「警察」と「検察」の違いとは?事件解決の流れまでわかりやすく解説

違いのギモン

刑事ドラマや、事件についてのニュースを見ていると、「警察」「検察」などの言葉を聞く機会がありますよね。

どちらも、私たちの生活を守ってくれている機関であり、私たちが安心して生活するためには、とても大切な存在です。一方で、どちらもできるだけ無縁でありたい機関でもあります。

私たちの生活に近いようで遠い存在だからこそ、「警察」と「検察」の違いを説明するのは、難しいと思います。

この記事では、「警察」と「検察」の違いについて説明します。

結論:違いは、刑事事件に対しての役割

「警察」は、事件があった時に現場に駆けつけて情報収集をし、犯人を逮捕する役割です。仕事の大半が、肉体労働です。

「検察」は、警察が捕まえた犯人について、起訴するかどうかの判断をする役割です。仕事の大半が、デスクワークです。

「警察」をもっと詳しく

「警察」は、刑事事件があった時に現場に駆けつけて情報収集をし、犯人を逮捕する役割です。仕事の大半が、体を動かす肉体労働です。

刑事事件とは、法律の適用によって刑罰を受ける対象になる事件のことです。具体的には、痴漢・窃盗などの犯罪行為についての事件をいいます。

「警察」は、警察庁に属します。また、日本の47都道府県全てに、警察が配置されています。それぞれの県の警察組織の名称は、「〇〇県(道、府)警察本部」です。それぞれの警察組織で働く警察官は、地方公務員に分類されます。例外で、東京都のみ警視庁という名称です。

 

事件があった場合は、解決のために、以下のような流れで「警察」と「検察」が連動します。

まず、事件があったという連絡があると、早急に現場に駆けつけ、調査を行います。地元の人への聞き込み調査など、現場で得られる逮捕するための証拠を集めるのが「警察」の役割です。

証拠を集めると、「警察」はその情報を「検察」に提出します。そして、「検察」が逮捕すると判断した場合は、「警察」が捕まえに行きます。

 

例外的に、唯一警察の独断で逮捕できるのが、現行犯逮捕です。その場に居合わせた時のみ、「検察」の指示なく「警察」が動くことができます。

しかし、基本的には事件発覚から事件解決まで、「警察」は「検察」の指示に沿って動くのです。

「警察」の仕事は、犯罪捜査に関わるものだけではありません。地域のパトロールなどにより、犯罪を未然に防ぐ仕事もしています。また、運転免許の発行や更新も「警察」の仕事の一つです。

「検察」をもっと詳しく

「検察」は、警察が捕まえた犯人について、起訴するかどうかの判断をする役割です。仕事の大半が、デスクワークです。

「検察」は、検察庁に属します。検察庁があるのは、法務省です。そのため、国家公務員に分類されます。

前述の通り、「検察」は事件に関わる全ての決定権を持っています。「警察」が集めてきた情報を基に、裁判にするか否かの判断を下します。

「警察」と「検察」

刑事事件が発生してから解決までの流れは、逮捕の有無によって、大きく二つに分けることができます。

その場で逮捕された場合

「警察」に逮捕された場合は、48時間以内に「検察」へ身柄が送られます。「検察」の判断で、勾留(こうりゅう)(※)が決まった場合は、「検察」により、その後起訴するかどうかの判断が下されます。起訴になった場合は、裁判が行われ、事件が解決します。

  • 勾留(※):身柄を拘束する処分のこと

その場で逮捕されなかった場合

その場で「警察」に逮捕されなかった場合も、事情聴取という形で、取り調べが行われることがあります。

そもそも逮捕は、48時間以内に「検察」へ送ることが条件なので、「警察」が話を聞きたいだけの時は、逮捕ではなく任意同行です。しかし、あくまで任意なので、強制的な事情聴取ではありません。

その事件に関して、さらなる調査が必要な場合は、「検察」に身柄が送られます。これを書類送検と言います。

 

その後「検察」によって、起訴するかどうかの判断が下されます。起訴になった場合は、裁判が行われ、事件が解決します。

一つの事件について「警察」と「検察」が密接に連携しています。

まとめ

以上、この記事では、「警察」と「検察」の違いについて解説しました。

  • 警察:事件があった時に現場に駆けつけて情報収集をしたり、犯人を逮捕する役割
  • 検察:警察が捕まえた犯人について、起訴するかどうかの判断をする役割
違いを知ることで、刑事ドラマがより面白くなるかもしれませんね。