今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「プロバイオティクス」です。
「プロバイオティクス」の意味・語源・類義語・利用方法についてわかりやすく解説します。
☆「プロバイオティクス」をざっくり言うと……
英語表記 | プロバイオティクス(probiotics) |
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意味 | 腸内の菌のバランスを改善し、体に良い作用をする生きた微生物 |
語源 | ラテン語で「生物の共生」を意味する “probiosis” |
このページの目次
「プロバイオティクス」とは?
「プロバイオティクス」の意味を詳しく
「プロバイオティクス」とは、腸内の菌のバランスを改善し、体に良い作用をもたらす生きた微生物のことです。
これは、1989年にイギリスのフラー博士によって定義づけられました。後に、世界保健機関(WHO)などによっても提唱されています。
人の腸には、400〜500種類以上、約100兆個にもおよぶ腸内細菌がいます。これらは種類ごとにまとまって生息しており、その様子が花のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。
プロバイオティクスと呼ばれる微生物は、体内に入っても死なずに腸までたどり着き、これらの様々な菌のバランスを調整する役割を果たします。
これにより「下痢や便秘を抑える」「腸内の良い菌を増やし悪い菌を減らす」「腸内環境を改善する」「腸内の感染を予防する」「免疫力を回復させる」などの効果があります。
プロバイオティクスの代表的なものとして、乳酸菌やビフィズス菌があります。
しかし、必ずしも全ての乳酸菌とビフィズス菌がプロバイオティクスというわけではありません。プロバイオティクスと呼ばれるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 胃酸や胆汁酸などによって消化されずに腸まで届くこと
- 腸内で増殖できること
- 腸内フローラのバランス改善や、腸内の腐敗物質を減らす効果があること
- 抗菌性物質の生産や、病原性を抑制する作用があること
- 食品としても医薬品としても安全性が高いこと
- 簡単に摂取・飲用できること
- 生産する際に扱いやすく、価格や費用が安いこと
「プロバイオティクス」の語源
プロバイオティクスの語源はラテン語の “probiosis” です。
これは、「共に」という意味の “pro” と「生きる」という意味の “biosis” が組み合わされてできた言葉で、「生物の共生」を意味します。
菌を殺してカラダを守るアンチバイオティクス(抗生物質)とは正反対のものです。
「プロバイオティクス」の類義語
プロバイオティクスには以下のような類義語があります。
- プレバイオティクス:プロバイオティクスのエサになり、その働きを助けるもの
- シンバイオティクス:プロバイオティクスとプレバイオティクスのどちらも取り入れること
プレバイオティクスには、オリゴ糖や食物繊維などが挙げられます。
腸内バランスを改善するプロバイオティクスだけでなく、その働きを活性化するプレバイオティクスも取り入れることで、より大きな効果が期待できます。
「プロバイオティクス」の利用方法
プロバイオティクスを含んだ食品には、以下のものがあります。
- 味噌
- キムチ
- 漬け物
- 納豆
- ヨーグルト等
科学的に効果が証明されているのは特定の菌に限られるので、菌を確認する必要があります。ヨーグルトはトクホ商品を選ぶと確実です。
また、腸内は一日では改善されません。毎日継続して取ることが重要です。さらに、プレバイオティクス食品も取り入れると良いでしょう。
まとめ
以上、この記事では「プロバイオティクス」について解説しました。
英語表記 | プロバイオティクス(probiotics) |
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意味 | 腸内の菌のバランスを改善し、体に良い作用をする生きた微生物 |
語源 | ラテン語で「生物の共生」を意味する “probiosis” |
日本人の寿命が長いのは、言わずとも納豆や味噌などのプロバイオティクスを取り入れていたからかもしれませんね。