今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「アウトレット」です。
「アウトレット」の意味・使い方・語源・類義語・対義語などについて分かりやすく解説します。
このページの目次
「アウトレット」とは?
「アウトレット」の意味を詳しく
「アウトレット」は「在庫処分などの理由で安く販売されている商品」が主な意味のカタカナ語です。もともとの意味は「出口」です。「業者などを通さず販売される商品のはけ口」という意味で、今のように「お値打ち品」を表すようになりました。
さらに大きく分けると2つの意味があります。
みなさんもお店で服を買った経験があると思います。しかし、この服は直接工場から送られてきたのではありません。街から街へ宅配など、さまざまな運送業者がこの商品を運びます。そのため、運送業者の人たちにもお金を払う必要がありますよね。
頭のよい方なら分かったと思いますが、この運送業者を通さないで直接工場で売ったり、自社で運んだりすればお金がかかりません。ですので、商品をその分安くすることが可能なのです。これを「工場直送品」と呼び、「ファクトリーアウトレット」とも言うことがあります。
2つ目が「余った在庫」という意味です。お店に行っても、「この服は誰が着るのだろう」と疑問に思った経験はありませんか。人それぞれに好みがありますし、店舗に商品を並べても全てが売れるわけではありませんよね。
一方でお店側が単純に多く仕入れ過ぎてしまっていたり、実は商品に傷があったりして売ることができない場合があります。そして、その売れなかった商品を20%くらい割引して販売しているものを「リテールアウトレット」と言います。こちらはお店側で発生した問題の商品なのですね。
これらの商品をまとめて「アウトレット品」「アウトレット商品」と呼びます。
「アウトレット」の使い方
- アウトレット品を買うことができたので、節約できた。
- 週末はアウトレットモールに遊びに行きたい。
- 新しいジャケットをアウトレットで手に入れることができた。
「アウトレット」を使用するのは主にショッピングに関する場面です。「アウトレット」は、「アウトレット商品」か「アウトレット商品を売るお店」について述べるときによく使用します。
たとえば、②の例文に登場する「アウトレットモール」とは、「アウトレット商品を多く扱うショッピングセンター」のことです。「アウトレットモール」「アウトレットパーク」は似たような意味です。実例で詳しく解説します。
また、「モール」まで言わずに「アウトレット」と略して使う場合もあるので、混同しないようにしましょう。
「アウトレット」の語源
「アウトレット」の語源は英語のoutletです。カタカナ語と同じように、「割引された商品」という意味です。しかしながら、本来の「出口」という意味で使用されることもあります。
その場合は特に「液体や気体などの出口」「放水口」という意味で使用します。また、驚くかもしれませんが「コンセント」という意味もあります。ちなみに、「コンセント」は英和辞書によると和製英語です。英語ではplugとも言いますね。
英語で「アウトレット」と言いたいときには、どの意味なのか注意するようにしましょう。
「アウトレット」の類義語
「アウトレット」には以下のような類義語があります。
- ディスカウント:割引すること
- セール:売り出し
「アウトレット」は主に運送費のコストカットや傷ありといった理由で値引きされますが、「ディスカウント」はそうとは限りません。
「ディスカウント」では、主に企業側の努力で経費を削減したことによって、値下げされる商品が多いです。そのため、「ディスカウント商品」というと、お店側がはじめから安く販売しようと計画して作られた商品が大部分なのです。
一方で「アウトレット」は、最初から「アウトレット商品」として売ろうとして製造されてませんよね。しかし、傷がついた商品など、「訳ありディスカウント」として売られることもあるので、一概にどちらかと言えません。
実際の文章やフレーズでは、「ディスカウントする」「ディスカウントショップ」というように使います。
「セール」は「売り出し」という意味のカタカナ語です。語源は英語のsaleです。「ディスカウント」と似ていますが、少しだけ異なっています。「セール」は「安売り販売」そのものの動作を表しています。「ディスカウント」は「定価よりも安い値段で売ること」です。
実際の文章では、「セールをする」「セールを行う」などと言います。「セール」は大規模で、ある商品を1つだけ値引きして売るのではなく、多くの商品を値引きして売ることが多いです。
よくお店に行くと店員さんが「全品20%オフセール開催中です」と声に出しているのを見たことがありませんか。たとえば、「クリスマスセール」をお店が開催すると、店内にある多くのクリスマス関連の商品が値引きされますよね。
「アウトレット」の対義語
「アウトレット」には以下のような対義語があります。
- デパート:百貨店
英語でdepartといっても「出発する」という意味になってしまいます。またなぜ、「アウトレット」の対義語になるのかというと、販売している物などの形式が異なっているからです。
「デパート」は基本的に定価の価格で一流の商品を揃えています。価格も高く、多くの商品は富裕層向けです。立地も街の中心部にあります。戦後、日本人が豊かになり、週末に多くの家族連れが買い物のために「デパート」に向かっていました。
「アウトレット」は、訳ありの一流の商品が安く買えるということが強みです。一方で「デパート」のように在庫が豊富に揃っているとは限りません。
立地に関しても「アウトレット」の場合、郊外にあることがほとんどです。「アウトレットモール」を建設するときに街の中心部に土地が余っていなかったり、土地代を安く抑えたりしたからです。
しかし、郊外にあっても安くてよい物を購入したいという人が最近増えたことによって、「アウトレット」が人気になりました。
どちらも高級ブランドの商品を売っていても、お店自体を比較してみると大きな違いがあるのです。
「アウトレット」の実例
有名なものだと、「三井アウトレットパーク」と「イオンレイクタウン」が挙げられます。こちらでは、クーリングオフの品や前シーズンのアイテムなど「アウトレット品」が売られています。
特に電化製品やアパレル商品が多いです。中には有名ブランドの商品も売られており、とても安い価格で購入することができます。もちろんきちんとした商品として売られているため、いくら訳あり品と言っても商品の品質はよいです。
また、休日や連休には「アウトレットモール」でキャラクターショーやイベントをしていることもあって、家族連れでにぎわいます。お父さんやお母さんは買い物を楽しみ、子どもはイベントに参加できるので家族連れに人気なのです。
「アウトレット」の注意点
ここまで見ると、訳あり商品でも余った在庫を売り切ることができるのと、一流商品が安く買えるというお店と購入者両方にメリットがあることが分かりましたね。
しかしながら、注意点や気をつけておくべき点もあります。たとえば、「アウトレット品」だからといって安いとは限らないということです。
お店側が「アウトレット品」としてその商品を売りたいために、少しの間だけ通常の店舗に出品し、すぐに回収して「アウトレットモール」で売ることもあります。
仮に通常のお店で売っていた時の商品と変わらなくても、「アウトレット品」として売った方が、より多くの購入者の興味を引くからです。
これに関連して、「アウトレット品」の定価を実際に調べるとよいでしょう。実際の「アウトレット品」は定価を分からないようにしている場合もあります。そのため、そこまで割引されていなくても高い割引率だと勘違いして購入してしまう可能性があります。
ぜひ、型番などを参考にして事前に定価を調べましょう。
また「アウトレット品」は実際の店舗だけで売られてはいません。最近ではインターネット上で「アウトレット品」を取り扱うようなブランドもあります。そのため、実際の店舗で在庫がなくても、インターネットの店舗では売っていることもあります。ネットの在庫の確認も大切です。
さらに安く買う方法として、「アウトレットバーゲン」があります。これは「アウトレット品」をさらに安く売るバーゲンのことです。
たとえば、有名な「アウトレットモール」に「御殿場プレミアムアウトレット」があります。年に2回ほどバーゲンセールを行っています。もしも、さらに安く買いたいと考えている場合はこうした「アウトレット」のバーゲンセールをチェックしてみるとよいですね。
まとめ
以上、この記事では「アウトレット」について解説しました。
英語表記 | アウトレット(outlet) |
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意味 | 在庫処分などの理由で安く販売されている商品 |
語源 | 英語の “outlet” |
類義語 | ディスカウント、セールなど |
対義語 | デパートなど |
実例 | 三井アウトレットパーク、イオンレイクタウンなど |
注意点 | 価格と在庫を再チェック、バーゲンセールがある |
「アウトレット」はショッピング好きにはお馴染みのカタカナ語です。欲しかったアイテムも「アウトレット」で見つけることができます。「アウトレット」という意味が分からないと、何が得なのかも分かりませんよね。
ぜひこの記事で「アウトレット」の意味や使い方を理解して、実際の生活でも役に立てるようにしましょう。