「適宜」と「適時」の違いとは?読み方から意味や使い分けまで解説

違いのギモン

「適宜」と「適時」は字面やニュアンスが似ているため、使い分けをあまり意識しない方が多いかもしれません。ですが、両者には違いがあります。

今回は「適宜」と「適時」の違いについて解説します。

結論:「適宜」が指す範囲は広い

「適宜」とは、その状況にふさわしいことを指します。

一方、「適時」とは、ふさわしい時のことを指します。

「適宜」をもっと詳しく


「適宜」とは、その状況にふさわしいさまを表します。英語では “proper” や “properly” と言います。

後に解説する「適時」との明確な違いは、ふさわしいとされる対象が限定されない点です。数量やタイミング、そして行動など、状況に適しているもの全てに対して「適宜」は使われます。

また、「適宜」には、自分にとって都合の良いように行動する様も指します。1つ目の意味が客観的にふさわしいと思われる様を表すのに対して、こちらは主観的にふさわしいと思う様を表していると言えます。

「適宜」の使い方の例

  1. 彼は適宜の処置を取った。
  2. 新入部員たちに適宜指導する。
  3. 今日は非常に暑いから、各自、適宜水分補給をするように。

「適時」をもっと詳しく


「適時」とは、ふさわしい時のことを指します。英語では “timely” と言います。

「適宜」との明確な違いは、ふさわしいとされる対象が「時」に限定されていることです。ふさわしいとされる全てのものに対して使われる「適宜」に対して、「適時」はより狭い意味の言葉であると言えます。

「適時」の使い方の例

  1. 適時に業務を終える。
  2. 一流の選手は、適時にきちんと休憩を取っている。
  3. 部屋の掃除は適時行うようにしている。

まとめ

以上、この記事では、「適宜」と「適時」の違いについて解説しました。

  • 適宜:その状況にふさわしいこと
  • 適時:ふさわしい時のこと
「適宜」と「適時」は字面が似ている上に同じような時に使う言葉です。しかし、前者はふさわしいとされるもの全てに、後者はふさわしいとされる時に対して使われる言葉です。意識して使い分けましょう。