プロパーとは「固有」という意味です。
ビジネスではさまざまな場面でプロパーという言葉を使います。
なんとなく意味は知っていても文脈ごとにどのように変化するかまでは知らないという方が多いのではないでしょうか。
この記事ではプロパーの意味や使い方、語源、類義語、見られ方について解説します。
「プロパー」の意味
- 固有
例:プロパー社員と協力する。 - 正規
例:プロパー価格で販売する。
プロパーは固有や正規という意味の言葉です。
これを中心にして、文脈に応じて意味が変化します。文脈ごとの意味を解説します。
ビジネス分野での意味
ビジネス分野でのプロパーは新卒で入社した社員のことを指して使います。
また、正社員という意味で使われることもあります。
金融分野での意味
金融分野でのプロパーは、金融機関が独自に行う融資を意味します。
「プロパー融資」というように使います。
クレジットカード分野での意味
クレジットカード分野でのプロパーは、他社と提携せずに発行するクレジットカードのことを指します。
「プロパーカード」というように使います。
製薬分野での意味
製薬分野では、MR(医薬情報担当者)のことを、かつてプロパーと呼んでいました。
MRとは?
MRとは、製薬会社の営業職のことです。
アパレル分野での意味
アパレル分野でのプロパーは、値下げをしない正規価格という意味です。
「プロパー価格」というように使われます。
専門家としての意味
プロパーは、特定の分野における専門家という意味でも使われます。
IT分野のプロパーはITの専門家で、哲学分野のプロパーは哲学者ということです。
「プロパー」の使い方
プロパーの使い方を意味別に見ていきましょう。
意味①固有
- プロパー社員と協力する。
- 銀行がプロパー融資を行う。
- プロパーカードを発行する。
- プロパーから医薬品の説明を受ける。
- IT分野のプロパーに取材をする。
- プロパー社員に仕事を教わる。
- 銀行からプロパー融資を受ける。
- プロパーカードで買い物をする。
- プロパーから医薬品を購入する。
- 心理学のプロパーに話を聴く。
⑤や⑩の例文でのプロパーは専門家という意味です。
意味②正規
- プロパー価格で商品を販売する。
- プロパー商品を購入する。
プロパー商品とは、正規ルートで販売された商品のことです。
「プロパー」の語源
プロパーの語源は英語の “proper” です。
“proper”は「固有・正規」という意味です。プロパーは、英語がそのままカタカナに変換された言葉です。
ただし、MRを表すプロパーはプロパガンダを意味する“propagandist”に由来しています。
「プロパー」の類義語
プロパーには以下のような類義語があります。
意味①:固有
- 固有
そのものだけにあること - 本有的(ほんゆうてき)
生まれながらに備え持っているさま - 生得的(しょうとくてき、せいとくてき)
本来備わっている先天的なもの - 独特
他にはなく、そのものだけにきわだっているさま - 独自
他と異なり、そのものだけに見られること - 特徴的
目立って明らかなさま
意味②:正規
- 正規
規則などではっきり決まっているさま - 公認
おおやけに認めること
「プロパー」の対義語
プロパーには以下のような対義語があります。
意味①:非正規
- 非正規(ひせいき)
正規でないこと - 門外漢(もんがいかん)
その道の専門家ではない人 - 非専門家
専門家以外の人
意味②:新卒入社でない人
- 転職者
転職した人 - 出向社員
他の企業に移り、出向先の業務に携わる人 - 派遣社員
人材派遣会社と雇用契約を結び、他の企業に派遣される社員 - 契約社員
雇用期間の定めのある「有期労働契約」を結んだ社員 - 常駐業務委託(じょうちゅうぎょうむいたく)
客先に常駐しながら業務委託を受ける人
プロパー社員の見られ方
ここでは、プロパー社員が中途社員からどのように見られているかについて解説します。
- 社内の人脈が広い
- 愛社精神が強い
- 融通が利かない
- 保守的
- 中途入社者の意見を聞かない
「プロパー」のまとめ
以上、この記事ではプロパーについて解説しました。
英語表記 | プロパー(proper) |
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意味 | ①固有 ②正規 |
語源 | 英語 “proper” |
類義語 | 固有 本有的 生得的 など |
対義語 | 門外漢 非専門家 転職者 など |
プロパーは幅広い文脈で使用する言葉です。ぜひ覚えておきましょう。