの芸術分野は神話や宗教など、現実離れした題材を取り扱うことが一般的で、作品も現実離れしたものが多かったです。
これに対して、自分の日常生活などありのままを描いて作品にしようとしたのが「写実主義」です。
この時代背景には産業革命がありました。イギリスで始まった産業革命が海を超えてヨーロッパにも広まりつつありました。そのため、大都市が形成されて新聞や雑誌といった文化が庶民の間にも広がります。
それで限られた上流階級しか鑑賞することがなかった美術作品も、庶民の間に広がって「写実主義」が誕生しました。
こちらが実際の写実主義の作品です。
出典:Wikipedia
哲学分野での意味
哲学分野では「実在論」という意味です。「そこにちゃんと物がある」と考えることです。全く分からない人もいると思うので、噛み砕いて説明します。
よくたとえられるのが、歴史です。歴史を知る手がかりになる歴史書が存在します。しかし、歴史書に関係なく過去の歴史は実際に存在します。
他の例では、たとえば目の前にバナナがあるとします。目の前にバナナはたしかに存在しますが、誰もが自分と同じように見えているわけではありません。メガネをかけていなかったらボヤケて見える人もいます。
このように人によって見え方は違うけど、客観的に誰から見ても正しい本当のバナナがあるはずだと考えるのが実在論です。
政治での意味
政治の分野で「リアリスト」とは、「権力をベースに物事を考える人のこと」です。よく国際政治の分野で使います。国家は私利私欲であり、利己的な考えをしているという考え方です。
たとえばA国とB国がいたとします。両方の国はルールを決めて手助けをすることも可能です。しかし、ルールを守らないで領土などを国家は限りなく求める野心があるという考え方を持つのが「リアリスト」です。性悪説のような考え方ですね。
「リアリスト」の特徴
「リアリスト」を日常生活で使用する場合、そのまま「現実主義者」という意味で使います。
では、どういった特長の人物が「リアリスト」なのでしょうか。代表的なものを3つ紹介します。
先を見通す力がある
「リアリスト」には先を見通す力があります。「リアリスト」は現実に沿って物事を考えるので、この先起こることの予想が得意です。
計画性がある
「リアリスト」は「計画性がある」という面もあります。先に起こることを予測して何回もシュミレーションを重ねることで結果的に計画を立てることになります。
また、計画的に物事を考えるので、一時の感情に流されにくいです。恋愛には向いていませんが、ビジネスには有効です。
地に足がついた考えを持っている
「リアリスト」は地に足がついた考えを持っています。たとえば、億万長者になりたいと思ってもまず無理です。
しかし、現実的に考えて「宝くじで1万円当たればいいな」と考えていれば、実現性が高いです。
「リアリスト」の使い方
- 彼女はリアリストなので彼と結婚しないだろう。
- リアリスト的な発想だ。
- リアリストの考え方では、大国間同士は戦争をするかもしれない。
「リアリスト」は芸術や政治より、日常生活で使用することが多いです。①と②は日常生活に関する例文です。③は国際政治についてです。
「リアリスト」の語源
語源は英語のrealistです。意味は「現実主義者」でカタカナ語と同じです。
しかし、英語の方は「実利主義」のニュアンスで使うこともあります。「結果として得られる利益を考えて行動する人」です。
「リアリスト」の類義語
「リアリスト」には以下のような類義語があります。
- ドライ:無感情の
ドライ
「ドライ」は「無感情の」という意味です。「乾いた」という意味で使うのが一般的ですが、それが派生して「感情がない」という意味合いで使うようになりました。
たとえば、「ドライな人」といえば、感情のない冷たい人になります。「リアリスト」も「ドライな人」が多いです。
「リアリスト」の対義語
「リアリスト」には以下のような対義語があります。
- ロマンチスト:理想主義者
ロマンチスト
「ロマンチスト」は「理想主義者」という意味です。現実に基づかない考え方をする人です。よく恋愛で使います。
たとえば、「白馬に乗った王子様が迎えに来る」という状況は非現実的ですが、こうした考えを持つ人が「ロマンチスト」です。
まとめ
以上、この記事では「リアリスト」について解説しました。
英語表記 | リアリスト(realist) |
---|---|
意味 | 現実主義者 |
特徴 | 先を見通す力、計画性があり、地に足がついた考えを持つ |
語源 | 英語のrealist |
類義語 | ドライなど |
対義語 | ロマンチストなど |
「リアリスト」はよく使う単語です。やはり、意味が分からないと困る時もあります。
ぜひ、この記事を参考にして「リアリスト」の意味や使い方を覚えましょう。