ことわざ「埒が明かない」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「埒(らち)が明かない」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「埒が明かない」の意味をスッキリ理解!

埒(らち)が明かない:ものごとが思うように進まないこと

「埒が明かない」の意味を詳しく

「埒が明かない」は、ものごとが思うように進まないという意味です。仕事などで問題が発生し、解決しなければならないにもかかわらず、「事態が進展しない」場面で幅広く使われます。

昔は「ものごとが順調に進む」という意味で、「埒が明く」と言うことが多くありました。しかし、現代では「埒が明かない」という表現の方が頻繁に使われます。「埒が開かない」と書くのは間違いなので、注意してください。

埒とは、囲い・仕切りという意味です。主に、馬を走らせるための広場の柵のことを指します。

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「埒が明かない」の使い方

  1. 仕事の量が多過ぎるので、一向に片付かず埒が明かない。私たちの会社は、新しいシステムを導入すべきだ。
  2. 彼から連絡が来ないと家で悩んでいても、埒が明かない。外に出て気分転換をした方が良い。

①・②の例文はいずれも「ものごとが思うように進まない」という意味で「埒が明かない」を使っています。

「埒が明かない」の由来

「埒が明かない」は「埒が明く」という表現の否定形です。「埒が明く」の「明く」は「解決する」という意味です。

「埒が明く」の由来には2つの説があります。

賀茂(かも)の競(くら)べ馬が由来になっている説

1つ目の由来は、賀茂の競べ馬です。賀茂の競べ馬は、馬を走らせて競走させる行事です。正式名称は競馬会(くらべうまえ)神事といい、毎年5月1日~12日に京都で行われます。

この行事が開催されている間は、馬が走るコースを柵で囲います。そして、最終的に、行事が全て終わると囲いが全て片づけられます。

囲いが片づくことで、賀茂の競べ馬と同じ場所で行われる葵祭(あおいまつり)の準備をすることができます。葵祭とは、500人の人々が葵(※1)を身につけて行列を作り、京都御所から下鴨神社、そして上賀茂(かみがも)神社までを歩く行事です。

埒がなくなって葵祭の準備ができるようになる様子が、問題の解決を邪魔していたものが片づき、ものごとが順調に進んでいく状態に重ねられました。このことから、「埒が明く」は、ものごとが上手く進むという意味になりました。

  • 葵(※1):アオイ科に分類される植物のこと。徳川家の家紋を指すこともある。

春日大社の祭礼が由来になっている説

2つ目の由来は、春日(かすが)大社の祭礼です。毎年12月15日~18日に奈良で行われます。正式名称は春日若宮おん祭りです。

春日大社の祭礼は、皆が穏やかな生活を送れることを祈るお祭りです。このお祭りでは、非常に長い祝詞(しゅくし)が読まれます。そして、祝詞が読み終わるまで、一般人を中に入れないための柵があります。

ようやく長い祝詞が読み終わり、柵が取り払われると人々は、柵の中に入れるようになります。つまり、「埒が片づけられること」は「祝詞が無事に終了したこと」を意味します。

このことから、「埒が明く」はものごとが進展するという意味になりました。

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「埒が明かない」の類義語

「埒が明かない」には以下のような類義語があります。

  • 水掛け論:両方が意見を譲らないので、問題が解決しないこと
  • 押し問答:意見を主張し合って譲らないこと
  • いたちごっこ:両者が同じようなことをするので、事態が進展しないこと
  • 袋小路(ふくろこうじ):ものごとが停滞していること
  • 暗礁(あんしょう)に乗り上げる:問題が発生し、ものごとが上手く進まないこと

「埒が明かない」の対義語

「埒が明かない」には以下のような対義語があります。

  • 一点突破:1つの問題に集中的に取り組み、行き詰った状況を打開すること
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「埒が明かない」の英語訳

「埒が明かない」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • We’re not getting anywhere.
    (どうにもならない。)
  • We’re not making any progress.
    (何も進展がない。)

まとめ

以上、この記事では「埒が明かない」について解説しました。

読み方 埒(らち)が明かない
意味 物事が思うように進まないこと
由来 賀茂の競べ馬と春日大社の祭礼で、囲いが取り払われる様子が由来
類義語 水掛け論、押し問答、いたちごっこなど
対義語 一点突破
英語訳 We’re not getting anywhere.(どうにもならない。)

問題がなかなか進展しないことは苦しいですが、辛抱強く取り組んでいきたいですね。

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