「雨季」と「雨期」の違いとは?意味から読み方までわかりやすく解説

違いのギモン

一年の中で、雨が良く降る期間のことを「うき」といいます。しかし、「うき」には「雨季」という漢字と「雨期」という漢字があります。あなたはどちらの漢字が正しいと思いますか?

場面により使い分けている人、「雨季」としか書かない人、「雨期」が正しいと思っていた人、あるいは「うき」という漢字を書く機会がない人など、様々だと思います。しかし、一体両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、社会人でもなかなか知らない「雨季」と「雨期」の違いについて解説していきます。

結論:「雨季」は季節重視、「雨期」は期間重視

どちらも同じ意味として使われており、特別な区別はありません。

「雨季」は、雨が降る時期を季節としてみた表現です。

「雨期」は、雨が降る時期を期間としてみた表現です。

「雨季」をもっと詳しく


「雨季」とは、一年のうちで降水量が特に多い季節のことです。通常一か月以上続きます。日本においては、6 月・7 月の梅雨の時期と 9 月・10 月の秋雨や台風の時期が「雨季」に当たります。

また、日本海側の冬の季節風による降雪期も「雨季」になります。

 

各辞書では、「雨季」と「雨期」を同じ項目で同じ説明をしている場合が多いです。そのため、実生活で「うき」と書く場合には、どちらで書いても間違いではありません。

しかし、「雨季」の「季」という漢字は四季・季語といった言葉に使用されるように、季節を意味する言葉です。そのため「雨季」はより雨が降る時期を季節としてみた表現であるといえます。

「雨季」の反対は「乾季」です。「乾季」とは、一年のうちで降水量が少なく、乾燥した季節のことをいいます。日本には「乾季」はありません。

 

日本を代表とした温帯地域では、春、夏、秋、冬の四季が明確に存在しており、一年を通して気温が大きく変化します。一方熱帯・亜熱帯地域においては、一年中気温が高いため、気温の変化が少ないです。そのため、降水量の違いにより「雨季」「乾季」の 2 つの季節に分けます。

例えばインドや東南アジアでは、5・6 月から 9・10 月までを「雨季」、10・11 月から 4・5 月までを「乾季」とする場合が多いです。ただし、これには例外もあります。

「雨期」をもっと詳しく


「雨季」とは、一年のうちで降水量が特に多い時期のことです。「雨季」と書く場合もあります。

「雨期」の「期」という漢字には、「あらかじめ決めた一区切りの期間、ある時点からある時点までの間」という意味があります。雨が降る時期を「期間」としてみた表現であるといえます。

 

「雨季」は熱帯地方の明確な季節としてのニュアンスがあります。よって、「日本の季節は春・夏・秋・冬の 4 つである」という前提に立つならば、日本の気候については「雨期」と書いた方が正確であるといえるかもしれません。

しかし、各辞書では、「雨季」と「雨期」を同じ項目で同じ説明をしている場合が多いです。そのため、実生活で「うき」と書く場合には、どちらで書いても間違いではありません。

 

「雨期」の反対は「乾期」です。日本には「乾期」はありません。

「乾季」と「乾期」についても明確な意味上の使い分けはありません。「雨季」「雨期」と同様の関係であるといえます。

まとめ

以上、この記事では、「雨季」と「雨期」の違いについて解説しました。

  • 雨季:雨が降る季節
  • 雨期:雨が降る時期
「漢字が違うから、きっと明確な使い分けがあるのだろう」と思っていた人もいるかもしれませんが、「雨季」と「雨期」に関してはそうではありません。

「雨季」も「雨期」も辞書では同じ説明がなされているので、実生活で使う時には好きな方を使うと良いでしょう。