今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「プレリュード」です。
「プレリュード」の意味や使い方、語源などについて分かりやすく解説します。
☆「プレリュード」をざっくり言うと……
読み方 | プレリュード(prelude) |
---|---|
意味 | 前奏曲。また、物事の始まる前兆。 |
語源 | ラテン語の pre と ludium より |
類義語 | オーバチュアー(overture) |
「プレリュード」の意味をスッキリ理解!
「プレリュード」の意味を詳しく
「プレリュード」とは、オペラや劇、組曲において冒頭に演奏される曲のことです。日本語では「前奏曲」と呼ばれます。
転じて、「事件や物事のはじまり、幕開け」を指すこともあります。
「プレリュード」は本編の前に演奏される曲なので、「プレリュード」がはじまっていても、正式にはオペラや劇はまだはじまっていません。「プレリュード」は、聴衆に対し、これから作品がはじまるということを知らせるためのものなのです。
17世紀ごろには「プレリュード」と「フーガ」を組み合わせた形式の楽曲が盛んに制作されました。
19世紀以降は、組曲の前奏曲としてではなく、独立した楽曲として製作されることも多くなりました。独立した「プレリュード」は、即興的な自由な作風の曲が多くあります。ショパンやラフマニノフなど、有名な作曲者たちも独立した「プレリュード」を作っています。
フランスの作曲家であるドビュッシーも「プレリュード」を多く作曲し、12曲ずつ収録された前奏曲集が2編作られています。これに入っている「亜麻色の髪の乙女」は「プレリュード」の中でも有名であり、代表的なものだと言えます。
fuga は、「逃げる」という意味のラテン語 fugere が語源となって生まれた言葉です。
日本語では「遁走曲(とんそうきょく)」と呼ばれる、西洋の楽曲の形式のひとつです。主題を反復、模倣しながら曲が進んでいきます。
「プレリュード」の使い方
「プレリュード」は、文中では以下のように使われます。
- オペラが開演し、厳かな雰囲気のプレリュードが流れ始めた。
- その夜街に響いた悲鳴は、一連の事件のプレリュードだった。
- 結婚式の朝かかった綺麗な虹は、夫婦のこれからを示すプレリュードのようだった。
日本語訳である「前兆」は、嫌なことの前触れといったようにマイナスの場面で使われることが多くありますが、「プレリュード」は良いことの兆しとして使っても構いません。
「プレリュード」の語源
「プレリュード」は、ラテン語で「あらかじめ」を意味する pre と「演奏」を意味する ludium が合わさってできた言葉です。
英語では prelude と表されます。
「プレリュード」の類義語
「プレリュード」には、以下のような類義語があります。
- オーバチュアー(overture):前奏曲。また、交渉を開始すること。
「プレリュード」と同じく前奏曲を指す言葉ですが、そこから派生した意味は異なるので、使い方に注意しましょう。
まとめ
以上、この記事では「プレリュード」について解説しました。
読み方 | プレリュード(prelude) |
---|---|
意味 | 前奏曲。また、物事の始まる前兆。 |
語源 | ラテン語の pre と ludium より |
類義語 | オーバチュアー(overture) |
単に「兆し」と言わず「プレリュード」と言うと、物語性を感じさせる味わい深い表現になります。ぜひ活用してみてください。