「ペガサス」も「ユニコーン」も馬をモチーフにした伝説上の生き物ですが、実は全く違う生き物だということを知っていましたか?
この記事は「ペガサス」と「ユニコーン」の違いをわかりやすく説明していきます。
結論:「ペガサス」は翼を持ち、「ユニコーン」は頭に角を持つ。
その一方で、「ユニコーン」は日本語では “一角獣” と呼ばれ、額の中央にらせん状の一本の角を持っています。
「ペガサス」をもっと詳しく
ペガサスはギリシア・ローマ神話に登場する翼を持つ馬で、空を飛ぶことができます。
海神ポセイドーンとメドゥーサの子で、クリューサーオールと兄弟です。
英雄ペルセウスによってメデューサの首が切り落とされた時に飛び散った血から誕生したとされています。
外見はとても優美ですがかなり気性が荒く、当初はゼウスの雷の運び手や、英雄ベレロフォンの愛馬として活躍していました。
人間を近づかせようとせず、乗ろうと挑戦した者を次々に振り落とそうとしたため、女神アテナが黄金の馬勒をつけることでやっとコントロールできるようになったとされています。
ペガサスは霊感の象徴とされ、星座になり、ローマ時代には不死の象徴とされていました。
また中世ヨーロッパの以降の貴族社会の紋章学では「教養」や「名声」の象徴であるとされてきました。
「ユニコーン」をもっと詳しく
ユニコーンは額の中央にらせん状の角を持った伝説上の生き物ですが、神話などではなく古典文学や旧約聖書に登場します。
unus「ひとつ」とcornu「ツノ」の合成語でギリシア語では「モノケロース」とも呼ばれています。
ユニコーンはスコットランド王家の象徴であり、イギリスの正式な国章にもユニコーンが描かれています。
ユニコーンはヤギのあご髭、馬の胴体、牡鹿の頭、象の足、ライオンの尾を持ち、額の中央から1mくらいの黒い角を生やした生き物とされていました。
フランスの小説家のフロベールが『聖アントワーヌの誘惑』の第7章の中で一本の角を持つ美しい白馬としてユニコーンを登場させたため、その姿が現代の一般的なイメージとなっています。
見た目はとても優雅に描かれることが多いですが、非常に獰猛で処女の懐に抱かれることで初めて大人しくなるとされています。
ここからユニコーンは「純潔」「貞潔」の象徴とされた一方で、悪魔などの象徴ともされ、七つの大罪の一つである「憤怒」の象徴にもなりました。
中世では、角はアリコーン(alicorn)と呼ばれ、水を浄化したり、解毒したり、病を治す力があるとされ重宝されていました。
そのことから、ユニコーンは水や薬のシンボルとされ、薬局のマークとして使われるようになりました。
しかし、ユニコーンの角は手に入らないので、この時に使われていたのは一角鯨のらせん状の牙でした。
特にドイツでは現在でも薬局の屋根の上にユニコーンの標識があることがあります。
ユニコーンは「純潔の女の子の前ではおとなしくなり、その懐によってくる」という習性を持っています。
そこで中世の人々はその習性を利用し、純潔の女の子を森へ連れて行き真剣にユニコーンをおびき出そうとしていました。
中世のヨーロッパの人々は真剣にユニコーンを捕まえるため、純潔の女の子を森へ連れて行きユニコーンをおびき出そうとしていました。
まとめ
以上、この記事では、「ペガサス」と「ユニコーン」の違いについて解説しました。
- ペガサス:ギリシア・ローマ神話に登場する翼を持った馬に似た伝説上の生き物
- ユニコーン:旧約聖書に登場する頭に一本の角を持った馬に似た伝説上の生き物