今回ご紹介する言葉は、熟語の「鷹揚(おうよう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「鷹揚」をざっくり言うと……
読み方 | 鷹揚(おうよう) |
---|---|
意味 | 細かいことにこだわらないこと。ゆったりしていて上品な様子。 |
語源 | 鷹が空をゆったりと飛揚する様子から |
類義語 | 大様、寛大、悠然など |
英語訳 | generous, relaxed |
「鷹揚」の意味をスッキリ理解!
「鷹揚」の意味を詳しく
「鷹揚」とは、「細かいことにこだわらないこと」、また「ゆったりしていて上品な様子」のことを指します。人の性格や態度について用いる表現です。
たとえば、「鷹揚に構える」や「鷹揚にうなずく」といった使い方があります。前者は、心に余裕があるさまを指しています。後者は、細かいことを差し置いて納得するさまを表しています。
「鷹揚」の使い方
- 不安におびえている私とは違い、彼はいつも鷹揚な態度である。
- 彼は金遣いには鷹揚で、特に食に関する出費は惜しまない。
- 鷹揚に見過ごしたのか、彼が子供のいたずらを責めることはなかった。
- チームが失点しても、監督は鷹揚自若(おうようじじゃく)としていて、とても頼もしい。
①の「鷹揚な態度」とは、落ち着いていて、上品な態度のことです。不安におびえている私との対比が描かれていますね。②では、けちけちせず、お金を出し惜しみしない様子を「鷹揚」と言っています。
③では、彼が広い心で子供のいたずらを責めないさまを「鷹揚に見過ごす」と表現しています。④の「鷹揚自若」とは、何事にも動じず、落ち着いていることを表す四字熟語です。「自若」も、「鷹揚」と同様に、心に余裕があることを指す言葉です。
「鷹揚」の語源
「鷹揚」の語源は、中国最古の詩集『詩経(しきょう)』にあります。
『詩経』では、鷹(たか)がゆったりと空を飛ぶさまを「鷹揚」と表現し、落ち着いていることのたとえとして用いていました。「揚」は、空を飛ぶことを指す「飛揚(ひよう)」から来ています。
中世からは、読み方や意味が似ている「大様(おおよう)」と「鷹揚」が混同して用いられるようになりました。「大様」とは、小さなことにこだわらず、度量が大きいことを指す言葉です。
「大様」との混同により、「鷹揚」には「細かいことにこだわらない」というニュアンスも加わったとされています。
「鷹揚」の類義語
鷹揚には以下のような類義語があります。
- 大様:小さなことにこだわらず、落ち着きがあるさま
- 寛大(かんだい):心が大きくて、思いやりがあるさま
- 寛容(かんよう):度量が大きく、人の言動を広く受け入れるさま
- 悠然(ゆうぜん):何事にも動じず、落ち着いているさま
「心が広く、細かいことにこだわらない」という意味では「大様」「寛大」「寛容」が類義語になります。「落ち着いていて、物事に動じない」という意味では「悠然」が類義語です。
「鷹揚」の英語訳
鷹揚を英語に訳すと、次のような表現になります。
- generous
(寛大な、気前のよい) - relaxed
(落ち着いている)
度量が大きいさまを表す場合には generous を、何事にも動じないさまを表す場合には relaxed を用いましょう。
それぞれを用いた例文は以下の通りです。
- That teacher is always generous to all students.
(あの先生は、どの生徒に対しても鷹揚な態度で接する) - He looked relaxed even on the big stage.
(大舞台であっても、彼は鷹揚に構えているように見えた)
まとめ
以上、この記事では「鷹揚」について解説しました。
読み方 | 鷹揚(おうよう) |
---|---|
意味 | 細かいことにこだわらないこと。ゆったりしていて上品な様子。 |
語源 | 鷹が空をゆったりと飛揚する様子から |
類義語 | 大様、寛大、悠然など |
英語訳 | generous, relaxed |
何事にも「鷹揚」に構えることのできる人間になりたいものですね。ぜひ、意味や使い方を覚えてみてください。