「アウティング」の意味とは？問題となった事件と違法性について解説

アウティングとは、本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向や性自認を暴露することという意味です。

最近よく耳にするようになった用語ですが、意味を知らない方も多い言葉なのではないでしょうか。

この記事では、アウティングの意味、使い方についてわかりやすく解説します。

☆「アウティング」をざっくり言うと……

「アウティング」の意味

アウティングとは、本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向や性自認を暴露することです。

つまり、セクシュアルマイノリティな人々の性的指向や性自認を、第三者が勝手に曝露することを表します。

性的指向とは、恋愛感情を抱く相手のことです。

また、性自認とは体の性別とは別に、自分が認識している自分の性のことを表します。

「セクシュアルマイノリティ」の意味

セクシュアルマイノリティとは、何らかの意味で「性」のあり方が多数派と異なる人のことを表します。

現代は、異性を好きになることや、体の性別と性自認が一致することが一般的であると考えられています。

「セクシュアルマイノリティ」は、これらに当てはまらない人のことを広く指す言葉です。

例えば、セクシュアルマイノリティの一部としてLGBTがあります。

LGBTとは、以下のセクシュアルマイノリティの頭文字を取った言葉です。

この他にもセクシュアルマイノリティの種類は多くあります。

そういった人のセクシュアリティを本人の許可なく第三者に話すことがアウティングです。

アウティングは、決して許されない行為です。

セクシュアリティ以外のことでも、自分の秘密を勝手に第三者に話されることには、いい気はしないでしょう。

それに加え、セクシュアルマイノリティに対しては、現代でも偏見や嫌悪感を持つ人がいます。

隠していたセクシュアリティが明かされることで、偏見を持たれたりいじめに発展したりする場合もあるのです。

「アウティング」の使い方

アウティングは、基本的に名詞として使われます。

ただし、「アウティングする」という形にすることで動詞として使うこともできます。

具体的な例を見ていきましょう。

「アウティング」の語源

アウティングの語源は英語の “outing” です。

英語の “outing” には、カタカナ語のアウティングと同じく「その人が性的マイノリティーであることを、本人の了解を得ずに言い広めること」という意味があります。

また、英語の “outing” は上記の意味以外にも、次のような複数の意味を持っています。

「アウティング」の対義語

アウティングには以下のような対義語があります。

アウティングの「他人によって性的指向や性自認が暴露される」という意味に対して、カミングアウトは「自らの意志で自分がセクシュアルマイノリティであることを告げる」という違いがあります。

「アウティング」に関する事件

アウティングは、LGBT当事者の心に大きな傷を与える原因になりえます。

それを表す事件として、例えば、2015年に一橋大学の学生同士で起こった事件があります。

この事件は大きな注目を浴び、東京都の国立市ではアウティングを禁止する条例「国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」が施行されました。

「アウティング」のまとめ

以上、この記事ではアウティングについて解説しました。

アウティングは近年、大きな社会問題として考えられています。

正しい意味をきちんと理解しておきましょう。