「R&B」「ソウル」「ファンク」の違いとは?どれも黒人音楽?

違いのギモン

「R&B」「ソウル」「ファンク」はどれも音楽のジャンルを表す言葉です。

この3つのジャンルはどれも黒人音楽であるため、区別することが難しいと思われることも多いです。しかし、それぞれのジャンルが成立した時代や音楽的な特徴には明確な違いがあります。

この記事では「R&B」「ソウル」「ファンク」の違いについて説明します。

結論:ルーツは似ているが、成立した順序が違う

「R&B」は「R&B」はゴスペルやブルースから1920年代に発展したジャンルで、呼び方が「R&B」となったのが1940年代です。3つのジャンルの中ではもっとも古いジャンルです。

「ソウル」はゴスペルやR&Bから派生したジャンルで、1960年頃に生まれました。

「ファンク」は「ソウル」から発展したジャンルで、1970年代に生まれました。

「R&B」をもっと詳しく

「R&B」は「リズム・アンド・ブルース」の略で、ブルース(最初の4小節を4小節でも反復し、最後の4小節で結ぶ音楽で、メロディは悲しげ)やゴスペル(アメリカに連れてこられた黒人奴隷の宗教音楽)から発展してアメリカで生まれた黒人音楽の一つです。

1920年代からアメリカに住む人々の間でブルースやゴスペルから派生した新しいジャンルが普及し始めました。

普及し始めた頃は「レイスミュージック」などと呼ばれていましたが、1947年にアメリカの有名な音楽誌が「R&B」という名前をつけたことで「R&B」として広がっていきました。

1960年代に白人の間でも認知されるようになり、その後他のジャンルの音楽にも影響を与えました。

 

音楽性としては、ブルースやゴスペルなどの黒人音楽にビートを加え現代的で大衆的な音楽に進化させたものです。

リズムやビートにのりながら叫ぶように感情豊かに歌い上げることが特徴です。つまり、リズム・アンド・ブルース」という名前の通り、リズミカルなブルースなのです。

 

「ソウル」をもっと詳しく

「ソウル」は「ソウルミュージック」とも呼ばれるジャンルで、ゴスペルとR&Bから派生し1960年代に生まれた黒人音楽です。

アフリカに住んでいた黒人が奴隷としてアメリカに連れてこられたのち、黒人がアメリカで宗教音楽として歌い始めたものが「ゴスペル」です。その後「ゴスペル」の影響を受け、先ほど説明した「R&B」が生まれました。

そして「ゴスペル」と「R&B」が融合し1960年代に「ソウル」が生まれました。

「ソウル」の音楽は、「ゴスペル」由来のハーモニーの進行を持っていることと、小気味良くキャッチーなリズムが特徴です。また、ヴォーカルを主体とした音楽で、即興のセッションでも多様な演奏ができることも特徴です。

「ファンク」をもっと詳しく

「ファンク」は1970年代に「ソウル」から派生して生まれた黒人音楽のジャンルを表す言葉です。

「ソウル」が生まれた時期と「ファンク」が生まれた時期が近く、明確に区別することは難しいとされています。

しかし、「ファンク」は16ビートと呼ばれるリズムを主体とした音楽で、「ソウル」と比べてメロディはあまりありません。とてもリズミカルで、同じようなフレーズを繰り返して音楽を進行していくという特徴があるため、ダンスとともに楽しまれることが多いです。

まとめ

以上、この記事では、「R&B」「ソウル」「ファンク」の違いについて解説しました。

  • R&B:ゴスペルとブルースから派生したジャンルで、ブルースをリズミカルにしたジャンル。
  • ソウル:ゴスペルとR&Bから派生したジャンルで、歌唱重視でキャッチーなリズムが特徴のジャンル。
  • ファンク:「ソウル」から派生したジャンルで、16ビートを基本としてダンスとともに楽しまれるジャンル。
どの音楽もルーツが似ている上、音楽の感じ方は人それぞれ感じ方が違うため、「R&B」「ソウル」「ファンク」を明確に聞き分けることは難しいでしょう。

しかし、音楽のジャンルを聞き分けなくても楽しめるのが音楽の良さであるので、この記事の情報を踏まえて、新たな視点から音楽を楽しんでください。