「指す」と「差す」の違いとは?「刺す」「挿す」との違いまで解説!

違いのギモン

「指す」と「差す」は紛らわしい単語の一つです。どちらも訓読みで「さす」と発音します。しかし、二つの単語は漢字が異なるため、意味も変わります。

日常生活でよく使用する単語ですが、これらを正しく使い分けることが出来る方は少ないかと思います。

この記事では、「指す」と「差す」の違いを解説していきます。

結論:指、矢印を使用する時は「指す」

二つの違いは、指と矢印を使用するか否かです。

「指す」は、方向・場所などを指し示す時に用いられます。指や矢印を使用します。

「差す」は、挟む・入れる・現れるなどの意味合いで用いられます。指や矢印を使用しません。

「指す」についてもっと詳しく

「指す」は、指などの細長い形状のものが、ある方向や事物に向かって伸びている、または示しているという意味を持ちます。方向、場所、意味などを指し示す場合に使用されます。

「指す」の使用例
  • 先生が生徒を指して答えさせた。
  • 時計の針が7時を指す。
  • 名探偵が犯人を指した。

上記の例のように、「指す」は指や矢印などを使う場合に使用されています。「指名」や「指示」も、指と矢印を用ることが多いと思います。まとめて覚えると分かりやすいですね。

「差す」についてもっと詳しく

「差す」は、今まで存在しなかったものをそこに出現させるという意味を持ちます。また、細長い光がすき間から入り込む様子も示しています。

挟む・現れる・入れる、という意味合いがある場合に使われます。「指す」とは異なり、指と矢印を使用しない場面で用いられます。

「差す」の使用例
  • 雨が降ったから傘を差す。
  • 太陽の光が差す。
  • プラグを差し込む。

その他の「さす」

「指す」と「差す」の他にも、「さす」を表す漢字があります。例として、「刺す」や「挿す」が挙げられます。これらの意味と使い方を説明します。

「刺す」は、先の尖ったものを突き込む、突き通す、という意味を持ちます。以下のように使用されます。

  • 蜂に刺される。
  • 刃物で敵を刺す。

次に、「挿す」は事物のすき間に別の事物を入れる、という意味を持ちます。以下のように使用されます。

  • 髪にかんざしを挿す。
  • 花瓶に花を挿す。

「さしちがえる」の使い分け

「さしちがえる」を表すときに、使用する漢字によって意味が全く異なります。三つの漢字による違いを説明していきます。

  • 指し違える:将棋で誤った手を指すこと
  • 差し違える:相撲で行司が勝ち負けの判定を誤ること
  • 刺し違える:お互いを刀で刺し合う

例文を見て分かる通り、使用する漢字によって意味が異なりますね。適宜使い分けをしましょう。

「さす」を英訳

ここまで、「指す」「差す」「刺す」「挿す」の四つの漢字を説明しました。これらが全く違う意味を持つことは記述しました。

では、これらの漢字を英語で表すと、どのようになるのでしょうか。

  • 他人を指さす:Point at people.
  • 魔が差す:Give in to temptation.
  • 人をナイフで刺す:Stab people with knives.
  • 花瓶に花を挿す:Assert flowers in the vase.

英訳をすると、四つの単語に共通点がないことが確認出来ます。これらは別の単語として存在しているのです。つまり、日本語でも異なる単語として区別する必要があることが分かります。

まとめ

以上、この記事では「指す」と「差す」の違いについて説明しました。

  • 指す:方向、場所、意味を指し示す。指と矢印を用いる。
  • 差す:挟む、入れる、現れるの意味合いで使用される。指と矢印を用いない。

「指す」と「差す」は全く異なる二つの単語であるため、適切に使い分けを行いましょう!