今回ご紹介する言葉は、熟語の「醍醐味(だいごみ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「醍醐味」をざっくり言うと……
読み方 | 醍醐味(だいごみ) |
---|---|
意味 | 物事の本当の面白さ |
語源 | 天台宗の仏教用語で、仏陀の最上で真実の教えのこと |
類義語 | 神髄、持ち味、美味など |
英語訳 | The best part of(最高の部分)・real charm(醍醐味)など |
「醍醐味」の意味をスッキリ理解!
「醍醐味」の意味を詳しく
醍醐味とは、物事の本当の面白さや深い味わいのことです。また醍醐味は、「醍醐」と「味」が組み合わさった言葉です。
醍醐味は読書や運動など、様々なものに対して使われる表現です。ある物事に対し、個人が魅力に感じることを指して醍醐味といいます。
また、醍醐味には他にも「素晴らしい味わい」という意味もあります。
「醍醐」とは
醍醐は、平安時代に貴族たちに食べられていた高級な乳製品のことです。非常に高級であると共に、最高の味がする食べ物であったと伝えられています。
一説にはバターとヨーグルトの中間のようなものだとわれていますが、現在、醍醐の製法は伝わっていません。そのため、当時食べられていた醍醐の味を知ることは不可能です。
「醍醐味」の使い方
- 自分とは違った価値観に触れられることが、読書の醍醐味だ。
- スポーツの醍醐味の一つは、仲間と協力しながら一つのものに取り組むことだ。
- 旅の一番の醍醐味は、その土地でしか食べることのできないグルメを堪能することだ。
上記の例文のように、醍醐味は「〇〇の醍醐味」という形で使われます。
また、複数醍醐味がある中で一つに絞って話す際には、二つ目の例文のように「〇〇の醍醐味の一つ」という表現が使われます。
「醍醐味」の語源
醍醐味は元々仏教用語です。仏陀(ぶっだ)の最上で真実の教えのことを指します。
醍醐味は天台宗で使われる言葉です。涅槃経(ねはんきょう)の教えについて、牛乳の味に例えながら説明しています。
牛乳は、精製する段階で乳・酪・生酥(しょうそ)・熟酥(じゅくそ)・醍醐の五段階に分かれており、醍醐は精製段階の中で最上のものだとされています。
天台宗では、仏の教えも同様に五段階に分かれるとしており、法華涅槃時(ほっけねはんじ)を最上のものだと定めています。
この例えからも分かるように、醍醐は最上のものという意味があります。そのため、醍醐味は物事の本当の面白さという意味で使われています。
「醍醐味」の類義語
醍醐味には以下のような類義語があります。
- 神髄(しんずい):物事の中で最も肝心な点
- 持ち味:人やものがもつ、他のものにはない味わい
- 興:面白味
- 良さを堪能する:物事の面白さを味わう
「物事の本当の面白さ」という面では、上記のような類義語が存在します。
- 旨味:食べ物の美味しさ
- 美味:うまい味
「醍醐味」の英語訳
醍醐味を英語に訳すと、次のような表現になります。
- The best part of~
(~の最上の部分) - real charm
(醍醐味) - attract
(魅力)
醍醐味そのものを表す表現は少ないですが、 “The best part of” など他の表現で同様の意味を表せるものが多く存在します。
まとめ
以上、この記事では「醍醐味」について解説しました。
読み方 | 醍醐味(だいごみ) |
---|---|
意味 | 物事の本当の面白さ |
語源 | 天台宗の仏教用語で、仏陀の最上で真実の教えのこと |
類義語 | 神髄、持ち味、美味など |
英語訳 | The best part of(最高の部分)・real charm(醍醐味)など |
このように、醍醐味とは物事の本当の面白さを指します。仏教用語を由来としており、硬い表現ですが、使う機会が多くある言葉です。意味や使い方を覚え、適切に使いこなせるようにしましょう。