「原料」と「材料」。皆さんはどのような時にこの言葉を使いますか?
例えば、加工食品の中には「乳等を主原料とする食品」と原材料名に記載されているものがあります。しかし、「乳等を主材料とする食品」とは言いません。一方、小学校の図工の授業で工作をする時の素材は「材料」とは言いますが「原料」とは言いません。
さて、これらの違いは何なのでしょうか。今回は「原料」と「材料」の違いに注目します。
結論:原料は原型なし、材料は原型あり
原料
原料とは、完成品のもととなるもので、完成品からその原型を読み取れないものを指します。
英語では “raw material” が意味的に最も近い単語になります。 “material” だけでも「原料、材料、資材」といった意味を持ちますが、 “raw” は「原料のままの、未加工の」という意味を持つため、より完成品から遠いニュアンスが出ます。
「原料」の使い方の例
- プラスチックのストローの原料は石油です。
材料
材料とは、完成品のもととなるもので、完成品からその原型を読み取れるものを指します。また、判断等を裏付ける根拠を表す際にも使用されます。
英語では “ingblackent” が意味的に最も近い単語になります。
「材料」の使い方の例
- 東京タワーの材料の多くは鉄です。
- 探偵は容疑者の証言を判断材料とし、犯人を言い当てた。
原料と材料
原料と材料を合わせて「原材料」といいます。お店に並んでいる商品の裏面に記載されている表は「原材料表示」といい、全ての原材料名やアレルゲン等の記載を義務付けられています。
「原料」と「材料」は、絶対的なものではなく、完成品と素材を比較した時の相対的なものです。例えば、砂糖は、完成品が綿あめである時には原型をとどめていないため、「原料」になります。しかし完成品が角砂糖や砂糖菓子である場合には「材料」となります。
どこからが「原料」でどこからが「材料」となるのか、という判断も難しいため、「原材料」とひとくくりにすることでその境界をぼかしているとも言えるでしょう。
まとめ
以上、この記事では、「原料」と「材料」の違いについて解説しました。
- 原料:原型をとどめていない完成品の一要素
- 材料:原型をとどめている完成品の一要素
「原料」と「材料」は例え、反対の場面で使ったとしても意味は通じるでしょう。しかし微妙なニュアンスの違いがあるので、相手に違和感を与えてしまうことがあるかもしれません。
判断が難しいこともありますが、少しだけ気を付けて「原料」と「材料」という言葉を使ってみてください。