みなさんは、「意外に寒い」「案外、難しい」「存外(ぞんがい)手強い」のそれぞれの意味の違いをご存知でしょうか。
「意外と」知らない人が多いのではないでしょうか。それとも、「案外」知っている人が多いかもしれませんね。
今回はそんな「意外」「案外」「存外」の違いについて詳しく解説します。
結論:明確な違いはない
しかし、そこには若干の意味の違いが存在しています。
「意外」と「案外」はほとんど同じで「予想と違うさま」という意味を持ちます。
「存外」も同様の意味を持ちますが、「程度が異なる」という意味もあります。
「意外」についてもっと詳しく
「意外」とは「考えていた状態とは異なっていること」や「思いがけないこと」を示す言葉です。
つまり、冒頭に記した「意外に寒い」という文章は、「考えていた状態とは異なり寒い」という意味になります。
この場合は、「普通」や「暖かい」と考えていたら、それとは異なり「寒かった」ということですね。
「意外」とは読んで字のごとく「意」の「外」(そと)という意味です。
では、「意」という漢字にはどんな意味があるのでしょうか。
「意」は「意識」「意志」「善意」といった熟語に用いられていることから、「心の動き」「考え」「気持ち」を表す漢字であることが分かります。
「意外」は、「意(心の動き・考え・気持ち)の外(そと)」と書くため、「考えていた状態とは異なっていること」「思いがけないこと」という意味を持ちます。
「案外」についてもっと詳しく
「案外」とは「予想していたことと違うさま」や「思いがけないこと」を示す言葉です。
つまり、冒頭に記した「案外、難しい」という文章は「予想していたことと違い、難しい」という意味になります。
「意外」とほとんど同じ意味を持っていますね。
「案外」とは読んで字のごとく、「案」の「外」(そと)という意味です。
では、「案」という漢字にはどんな意味があるのでしょうか。
「案」には「考え」「計画」「下書き」といった意味があり、英語にすると plan が一番近いです。
「案(「考え」「計画」「下書き」)の外」と書くため、「案外」は「予想していたことと違うさま」や「思いがけないこと」という意味を持ちます。
「意外」が「心の動き」「考え」「気持ち」の「外」だったのに対し、「案外」は「考え」「計画」「下書き」の「外」であるということです。
「意」と「案」で意味が多少被っているため、「意外」と「案外」はかなり近い意味を持ちます。
「存外」についてもっと詳しく
「存外」とは「物事の程度や様子が予想と異なること」や「非常識な言動をすること」を示す言葉です。
つまり、冒頭に記した「存外手強い」という文章は「予想していた程度や様子と異なり手強い」という意味になります。
「意外」「案外」とほとんど同じ意味を持ちますが、「程度が異なる」というニュアンスは「存外」だけが持っているものです。
つまり、「意外に寒い」という文章は「考えていた状態とは異なり寒い」という解釈しか存在しませんが、「存外寒い」という文章なら「考えていた程度とは異なり寒い」という解釈もできます。
「存外」は読んで字のごとく「存」の「外」という意味です。
「存」には「存じ上げる」「所存」という言葉から分かるように、「思う」「考える」「知っている」という意味があります。
「存(「思う」「考える」「知っている」)の外」と書くため、「存外」は「物事の程度や様子が予想と異なること」や「非常識な言動をすること」という意味を持つのです。
まとめ
以上、この記事では「意外」「案外」「存外」の違いについて解説しました。
- 意外:予想と違うさまを表す。
- 案外:「意外」とほぼ一緒。
- 存外:「意外」「案外」とほぼ一緒だが、「程度が異なる」というニュアンスも持つ。
かなり細かいですが、それぞれ微妙に異なったイメージを持っています。
目くじらを立てるほどではありませんが、知っておいて損はないでしょう。