「過信」と「慢心」の違いとは?意味から使い方の例まで解説

違いのギモン

自分に自信を持つことは大切なことです。しかし、度が過ぎてしまうと「自分の実力を過信してるね。」などと他人から言われてしまいます。この「過信」と似た言葉として「慢心」がありますが、この二つの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「過信」と「慢心」の違いについて解説します。

結論:指す心の状態が違う!

「過信」は、自分の実力を過大に評価し、自信を必要以上に持っている心の様子を指す言葉です。

それに対して「慢心」は、自分に自信を持ち、他人に対して自分を自慢したいという心の様子を指す言葉です。

「過信」をもっと詳しく


過信は、自分に対して自信を持ちすぎている様子を指します。自分の力を信頼するのは良いことですが、その信頼の度が過ぎている場合に「過信」という表現が使われます。

何か大きな成功を収めた経験がある人が、自分の力を過信しやすいという傾向があります。これは、その成功により大きな自信を得たため、自己評価が高くなりやすいからです。

 

過信すると、自分の実力を本来の力以上に捉えてしまいます。そのため、自分の正確な実力を判断できなくなってしまい、油断につながります。結果として、本来の実力が出し切れなくなります。

それにより、普通であれば上手くいくようなことを失敗したり、無謀な挑戦を行うようになります。このように、過信をすると普段の生活でミスを起こしやすくなるのです。

「過信」の使い方の例

  1. 自分の力を過信すると、どうでもいいところでミスをする恐れがある。
  2. 強豪校に勝利したからといって、自分たちの実力を過信してはいけない。
二つ目の例文のように、何か大きな成功を収めた後、気持ちが浮かれすぎないように「過信」という言葉で戒める様子を表現することができます。

「慢心」をもっと詳しく


慢心は、他人に対して自分自身を自慢したいという心を指す言葉です。慢心も過信と同じように、一般的に悪い意味で使われる言葉です。

慢心の「慢」には、「驕る(おごる)」という意味があります。この漢字の意味通り、慢心している人は過大な自己評価や自分の立場が高いことなどで傲慢(ごうまん)になってしまい、他人に対して上から目線で接するようになります。

また、慢心している人は自己評価が高いため、自惚れ(うぬぼれ)やすいという傾向があります。その結果、努力をしようとしなくなり、自分の能力を上げる機会を失ってしまいます。

「慢心」の使い方の例

  1. 慢心は人間の最大の敵だ。
  2. 会長になれたからといって、慢心してはいけない。
一つ目の例文である「慢心は人間の最大の敵だ」はシェイクスピアが遺した言葉です。このように、昔から慢心には注意すべきだと考えられてきています。
シェイクスピア:イングランド出身の劇作家・詩人。代表作に、『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』などが存在する。

「過信」と「慢心」の英語での違い


「過信」と「慢心」は、英語でも違いが見られます。

過信は英語で、over confidenceといわれます。この表現の中のconfidenceという単語は、「自信」と言う意味です。また、overは「~以上」と言う意味なので、直訳すると、「自信以上の~」となり、過信の意味を的確に表しています。

慢心は英語で、prideconceitという表現で表されます。conceitは、「自惚れが強い」という意味の言葉のため、この表現も慢心の意味を分かりやすく表しています。

まとめ

以上、この記事では、「過信」と「慢心」の違いについて解説しました。

  • 過信:自分の実力を過大に評価し、自信を必要以上に持っている心の様子
  • 慢心:自分に自信を持ち、他人に対して自分を自慢したいという心の様子
このように、過信と慢心では表す心の状態が異なっています。どちらも一般的に悪い意味で使われることも覚えておきましょう。また、謙虚に考えることで過信や慢心になることを防ぐことが出来ます。自分自身を冷静に見るようにして、過信や慢心をしないようにしていきましょう。

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つつつ
この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。