今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ペーソス」です。
「ペーソス」の意味、使い方、語源、類義語、「ノスタルジー」との違い、「ユーモア」との関係についてわかりやすく解説します。
☆「ペーソス」をざっくり言うと……
英語表記 | ペーソス(pathos) |
---|---|
意味 | 物悲しい感情 |
語源 | ギリシア語の “pathos” より |
類義語 | 哀愁、哀愁、切なさなど |
ノスタルジーとの違い | ノスタルジーは故郷を想う悲しさ |
このページの目次
「ペーソス」とは?
「ペーソス」の意味を詳しく
「ペーソス」とは、もの悲しい感情のことです。人間の心が受ける感動のことであり、一時的な激しい感情をさします。特に、物悲しい感情を指しています。
ペーソスは作品上のテクニックとして使われます。作者の哀れを誘う力により、読者の心は動かされます。そして、一時的な悲しさに覆われます。
「ペーソス」の使い方
「ペーソス」を用いた例文を紹介します。
- 終始ペーソスのあふれる映画だった。
- 彼はペーソスの漂う本を書くのが得意だ。
- チャップリンのペーソスを感じさせる笑いは今でも愛される。
- 作品のペーソスに包まれて、勉強が手に付かなかった。
- もっとペーソスをきかせると、より奥深い作品になると感じた。
「ペーソス」の語源
「ペーソス」の語源はギリシャ語の “pathos” (パトス)です。
パトスとは、何かされるという受け身のあり方です。その意味が転じて、激しい感情に襲われた時の心を意味するようになりました。
同じギリシャ語に、「エトス」や「ロゴス」という言葉もあります。これらは、人間の理性的な側面を表します。対して、パトスは受動的・感情的な人間の側面を表します。
「パトス」の類義語
「パトス」には以下のような類義語があります。
- 物悲しさ
- 哀愁
- 情念
- 切なさ哀愁
「ペーソス」と「ノスタルジー」の違い
「ペーソス」と似た意味をもつ言葉に「ノスタルジー」があります。二つの語句の違いを説明します。
「ノスタルジー」とは、過去や故郷を想い、悲しい気持ちになることです。なつかしい過去を振り返る時に使用されます。
「ペーソス」を感じる時は、過去とは限りません。時間にとらわれうず、物悲しい感情を抱くときに使用されます。つまり、「ノスタルジー」を感じる場面は限定的と言えます。
「ペーソス」と「ユーモア」の関係
「ペーソス」とセットになって使われる言葉が「ユーモア」です。「ユーモア」とは、人を和ませるようなおかしさです。上品で知的な笑いのことです。
「ユーモア」と「ペーソス」を持ち合わせる作品は、人間味のあふれた奥深いものとなります。「ユーモア」が人を和ませ、「ペーソス」が人を惹き付けると言われています。
二つを兼ね備えた芸術作品は、時代を問わず愛される作品となります。
まとめ
以上、この記事では「ペーソス」について解説しました。
英語表記 | ペーソス(pathos) |
---|---|
意味 | 物悲しい感情 |
語源 | ギリシア語の “pathos” より |
類義語 | 哀愁、哀愁、切なさなど |
ノスタルジーとの違い | ノスタルジーは故郷を想う悲しさ |
「ペーソス」は馴染みのない言葉かもしれません。しかし、日常生活は「ペーソス」であふれています。多くの芸術作品は「ペーソス」を用いることで人を惹き付けています。ぜひ着目してみてください!