お酒に詳しくなれる!「老酒」と「紹興酒」の違い

違いのギモン

みなさんは普段どのようなお酒を飲まれますか?

世界各地で伝統あるお酒が造られており、それらを気軽に楽しむことができます。

ただし、お酒には非常に多くの種類と分類があり、飲む人にとって理解しにくいという面もあります。

今回は中国で醸造される「老酒」と「紹興酒」の違いについて説明します。

結論:どちらも「黄酒(ホアンチュウ)」の一種

「老酒(ラオチュウ)」と「紹興酒(ショウコウシュ)」はどちらも、「黄酒(ホアンチュウ)」(中国の米から作るお酒)の呼び名です。条件が以下のように異なります。

  • 「老酒(ラオチュウ)」長期熟成された「黄酒」
  • 「紹興酒(ショウコウシュ)」中国の浙江省市の紹興で醸造された「黄酒」

はじめに:「黄酒」とは

「老酒」と「紹興酒」はどちらも、「黄酒」という種類のお酒です。違いの説明に入る前に、まずは、「黄酒」について解説します。

「黄酒」とは、中国の米などの穀物を原料とした中国最古の醸造酒(※1)です。作り方は地域によって異なりますが、アルコール度数は14~18度です。主な原料を以下にまとめました。

  • 糯米(もちごめ):中国産の米がほとんど。
  • 麦麹(むぎこうじ):小麦から得られる麹。麹は米に含まれるでんぷんを糖に変える働きをする。
  • 酒薬:糯米などを丸め、酵母や乳酸菌を培養したもの。酵母は糖からアルコールを生み出す働きをする。乳酸菌は酒の腐敗を防ぎ、酸味を生む効果を持つ。
  • :天然水を使用する。発酵を盛んにするミネラルが豊富に含まれている。
造り方は日本酒と似ており、並行複発酵(※2)が行われます。並行複発酵には高い技術が必要とされるため、世界でも数少ない製法です。

「黄酒」を蒸留してできる透明なお酒を「白酒(パイチュウ)」と言います。

醸造酒(※1)とは、原料を酵母と呼ばれる菌の集団により発酵させた酒です。蒸留を行わないため、独特な風味が強く残ります。以下のお酒が醸造酒にあたります。

  • ビール
  • ワイン
  • 日本酒
  • 紹興酒
並行複発酵(※2)とは、麹によるでんぷんの糖化と酵母による糖のアルコール発酵を同時に行う醸造を指します。

「黄酒」などの穀物を原料とするお酒は、酵母によるアルコール発酵の前に、十分な糖を用意する必要があります。麹で十分に糖化させた後に酵母を投入する醸造法が多い中、この二段階の工程をひとつの櫂(かい)で同時に行います。

二種類の菌の活動を同時にコントロールするため、高い技術がいる醸造法です。

「老酒(ラオチュウ)」をもっと詳しく


「老酒(ラオチュウ)」は、長期熟成された「黄酒」を指します。

「黄酒」は甕(かめ)の中に保存され、その状態を保てば他のお酒と同様に熟成が進みます。

一般的には、三年間以上熟成させた「黄酒」を「老酒」と呼びます。

熟成が進むほど、風味と香りが強くなり、口当たりがまろやかになるため、年数を重ねた「老酒」ほど貴重になります。

 

「老酒」のラベルには「陳年」や「花彫」という名称がついている場合があります。これらは、それぞれ産地を示しています。

  • 陳年:台湾産
  • 花彫:中国本土産
また、色の濃い仕上がりの「黄酒」や、国外で醸造・熟成された「黄酒」も「老酒」と呼ぶことがあります。

中国では、常温や少し温めて飲むことが多いです。最近では、老酒をソーダで割った「ドラゴンハイボール」が若者の間で流行しています。

「紹興酒(ショウコウシュ)」をもっと詳しく


「紹興酒(ショウコウシュ)」は、中国の浙江省の紹興市で醸造され、国で定められた基準をクリアした「黄酒」を指します。

浙江省は「黄酒」の生産が盛んであり、全生産量の半分を作っています。その浙江省の紹興市で醸造された「黄酒」のみが「紹興酒」を名乗れます。

紹興市は東シナ海に面しており、名水とたたえられる鑑湖(かんこ)があります。恵まれた土壌から、稲作が盛んに行われていました。紀元前400年ごろから、この名水と米を使用して「黄酒」が生産されるようになりました。

品質が良く有名になったことから、一般的な「黄酒」と区別されて、「紹興酒」と呼ばれるようになりました。

「紹興酒」はストレートで飲むだけでなく、カクテルとしても親しまれています。

まとめ

以上、この記事では、「老酒」と「紹興酒」の違いについて解説しました。

  • 「老酒」:長期熟成された「黄酒」
  • 「紹興酒」:中国の浙江省の紹興市で醸造され、国で定められた基準をクリアした「黄酒」

「老酒」と「紹興酒」は、どちらも「黄酒」の一種だとわかりました。「黄酒」に限らず、お酒の種類や区別はややこしいですが、少しでも理解が進めば、より美味しく飲めるでしょう。