「ペナルティエリア」と「ゴールエリア」の違いとは?バイタルエリアも解説

違いのギモン

サッカーを見ていると、両方のゴールの前に白線で囲われたエリアが二つあることに気付くと思います。外側の白線で囲われたエリアが「ペナルティエリア」、内側で囲われたエリアが「ゴールエリア」と呼ばれるものです。

しかし、これらの二つのエリアは一体何のためにあるのか正しく理解できていない人は少なくないと思います。

この記事では、「ペナルティエリア」と「ゴールエリア」の違いや、それぞれは何のためのエリアなのかを解説します。

結論:ペナルティエリア内ではキーパーは手を使え、守備側が反則を犯すとPK

「ペナルティエリア」内では、ゴールキーパーは手でボールを扱え、守備側の選手は反則を犯すと失点の可能性が高いPKをとられてしまいます。

「ゴールエリア」はルール改正により、「ペナルティエリア」ほど強い意味を持たなくなりました。

「ペナルティエリア」をもっと詳しく


「ペナルティエリア」とは、冒頭で述べたように、サッカーコートのゴールの目の前にある白線で囲われたエリアのうち、外側の白線に囲われたエリアです。「ペナルティエリア」は、幅約 40m 、縦約 16m の大きさとされています。

「ペナルティエリア」内では、ゴールを守る側のゴールキーパーは手でボールを扱うことができます。つまり、ゴールキーパーと言えども、「ペナルティエリア」外で手でボールを触ると反則を取られてしまうということになります。

 

また、「ペナルティエリア」内で、守備側の選手が反則(タックルやハンドなど)を犯した場合、攻撃側のチームには、「ペナルティキック(PK)」が与えられます。

守備側のチームにとっては、PKは失点する危険が高く、「ペナルティエリア」内では反則を犯さないよう、注意しながらプレーすることが求められます。

 

また、「ペナルティエリア」の写真を見ると、半円の白線があることが分かります。この白線の意味は、サッカーを実際にやっている人でも意外と知らない人も多くいます。

勘違いしている人もいるかもしれませんが、半円の白線内は「ペナルティエリア」ではありません。

先ほど登場したPKの際、キッカーとゴールキーパー以外はボールから9.15メートル離れなければならないというルールがあります。その目印として引かれている線です。飾りではありません。

「ペナルティエリア」の使い方の例

  • ペナルティエリアでスライディングしてしまい、相手チームにPKが与えられた。
  • ゴールキーパーはペナルティエリアで手を使えるので、高いボールはほとんど競り負けない。

「ゴールエリア」をもっと詳しく


「ゴールエリア」とは、ゴール前に引かれた白線で囲われたエリアのうち、内側の白線で引かれたエリアを指します。「ゴールエリア」は幅約20メートル、縦約6メートルとされています。

「ゴールエリア」は元々、ゴールキーパーを保護するためのエリアでした。「ゴールエリア」内ではゴールキーパーは、普通は反則とならないようなタックルなどでも、タックルを受けた場合は「キーパーチャージ」という反則を取ってもらうことができました。

 

しかし、この「キーパーチャージ」というルールは現在では廃止され、たとえゴールエリア内でも、ゴールキーパーは他のフィールドプレーヤーと同じ扱いを受けます。

現在でも、キーパーに対しての過度なタックルなどの反則のことを「キーパーチャージ」と呼ぶ人もいますが、正式な使い方ではありません。

このような経緯もあり、「ゴールエリア」は以前ほどの強い意味を持つエリアでは無くなりました。

 

しかし、全く意味がないというわけではなく、ゴールが置かれている側の線(ゴールライン)を、相手選手が最後に触ったボールが超えた際に行われる「ゴールキック」は、「ゴールエリア」の白線上から行われます。

また、「ゴールエリア」内で守備側のチームが反則を受けた場合には、反則を受けた場所ではなく、ゴールエリアの白線の好きなところからフリーキックを行うことができます。

「ゴールエリア」の使い方の例

  • ゴールキックを、ゴールエリアの白線上から蹴る。
  • 昔は、ゴールエリア内でキーパーが少しでもタックルを受けたら反則になっていた。

「バイタルエリア」とは何か


たまにサッカーの中継をテレビで見ていると、解説者が「バイタルエリア」という言葉を使うことがあります。

「バイタルエリア」も、ゴールの近くのエリアを指しますが、「ペナルティエリア」と「ゴールエリア」の他にエリアはどう探しても見つかりません。

 

「バイタルエリア」とは、得点に結びつきやすい場所を指す言葉で、白線で囲われてもいませんし、明確な定義もあるわけではありません。一般的には、ペナルティエリアの周辺一帯を指すことが多いです。

「バイタル」は英単語の vital から来ています。「(生命に関わるぐらい)重要な」という意味を持ち、守備側のチームからしたら、バイタルエリアは失点に結び付きやすい「致命的なエリア」であることになります。

まとめ

以上、この記事では、「ペナルティエリア」と「ゴールエリア」の違いについて解説しました。

  • ペナルティエリア:外側の白線内。キーパーが手で触れたり、PKに結びついたりする
  • ゴールエリア:内側の白線内。以前ほど意味はないが、ゴールキック際に基準となる
このように「ペナルティエリア」は、ゴールキーパーが手でボールを触れたり、守備側のチームが反則を犯すとPKをとられてしまうということもあり、強い意味を持つエリアです。

それに対して、「ゴールエリア」はそこまで重要な意味を持つわけではありません。

しかし、サッカーを見るうえで、それぞれがどこのエリアを指し、何の意味があるのかを知っておくと、よりサッカー観戦を楽しめると思います。