「パトス」の意味とは?使い方から対義語やロゴスとの関連まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「パトス」です。
「パトス」の意味、関連語、使い方、語源、類義語についてわかりやすく解説します。

☆「パトス」をざっくり言うと……

英語表記パトス(pathos)
意味情熱などの強い感情の動き・倫理における一時的な感情
関連語エトス・ロゴス
語源「感じる」という意味のギリシア語“πάσχω”
類義語リビドー・パッション・エモーション

「パトス」の意味をスッキリ理解!

パトス(pathos):情熱などの強い感情の動き・倫理における一時的な感情

「パトス」の意味を詳しく

「パトス」とは、情熱などの強い感情の動き・倫理における一時的な感情のことです。

「パトス」は、本来倫理学の分野で使われていた言葉です。

倫理学における「一時的な感情」という本来の意味と、現在使われるようになった「情熱などの強い感情の動き」というふたつの意味があります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

「一時的な感情」という意味

倫理学においての「パトス」は、「喜怒哀楽などの一瞬の、一時的な感情状態」を指す言葉です。

情熱などに限らず、喜び、悲しみなどのあらゆる感情を含みます。

また、感情の強さなどもあまり関係はなく、重要なのはそれらの感情が「一時的なものであること」です。

また、論理や社会にとらわれずに、心のうちからでる感情のことです。

「情熱などの強い感情の動き」という意味

倫理学での意味から派生して、現代では「パトス」は「情熱などの強い感情の動き」という意味で使われることが多いです。

倫理学では「喜怒哀楽などのあらゆる感情」を意味しましたが、こちらでは、情熱、熱情、激情などの「激しく高ぶる気持ち」「燃え滾るような感情」というニュアンスが強いです。

ただし、深い悲しみなどの意味では絶対に使えないわけではありません。

「パトス」の関連語

「パトス」の関連語として次のふたつが挙げられます。

  • エトス
  • ロゴス

「パトス」は、もともと倫理の分野の言葉で、「アリストテレスの説得の3要素」のひとつでした。

アリストテレスが提唱した、これさえあれば人を説得できるという3つの要素のことです。

その3要素が「エトス」「パトス」「ロゴス」です。「エトス」と「ロゴス」の意味を詳しく見ていきましょう。

「エトス」の意味

「エトス」とは、「個人や社会集団の特性や道徳的な慣習」のことです。そして「信頼」という意味もあります。

社会集団の特性に当てはまったり、道徳的な慣習が一致していれば信頼を得ることができますよね。このように考えて覚えるといいでしょう。

「パトス」が「一時的な感情」を表すのに対して、「エトス」は「長く続く慣習」を表しています。

「ロゴス」の意味

「ロゴス」は「言葉」「論理」という意味です。

「パトス」が「論理や社会性を省いた感情」であるのに対して、「ロゴス」が「言葉」「論理」という意味を持つのです。

このふたつが対比的な意味を持っていることがわかります。

「パトス」の使い方

「パトス」には以下のような使い方があります。

  1. 彼の中で彼女に対するパトスが沸き起こっている。
  2. ロゴスとパトスを使い分ける。

➊の「パトス」は、「強い感情」「情熱」という意味で使われています。

➋の「パトス」は、「倫理における一時的な感情」という意味で使われています。

「パトス」の語源

「パトス」の語源は、ギリシア語の “πάσχω” です。

“πάσχω” には「感じる」という意味があります。これが英語の”pathos”に派生し、カタカナ語の「パトス」に転じました。

英語の”pathos”の意味はカタカナ語と同じく「一時的な感情」「情熱」です。

「パトス」の類義語

「パトス」には以下のような類義語があります。

  • リビドー:性的な欲求・強い欲望・本能的なエネルギー
  • パッション:情熱
  • エモーション:情緒・感情

まとめ

以上、この記事では「パトス」について解説しました。

英語表記パトス(pathos)
意味情熱などの強い感情の動き・倫理における一時的な感情
関連語エトス・ロゴス
語源「感じる」という意味のギリシア語“πάσχω”
類義語リビドー・パッション・エモーション

「パトス」は倫理の言葉ですが、比較的理解しやすいと思います。関連語や類義語まで覚えておきましょう。