「適宜」と「適時」は字面やニュアンスが似ているため、使い分けをあまり意識しない方が多いかもしれません。ですが、両者には違いがあります。
今回は「適宜」と「適時」の違いについて解説します。
結論:「適宜」が指す範囲は広い
「適宜」とは、その状況にふさわしいことを指します。
一方、「適時」とは、ふさわしい時のことを指します。
「適宜」をもっと詳しく
「適宜」とは、その状況にふさわしいさまを表します。英語では “proper” や “properly” と言います。
後に解説する「適時」との明確な違いは、ふさわしいとされる対象が限定されない点です。数量やタイミング、そして行動など、状況に適しているもの全てに対して「適宜」は使われます。
また、「適宜」には、自分にとって都合の良いように行動する様も指します。1つ目の意味が客観的にふさわしいと思われる様を表すのに対して、こちらは主観的にふさわしいと思う様を表していると言えます。
「適宜」の使い方の例
- 彼は適宜の処置を取った。
- 新入部員たちに適宜指導する。
- 今日は非常に暑いから、各自、適宜水分補給をするように。
「適時」をもっと詳しく
「適時」とは、ふさわしい時のことを指します。英語では “timely” と言います。
「適宜」との明確な違いは、ふさわしいとされる対象が「時」に限定されていることです。ふさわしいとされる全てのものに対して使われる「適宜」に対して、「適時」はより狭い意味の言葉であると言えます。
「適時」の使い方の例
- 適時に業務を終える。
- 一流の選手は、適時にきちんと休憩を取っている。
- 部屋の掃除は適時行うようにしている。
まとめ
以上、この記事では、「適宜」と「適時」の違いについて解説しました。
- 適宜:その状況にふさわしいこと
- 適時:ふさわしい時のこと