落花生とピーナッツは「殻がついたままの状態が落花生、殻と甘皮を剥いた状態がピーナッツ」という点が異なります。
落花生とピーナッツの違いを意識せず、何気なく使い分けてしまっていませんか?
また、「違う豆を指すのかと思っていた」という方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、落花生とピーナッツの違いについて詳しく解説します。
このページの目次
「落花生」と「ピーナッツ」の違い
落花生とピーナッツは、同じ豆を指します。
どちらもマメ亜科ラッカセイ属の植物です。
落花生とピーナッツは、下記のように区別して呼ばれます。
- 落花生:
殻がついた状態を指す - ピーナッツ:
殻と甘皮をとった状態を指す
「落花生」とは
落花生は、マメ亜科ラッカセイ属の豆です。
殻を剥いていない状態を指すときに、落花生と呼びます。
また、落花生という呼び方は、食品として呼ぶよりも、植物や農産物、特産物として扱うときに使うことのほうが多いです。
たとえば、国内の落花生の生産量のうち78%は千葉県で生産されています。
つまり、落花生は千葉県の特産物なのです。
そのため、特産物として話題にあげるときは、「落花生」と呼称します。
落花生といえば千葉県というイメージが強いですが、国内で消費されている落花生の全体のうち、9割は海外産の落花生です。
そのため、日本で流通しているもののほとんどが千葉県産であるというわけではないのです。
「落花生」の由来
落花生はもともとアルゼンチンなど南米の国で生産される豆でしたが、江戸時代、中国から日本に伝来しました。
落花生は以下のような流れで豆を実らせます。
↓
受粉すると花は枯れ、地面に落ちる
↓
花の下から子房柄(しぼうへい)が地中に入る
※子房柄:糸のようなもの
↓
地中で豆が膨らみ、実る
↓
9〜10月頃に収穫される
このように、「花が落ちて生まれる」ため、落花生という名前で呼ばれるようになったのです。
落花生の食べ方
落花生は基本的に、殻を剥いていない状態を指します。
そのため、落花生を食べる時には、殻をむいて食べることになります。
殻のつなぎ目に沿って割れ目を引きはがすと、殻を綺麗に剥くことができます。
落花生は基本的に、乾燥された「炒り(いり)落花生」の状態で販売されており、殻から出した豆はそのまま食べることができます。
ただし、旬の季節になると、生のピーナッツが販売されることもあります。
生のピーナッツは、以下のように調理して食べましょう。
- 素焼きにして食べる
- 塩水で茹でて食べる
なお、自分で調理をしなくても、以下のような落花生の加工品を買い、食べることもできます。
- 素煎り落花生
- 味付き落花生
- 落花糖
落花生は茶色い薄皮をむかずに食べた方が体に良いです。
薄皮には、ポリフェノールが豊富に含まれているからです。
「落花生」の他の読み方・呼び方
落花生は「らっかせい」と読みますが、宮崎県や鹿児島県では「らっかしょう」「らっかしょ」と呼ぶこともあります。
他にも、地域によっては、下記のような別名で呼ばれることがあります。
- 異人豆(いじんまめ)
- から豆
- 唐人豆
- とう豆
- しな豆
- ほうらい豆
- かんとん豆
- 地豆(じまめ)
- だっきしょ
- つち豆
- そこ豆
- ぢむじり豆
- ぢのした豆
- 土露子
- 番豆
- 千歳子
- 万寿果(まんじゅか)
このように、落花生にはさまざまな別名があります。
落花生は、南米から世界中に広がり、日本でも各地で食料として定着したため、多くの呼び方があるのです。
「ピーナッツ」とは
ピーナッツは、落花生の殻と甘皮を剥いた状態を指します。
つまり、落花生のなかの「実」の部分がピーナッツなのです。
ピーナッツは、味付けをされたり、加工されたりして販売されることが多いです。
ピーナッツの由来
ピーナッツという呼び方は、英語の “peanut” に由来します。
“peanut” は複数形にすると “peanuts” となります。
“peanuts” をカタカナ語にしたのが「ピーナッツ」なのです。
“peanut” の “pea” は豆、“nut” はナッツを意味します。
そのため、“peanut” を直訳すると豆のナッツとなりますが、ピーナッツはナッツの一種ではありません。
アーモンドやクルミといった「ナッツ」が木の実であるのに対して、ピーナッツ(落花生)はマメ科植物の種ですから注意しましょう。
ピーナッツは脂質が豊富である点がナッツ類と似ているため、名前にナッツが含まれているだけなのです。
「ピーナッツ」の食べ方
ピーナッツは殻や薄皮が剥かれているおり、調理や加工も施されているため、そのまま手軽に食べることができます。
また、下記のように、さらに調理を加えて食べることも多いです。
- 肉や野菜と炒める
- すりつぶし、塩やバターで味付ける
- 砕いてタレに使う
なお、ピーナッツの加工品にもさまざまなものがあります。
具体的な例には以下のようなものがあります。
- ピーナッツバター
- ピーナッツクリーム
- ハニーローストピーナッツ
- ピーナッツオイル
「落花生」と「ピーナッツ」を食べる際の注意点
落花生や、落花生の実であるピーナッツを食べるときには、下記の点に注意しましょう。
- アレルギーに気をつける
- 生の落花生は早めに食べる
- 食べ過ぎに注意
1つずつ詳しく解説します。
①アレルギーに気をつける
まず、落花生やピーナッツを食べるときには、アレルギーに気をつけましょう。
落花生とピーナッツの違いは、「殻があるかないか」という点だけですから、同じ豆です。
そのため、落花生アレルギーの人がピーナッツを食べるのは危険です。
同じように、ピーナッツアレルギーの人が落花生を食べても、アレルギー反応が起きる可能性が高いです。
消費者庁のルールが変わり、2019年から、食品のアレルギー表示では、ピーナッツも「落花生」と記載されるようになりました。
②生の落花生は早めに食べる
生の落花生は早めに食べきってしまいましょう。
乾いた状態の落花生や、加工や味付がされているピーナッツと異なり、生の落花生は賞味期限が短いからです。
③食べ過ぎに注意
落花生やピーナッツは食べ過ぎに注意しましょう。
食物繊維が豊富であるぶん、食べ過ぎると消化しきれずにお腹を壊してしまうからです。
そのため、落花生やピーナッツは軽いおやつとして、適量を食べましょう。
ちなみに、1日のおやつのカロリーは200kcalまでが適切とされています。
「落花生やピーナッツを食べると鼻血が出る」という情報には、医学的な根拠はありません。
補足:「南京豆」とは
ここまで、落花生とピーナッツの違いについて解説してきました。
落花生とピーナッツと合わせて、違いがわかりづらいのが「南京豆(なんきんまめ)」です。
南京豆は、落花生の殻をむいた状態を表します。
ピーナッツは、殻を剥いたあと、さらに薄皮まではがした状態を指しますが、南京豆は薄皮が残った状態を指すのです。
つまり、落花生・ピーナッツ・落花生の違いをまとめると、以下の表のようになります。
殻 | 薄皮 | |
---|---|---|
落花生 | ついたまま | ついたまま |
ピーナッツ | 剥いた状態 | 剥いた状態 |
南京豆 | 剥いた状態 | ついたまま |
「落花生」と「ピーナッツ」の違いのまとめ
以上、この記事では、落花生とピーナッツの違いについて解説しました。
- 落花生:
殻がついた状態を指す - ピーナッツ:
殻と甘皮をとった状態を指す
食べる際の注意点にも気をつけて、落花生とピーナッツを美味しくいただきましょう。