日本語は英語と比べて名詞の数がとても多いという特徴があります。
そして、名詞の中にはさまざまな似ている言葉があり、中にはとても微妙な違いがある単語もあります。
しかし、日本語の動詞も名詞ほどではありませんが、とてもたくさんあります。
そして、動詞の中にも区別が難しいものがたくさんあるのです。
今回はその例のひとつである「なでる」と「さする」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:触れる強さが違う
一方、「さする」とは指や手のひらなどを表面に当てたまま、強い刺激を与えない程度に軽く摩擦することで人間や動物などの痛みやこわばりを和らげることです。
つまり、「さする」のほうが「なでる」より強く触れているのです。
「なでる」をもっと詳しく
「なでる」とは指や手のひらなどを表面に軽くあて、対象をいとおしむようにゆっくりと動かすことです。
愛情表現をしたり触感を確かめたりする目的で行われることが多いでしょう。
そして、動作が一回きりで終わることが多いという特徴があります。
また、「なでる」は軽く触れることの比ゆ表現として使われることもあります。
例えば、「風邪がほおをなでた」と言った場合には、風がほおに軽く触れたことを表していますよね。
ちなみに、漢字では「撫でる」と書きます。
そして、「撫」にはかわいがるという意味やいとおしいものを触るという意味などがあります。
ちなみに、なでられるととても心地よいですよね。
猫や犬なども飼い主になでてもらうととても気持ちよさそうな表情をします。
そして、なでると気持ちよさが発生するのは「1/f ゆらぎ」と呼ばれる振動が発生するからだと言われています。
1/f ゆらぎは、規則性と不規則性がちょうどいいバランスで調和されたパターンの振動と言われていて、とても心地よい振動であるとされています。
なでる時にも発生しますが、自然界などでも川のせせらぎなどは 1/f ゆらぎであると言われています。
「さする」をもっと詳しく
「さする」とは指や手のひらなどを表面に当てたまま、強い刺激を与えない程度に軽く摩擦することで人間や動物などの痛みやこわばりを和らげることです。
必ず動作が繰り返されるという特徴があります。
逆に、もし繰り返されなかったら「なでる」と呼ばれることが多いでしょう。
そして、「さする」には痛みを和らげる効果があると言われています。
確かに、どこかに痛みが発生するとついその場所をさすってしまうものですが、それでちょっと痛みが改善しますよね。
また、この行為には不安感を下げる効果もあります。
そして、その効果はさすられた人だけでなくさすった人にも発生するようです。
まとめ
以上、この記事では、「なでる」と「さする」の違いについて解説しました。
- なでる:対象をいとおしむようにゆっくりと動かすこと
- さする:強い刺激を与えない程度に軽く摩擦することで痛みやこわばりを和らげること
「なでる」と「さする」には触れている強さに違いがあったんですね。
ちなみに、「さする」より 1 段階強い力で触れている場合には「こする」という表現が適切になるでしょう。