1999年に男女共同参画社会基本法が施行されてから、「参画(さんかく)」という言葉がメジャーになりましたよね。
そして、「参画」と似た言葉に「参加」があげられます。
この2つの言葉は同じような意味で、区別しないで使っている人も多いですが、実は少し意味が違います。
今回はそんな「参加」と「参画」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:ニュアンスが違う
まず、「参加」にはすでにあるものに加わるというニュアンスがあります。
一方、「参画」には事業や政策などの計画段階から関わること、というニュアンスがあります。
「参加」をもっと詳しく
参加はあるものごとの一員として加わる意味で幅広く使われますが、すでにあるものに加わるというニュアンスがあります。
ただ、参加という言葉はすでにあるものに加わる、というわけではない時でも使うことができます。
そして、一般的な言葉なので、参画との使いわけに悩んだら、参加を使ったほうが無難でしょう。
ちなみに、「参」は3つのかんざしとひさまずいている人の様子を表した漢字で、これからかんざしを集めている様子が連想され、「ある目的をもって集う」という意味になりました。
また、「加」は農民の鍬(すき)という農具と祈りの詞を入れた器を組み合わせてできた漢字なので、ここから神に農具を備え、神の力を加えることを表す漢字であるという連想が生まれました。
そして、現在では「力として加える」という意味になりました。
ここから、「参加」はある目的をもって集っている集団に力として加わるという意味になったのです。
「参画」をもっと詳しく
参画には事業や政策などの計画段階から関わること、というニュアンスがあります。
そのため、ただ加わったり、一時的に出席した時などには用いず、計画段階から主体的にかかわっていた場合にのみ使われます。
また、積極的な参加を訴えたい時に「参画」が使われることが多いでしょう。
ちなみに、参画という言葉はかつてはそれほど使われる言葉ではありませんでしたが、最近ではよく使われるようになりました。
これは、1999年に「男女共同参画社会基本法」が制定されたことが影響していると言われています。
これは男女平等を推し進めるために制定された法律ですが、これは社会科の教科書にも載るようになり、現在ではとても知名度が高い法律です。
この法律の知名度が高くなってくるにつれ、参画という言葉も広まり、積極的に使われるようになってきたのです。
ちなみに、「参」はこれまでにも述べた通り、「ある目的をもって集う」という意味ですが、「画」は「はかりごと」という意味で、これは計画のことだと言い換えることができるでしょう。
そして、「画」はもともとは筆と模様がある盾を組み合わせてできた漢字で、盾に模様を描く様子を表していました。ここから絵や模様を描くという連想が働き、区切ることや図ることを表すようになったのです。
まとめ
以上、この記事では、「参加」と「参画」の違いについて解説しました。
- 参加:すでにあるものに加わるというニュアンス
- 参画:事業や政策などの計画段階から関わること、というニュアンス
「参画」は主体的に関わっているイメージがあるので、行政などでよく用いられる言葉です。「男女平等参加社会」ではなく「男女平等参画社会」にした意味はきちんとあったんですね。