和尚の読み方「おしょう」と「わじょう」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

和尚と書いて「おしょう」と読みますが、「わじょう」とも読むのをご存知ですか。

普段あまり宗教に関わることのない私たちですが、この違いについて知っておいて損はありません。この記事では、「おしょう」と「わじょう」の違いについて解説します。

結論:違いは宗派

「おしょう」と「わじょう」の違いは、読み方が宗派によって異なることです。

僧侶(そうりょ)のことを「おしょう」と呼ぶのは、禅宗(ぜんしゅう)や浄土宗ですが、「わじょう」と呼ぶのは、法相宗(ほっそうしゅう)や真言宗です。

「おしょう」をもっと詳しく


禅宗と浄土宗では、僧侶のことを「おしょう」と呼んでいます。「おしょう」は、南アジアや東南アジアで使われていた古代語の梵語(ぼんご)から来ていて、梵語の「ウパージャーヤー」を日本語に書き写して「おしょう」となりました。

禅宗では、おしょうのことを「方丈(ほうじょう)」とも言います。それは禅宗では、質素な生活が望ましいとされていて、住職は4畳半の部屋で生活するべきという考え方から来ています。住職とは、そのお寺の代表のことです。

禅宗とは、修行で座禅を行う宗派のことで、その中でも「臨済宗(りんざいしゅう)」「曹洞宗(そうとうしゅう)」「黄檗宗(おうばくしゅう)」の3つの宗派に分かれます。

浄土宗は法然(ほうねん)が開いた宗派で「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)を唱えると、極楽浄土に行けるようになるという教えです。浄土宗の教えを元に作られた宗派が、親鸞(しんらん)が開いた浄土真宗という宗派です。

「わじょう」をもっと詳しく

法相宗と真言宗では、僧侶のことを「わじょう」と呼んでいます。

法相宗は、成仏するために座禅(精神統一を行うこと)や念仏を唱えるなどのたくさんの修行がある宗派です。真言宗は空海が開いた宗派で、中国の密教(みっきょう)という宗教を教えていました。

真言宗や天台宗では、僧侶になるための修行の先生となる方のことを阿闍梨(あじゃり)と呼びます。

補足:その他の宗派の僧侶の呼び方


その他の宗派も呼び方が違うので、ここで紹介します。

  • 華厳宗(けごんしゅう)と天台宗:同じように和尚と書いて「かしょう」と呼ぶ。
  • 律宗(りっしゅう)と浄土真宗:「和上」と書いて「わじょう」と呼ぶ。
  • 日蓮宗:「上人(しょうにん)・聖人(しょうにん)」と呼ぶ。上人よりも聖人の方が格上。
  • 三蔵:敬称の1つで、経律論をよく知っている方のこと。

経律論とは、仏教の用語なのですが、経は仏様の説いた教えのこと、律は規律や生活のルールをまとめたもの、論がこの2つの解釈や注釈をまとめたものです。

まとめ

以上、この記事では、「おしょう」と「わじょう」の違いについて解説しました。

  • おしょう:禅宗と浄土宗の呼び方
  • わじょう:法相宗と真言宗の呼び方
宗派によって僧侶のことをどのように呼ぶか変わってくるので、自分の家がどの宗派なのかを調べておくと役に立つと思います。

余談ですが、お坊さんと呼ばれるようになったのは、仏教の僧侶が丸坊主だったからですが、浄土真宗は、丸坊主にしなくても良いことになっています。