ホットケーキとパンケーキの違いは?日本独特の区別を徹底解説

違いのギモン

ホットケーキとパンケーキはどちらも円状の生地であるため、「違いは?」「なぜわざわざ呼び分けをしているの?」と気になりますよね。

実は、ホットケーキとパンケーキには厳密な違いはありません。

しかし、「生地が厚めで甘いのがホットケーキ、生地が薄めでおかずとしても食べるのがパンケーキ」など、慣習となっている区別はいくつかあります。

そこでこの記事では、ホットケーキとパンケーキの違いを解説します。

☆「パンケーキ」「ホットケーキ」の違いをざっくり言うと……

ホットケーキパンケーキ
生地の厚さ分厚め薄め
生地の甘さ甘い甘さ控えめ
用途おやつスイーツ/おかず
シチュエーション例家庭/レトロな喫茶店いまどきなカフェ

「ホットケーキ」と「パンケーキ」の違い

結論として、ホットケーキとパンケーキに厳密な違いはありません。

どちらも、下記のような手順で作る料理です。

作り方
  1. 小麦粉に卵やベーキングパウダー、砂糖、牛乳、水を混ぜる
  2. ①でできた生地をフライパンで円状に焼き、トッピングをかけて完成

ただし、日本ではホットケーキとパンケーキを、以下のように区別するのが一般的です。

ホットケーキパンケーキ
生地の厚さ分厚め薄め
生地の甘さ甘い甘さ控えめ
用途おやつスイーツ/おかず
シチュエーション例家庭/レトロな喫茶店いまどきなカフェ

「ホットケーキ」とは


ホットケーキは、日本で独自にうまれた呼び方です。

ホットケーキとパンケーキに具体的な違いはありませんが、日本でホットケーキは下記のようなものを指すことが多いです。

  • 生地が厚め
  • 生地自体が甘い
  • 甘いおやつとして食べるもの
  • 家庭や喫茶店で作られるイメージ

↑ホットケーキ
(画像出典:DELISH KITCHEN)

「生地が分厚い点」と、「生地そのものが甘い点」が大きな特徴です。

ホットケーキの由来

ホットケーキには、以下のような由来があります。

明治初期パンケーキがヨーロッパから日本に伝わる
明治17年日本で、ウィルレム・チャンブルという人物の著書が和訳され、『百科全書』というタイトルで刊行される

この『百科全書』でパンケーキは、「薄餅(はっけい)」と訳された
大正時代〜昭和初期薄餅の表記や発音が変化する

薄餅

ハッケーキ

ホットケーキ

昭和初期〜ホーム食品や森永製菓から、家庭でホットケーキを作ることができる「ホットケーキミックス」が販売される

※当時の「ホットケーキミックス」は高価なものだった

昭和40年頃ホットケーキミックスの価格が安くなり、「家庭でつくるおやつ」という位置付けになる

日本でホットケーキが「甘いもの」というイメージになっている背景には、森永製菓などのホットケーキミックスの存在があります。

市販のホットケーキミックスには砂糖が入っており、作ると必ず甘いホットケーキに仕上がるからです。

また、ホットケーキは、昭和40年代頃から、家庭のおやつとして定着したため、「昔ながらの家庭的なイメージ」になっています。

そのため、「ホットケーキ」を出しているお店も、今時のカフェというよりは、レトロな喫茶店のほうが多いです。

英語圏ではホットケーキ(hotcake)は伝わりづらい

英語圏では “hot cake(ホットケーキ)” の意味は伝わらないと考えましょう。

英語の “hot” には、「とても売れていて、人気がある」という意味があるため、「大人気のケーキ」という意味になってしまう可能性が高いです。

そのため、英語でホットケーキについて話したいときには、 “pancake(パンケーキ)” と呼ぶのが無難です。

「パンケーキ」とは

パンケーキは、英語の “pancake” から生まれたカタカナ語です。

パン(Pan)とは、食べ物のパンではなく、「底が平らな鍋」という意味です。

平らな鍋で生地を焼いたものはすべてパンケーキとなるため、クレープ生地やお好み焼きもパンケーキの一種といえます。

ホットケーキとパンケーキに具体的な違いがありませんが、日本でパンケーキは下記のようなものを指すことが多いです。

  • 生地が薄め
  • 生地の甘さは控えめ
  • おやつとしても、おかずとしても食べる
  • いまどきのカフェで作られるイメージ

↑パンケーキ

パンケーキは生地の甘さが控えめであるため、スイーツとしてだけでなく、ベーコンやスクランブルエッグ、ケチャップを添えておかずとして食べることも多いです。

すでに解説したとおり、ホットケーキは「家庭的なおやつ」というイメージが強いです。

そのため、カフェなどでは「ホットケーキ」ではなく「パンケーキ」という名前で違いを出すことが多いです。

特に近年では、予約が殺到するようなパンケーキ専門店もたくさんあります。

パンケーキの由来

パンケーキ(pancake)の語源は、フランス語のパヌケ(pannequet)です。

パンケーキのような料理は、古代ギリシャや古代エジプトですでに作られていたといわれています。

この頃のパンケーキは、健康祈願で神に捧げるものでした。

ヨーロッパの一般的な料理として定着したのは、18〜19世紀ごろです。

補足:森永製菓の見解


森永製菓でも、「ホットケーキは甘く分厚いもので、パンケーキは甘さがないもの」という見解が出されています。

  • ホットケーキ
    小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを混ぜて、フライパンなどで円形に焼いたもの。
    甘くて、厚みのあるもの。
  • パンケーキ
    森永製菓では、砂糖不使用で甘くなく、食事に合うような品質にしています。
    水だけでもおいしく作れます。

[出典:森永製菓株式会社]

「ホットケーキ」と「パンケーキ」の違いのまとめ

以上、この記事では、「ホットケーキ」「パンケーキ」の違いについて解説しました。

おさらいをすると、ホットケーキとパンケーキに厳密な違いはありません。

ただし、日本ではホットケーキとパンケーキを、以下のように区別するのが一般的となっています。

ホットケーキパンケーキ
生地の厚さ分厚め薄め
生地の甘さ甘い甘さ控えめ
用途おやつスイーツ/おかず
シチュエーション例家庭/レトロな喫茶店いまどきなカフェ

また、パンケーキの和訳としてホットケーキがうまれ、日本の家庭的なおやつとして定着した歴史があることもわかりました。

お店にいったときに、「ホットケーキ」という名前で出されているか、「パンケーキ」という名前で出されているか、着目してみると面白いですね。