故事成語「海翁鷗を好む」の意味と使い方:例文つき

言葉

今回ご紹介する言葉は、「海翁鷗を好む(かいおうかもめをこのむ)」です。

言葉の意味・由来・例文・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「桃李言わざれども下自ら蹊を成す」をざっくり言うと……

読み方海翁、鷗を好む(かいおうかもめをこのむ)
意味野心を持つと目的を達成しにくくなること
由来カモメを捕まえようとした途端、カモメは近づいてこなくなった
出典列子『黄帝』
英訳It is hard to achieve when ambition is known.

「海翁鷗を好む」の意味

海翁鷗を好む:野心を持ってしまうと、目的を達成できなくなってしまうこと

「海翁鷗を好む」の意味を詳しく


「海翁鷗を好む」とは、利害心や野心を持ってしまうと、相手はそれを察して警戒してしまうので、目的が達成しにくくなってしまうことを指しています。

逆に言うと、「何事に対しても無心・無欲でいると成功する」という意味になります。

「海翁鷗を好む」の由来

春秋戦国時代の頃の中国の本である「列子」の中の、『黄帝』という巻に載っている話が元になっています。

 
海辺に住んでいた少年は、カモメと仲が良く、毎日一緒に遊んでいました。それを知った少年の父親が、ある日「カモメを捕まえてこい」と少年に伝えました。

次の日、少年はカモメを捕まえようと思いながらいつもカモメ達と遊んでいた場所に行きました。しかし、今までは近くによって来てくれていたカモメ達は、少し離れた場所を飛ぶばかりで、少年に近づくことは無くなってしまいました。

この話から、「海翁鷗を好む」は「よくない野心を持っていると、それが相手に伝わり、目的を達成できなくなってしまう」という意味を持つ故事成語になりました。

 
「海翁好鷗(かいおうこうおう)」という四字熟語にもなっています。意味は同じです。

「海翁鷗を好む」の例文

「海翁鷗を好む」は、文章中ではこのように使われます。

  1. 欲を出したとたんに交渉が上手くいかなくなってしまった。まさに「海翁鷗を好む」だ。
  2. 「海翁鷗を好む」と言うように、下心は相手に伝わってしまうから、無欲でいなさい。

「海翁鷗を好む」の英語訳

「海翁鷗を好む」を英語に訳すと、このようになります。

It is hard to achieve when ambition is known.
(野心を知られると目標を達成しにくくなる)

まとめ

読み方海翁、鷗を好む(かいおうかもめをこのむ)
意味野心を持つと目的を達成しにくくなること
由来カモメを捕まえようとした途端、カモメは近づいてこなくなった
出典列子『黄帝』
英訳It is hard to achieve when ambition is known.

日常の中でも、様々な場面で役に立つ教訓だと思います。しっかり覚えて、役立てていきましょう。