人をいくつかの種類に分類する方法はいくつかありますが、そのうち有名なのは「人種」や「民族」などによるわけかたでしょう。
ところで、みなさんは「人種」と「民族」ではどういう違いがあるのか知っていますでしょうか。
混同しているという人も多いと思います。
そこで、今回は「人種」と「民族」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:違うわけかた
一方、「民族」とは言語、宗教、生活様式、歴史、価値観など文化的特徴を共有するひとかたまりの人間の集団のことです。
つまり、「人種」が生物学的特徴で分類しているのに対して、「民族」は文化的特徴で分類しているのです。
「人種」をもっと詳しく
人種とは人類を骨格、皮ふの色、毛髪、血液型などの特徴によって生物学的に分類したものです。
一般的には肌の色によってコーカソイド(白色人種)、モンゴロイド(黄色人種)、ネグロイド(黒色人種)の3つにわけられます。ちなみに、この3つの人種を3大人種と言います。
また、そのほかにオーストラロイドやカポイドなどという人種もあります。
このうち、オーストラロイドは、オーストラリア周辺や東南アジアや南アジアなどに住んでいる人種です。また、カポイドはコイコイ人とサン人の2つの民族が含まれる人種でアフリカの南部に住んでいます。
ちなみに、日本人はモンゴロイドに含まれます。
また、人種という考え方は差別と結びつきやすいので注意が必要です。
例えば、かつては白人とそのほかの人種を区別して考え、白人がほかの人種より優れているのだという思想が横行していました。
そして、このことがほかの人種の支配の正当化に使われたりしたのです。
「民族」をもっと詳しく
民族とは言語、宗教、生活様式、歴史、価値観など文化的特徴を共有するひとかたまりの人間の集団のことです。
そして、この概念は少しあいまいなものなので、人によってどこまでがその民族に含まれるかという基準が違ったりします。
そのため、正確な数はわかりませんが、世界にはとても多くの民族が存在します。
ちなみに、日本は1つの民族しかいない単一民族国家だと思っている人も多いと思いますが、それは大きな間違いです。
ときどき、「日本民族」という表現が使われることがありますが、これは「大和民族」を指していることが多いでしょう。
「大和民族」とは縄文時代の前から日本に住んでいた人々のことです。
そして、現在の日本に住んでいる人の大半は「大和民族」です。
しかし、日本にはそれ以外にもさまざまな民族が存在しています。
アイヌの人々、琉球民族などがその代表例と言えるでしょう。
つまり、日本は多民族国家なのです。
まとめ
以上、この記事では、「人種」と「民族」の違いについて解説しました。
- 人種:人類を骨格、皮ふの色、毛髪、血液型などの生物学的特徴によって分類したもの
- 民族:言語、宗教、価値観など文化的特徴を共有するひとかたまりの人間の集団のこと
「人種」と「民族」は決して同じ言葉ではありません。注意して使いわけていきたいものです。