今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「クオリア(qualia)」です。
「クオリア」の意味や使い方、語源、類義語、感じ方の違いの具体例についてわかりやすく解説します。
「クオリア」とは?
「クオリア」の意味を詳しく
「クオリア」とは、主観的に体験される様々な感覚のことです。
別の言葉で言い換えると「感覚的・主観的な経験にもとづく独特の質感」のことです。日本語では「感覚質」と訳されます。
要するに、「クオリア」とは言葉にできない「感じ」のことです。「好きな人と会った時の、あのドキドキする感じ」「きれいに晴れた空の、あの青い感じ」「こたつに入ったときの暖かい感じ」などの五感や心で感じる感覚のことです。
これらはすべて主観的な感覚で、人によって感じ方が変わります。
「空の青は、誰が見ても青いだろう」と思う方もいるでしょう。しかし、「自分が見ている空の青さと、他人が見ている空の青さが同じものだ」と証明することはできません。もしかしたら、自分にとっての赤が、他人にとっての青かもしれないのです。
そのような個々人の「感じ方」のことを「クオリア」というのです。
「クオリア」は、すべて脳の中で生み出されるものです。例えば、人はイチゴを見た時に「イチゴの赤さ」を感じます。
目に入った光が、網膜(もうまく)から神経を通り、脳まで電気信号で送られ、この信号を脳が受け取ったときに「イチゴの赤さ」を感じるのです。この時に感じる「イチゴの赤さ」が「クオリア」です。
「クオリア」の使い方
- 著名な哲学者がクオリアについて議論している。
- クオリアは昔から脳の研究の重要なテーマだった。
- 所詮、クリオアとは私たちの認識の問題に過ぎない。
- 私の兄は、大学院でクリオアについて研究しています。
「クオリア」の語源
「クオリア」の語源はイタリア語の “qualia” です。
“qualia” は、 “quale” という名詞の複数形です。 “quale” は、「特質・事物とは独立して存在する、普遍的な本質」という意味の英単語です。また、 “quale” は「クアリ」や「クエール」のように発音します。
「クオリア」の類義語
「クオリア」には以下のような類義語があります。
- 感覚質
- 質感
- イメージ
- 感触
感じ方の違いの具体例
人による五感の違いを実際に体感することはできません。しかし、具体例によってそのイメージを掴むことはできるでしょう。
例えば、日本語を母国語にしている人にとっては、英語の “L” と “R” の発音の違いを区別することが難しいです。英語の “L” と “R” の発音は、非常に似ています。
特に、日本語には英語の “R” の発音が存在しません。そのため、日本語を母国語にしている人では、 “L” と “R” が同じ音に聞こえる人が多いのです。
これは、日本人にとって “L” “R” の「クオリア」が一緒であるということです。
また、鶏(にわとり)の鳴き声を日本語では「コケコッコー」と言います。しかし、英語では「クックアドゥールドゥ」、ロシア語では「クカレクー」と言います。さらに、ドイツ語では「キッキレキ」と言うのです。
このように、鶏の鳴き声の表現は、国によって全く異なります。
これは、鶏の鳴き声の「クオリア」がそれぞれの国によって異なっているために起こるのです。
まとめ
以上、この記事では「クオリア」について解説しました。
英語表記 | クオリア(アルファベット) |
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意味 | 主観的に体験される様々な感覚 |
語源 | 「特質」の意味のイタリア語 “qualia” の複数形 |
類義語 | 質感、感触、イメージ、感覚質 |
感じ方の違いの具体例 | “L” と “R” の聞き分けや鶏の鳴き声 |
「クオリア」は「感覚」のことなので、定義を理解することは少し難しいでしょう。
自分の実体験に照らし合わせて理解しておきましょう。