法律用語は難しくて、一般人にとって法律を読むのは難しいですよね。
そして、一般的に使われている言葉でも、法律上で使われていると意味が少し違っていたりします。
それだけでも厄介なのに、意味が似ていて区別がつきにくい単語があると、さらにややこしいですよね。
そのような言葉はいくつもありますが、「許可」と「認可」と「承認」はそのひとつだと思います。
これら3つの言葉はどれも同じような意味を表していますが、きちんと違いがあるのです。
そこで、今回は「許可」と「認可」と「承認」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:意味が違う
次に、「認可」とはある人の行為に行政が同意を与えることで法的な効力を持つようにすることです。
そして、「承認」とは行政が肯定的な意思表示を与えて認めることです。
つまり、「許可」と「認可」と「承認」は違う意味の言葉なのです。
「許可」をもっと詳しく
「許可」とはふつうは法律上で禁止されていることを行政が特定の場合に許し、できるようにすることです。
例えば、人を手術したり、処方箋を書いたりすることはふつうは禁止されていますが、医師免許を持っている人には許可されています。
そして、許可が必要なことを無許可で行った場合には処罰が行われたり、強制執行の対象になったりします。
そのため、許可は比較的強い言葉だと言うことができます。
ちなみに、強制執行とは家などの資産を強制的に差し押さえることです。
ただ、無許可で行っても、その行為が無効になるわけではありません。
例えば、無許可でうどん屋を営業していたとしても、うどんを提供して、その代わりにお金をもらったという契約自体は無効になりません。
うどんはもう食べられてしまって、なくなってしまってますからね。
また、条件をクリアしていても、許可しないということもできます。
ただ、それは平等ではないので、ふつうそのようなことは起こりません。
「認可」をもっと詳しく
「認可」とはある人の行為に行政が同意を与えることで法的な効力を持つようにすることです。
例えば、銀行同士が合併するためには行政の認可が必要です。
そして、本来は認可が必要なことを認可なしに行った時にはその行為は法律上の効果が発生せず、無効になります。
上の例の場合、認可されなかった場合は銀行の合併は成立しないことになります。
ちなみに、認可を受けずに認可が必要なことをすること自体は処分の対象にはなりませんが、結果的に違法になる場合も多くあります。
また、認可には一定の条件を満たしていることが必要ですが、その条件を満たしていた場合には必ず認可しなければなりません。
「承認」をもっと詳しく
「承認」とは行政が肯定的な意思表示を与えて認めることです。
そのため、3つの中では一番弱めな言葉だと言うことができるでしょう。
まとめ
以上、この記事では、「許可」と「認可」と「承認」の違いについて解説しました。
- 許可:ふつうは法律上で禁止されていることを行政が許し、できるようにすること
- 認可:ある人の行為に行政が同意を与えることで法的な効力を持つようにすること
- 承認:行政が肯定的な意思表示を与えて認めること
「許可」と「認可」と「承認」はこんなに違います。きちんと使いわけていきたいですね。