「お伺いいたします(おうかがいいたします)」の意味と使い方

言葉

今回ご紹介する言葉は、敬語の「お伺いいたします(おうかがいいたします)」です。

「お伺いいたします」の意味・使い方・誤用・言い換え表現・英語訳についてわかりやすく解説します。

「お伺いいたします」とは?

お伺いいたします(おうかがいいたします)
【謙譲語】目上の相手に「聞く」「尋ねる」「訪問する」と伝える表現

「お伺いいたします」の意味を詳しく

「お伺いいたします」とは、目上の相手に「聞く」「尋ねる」「訪問する」と伝える表現です。

「お伺いいたします」は、謙譲語「伺う」が「お伺いする」に変化し、さらに丁寧な「お伺いいたします」になった表現です。

「伺う」の意味は以下の通りです。

「伺う」の意味
  • 伺う:「聞く」「尋ねる」「訪問する」の謙譲表現
「伺う」は、「聞く」「尋ねる」「訪問する」といった動詞の謙譲語です。

「お伺いいたします」の場合、「聞く」「尋ねる」「訪問する」といった動作を目上の相手に予告する表現となります。

「お伺いいたします」の使い方

  1. ぜひ、あの方の話をお伺いいたしましょう
  2. お伺いいたしますが、行方不明のペットの消息について心当たりはありませんでしょうか。
  3. 今度は、私の方からそちらのオフィスにお伺いいたします

上記の例文のように、「お伺いいたします」は、「聞く」「尋ねる」「訪問する」を謙譲語として言いたい場合に使われます。

①の例文では、「聞きましょう」という意味で「お伺いいたしましょう」が使われています。

②の例文では、「質問をしたい」という前置きとして「お伺いいたしますが」と表現されています。

③の例文では、「訪ねます」と予告するために、「お伺いいたします」としています。

「お伺いいたします」の間違った使い方

「お伺いいたします」には以下のような間違った使い方もあります。

  1. お伺いいたします
  2. お伺いします

それぞれの誤用について詳しく見ていきましょう。

誤用①:お伺いいたします

そもそも「お伺いいたします」は、二重敬語にあたります。

二重敬語とは
尊敬語と尊敬語、謙譲語と謙譲語というように、同じ種類の敬語表現を重ねるのは二重敬語になり、敬語として過剰とみなされ、かえって失礼にあたる誤った表現になります。

「伺う」は謙譲語です。また、「お〜する」には、もともと敬意の含まれていない普通の動詞を謙譲語に変化させる効果があります。

「伺う」と「お〜する」に、さらに「いたす」という謙譲語が加わっている「お伺いいたします」は、敬語として誤りになります。

 

ただし、「お伺いいたします」は文法的には誤りであっても、広く浸透し社会的に認められている傾向があると言えます。

二重敬語であってもよく使われる表現の一つであり、神経質な人でなければ、たいていの場合は敬語として許容されています。「お伺いいたします」を失礼と感じるかは人それぞれであり、必ずしも避けるべき表現であるとは限りません。

文法的に正しく表現したい場合には、「伺います」や「伺いたく存じます」といった表現にしましょう。

誤用②:お伺いします

「お伺いいたします」と同様の理由で、「お伺いします」も二重敬語にあたります。

「ます」は丁寧語であるため、二重敬語の判定には含まれません。

しかし、「お〜します」と「伺う」はどちらも謙譲語となるため、「お伺いします」は二重敬語となり、誤りになります。

「お伺いいたします」の敬語の言い換え表現

「お伺いいたします」を敬語で言い換えたい時には、以下のような言葉を使うことができます。

  • 伺います
  • 伺いたく存じます
  • お尋ねします

それぞれの敬語の意味について詳しく見ていきましょう。

「伺います」

「伺う」はそれ自体が謙譲語であるため、「伺います」という形で、「お伺いします」の内容を言い表すことができます。

例文
  1. それでは、明日の午後2時に伺います

「伺いたく存じます」

「伺いたく存じます」は、「伺います」を話し手の希望の形に変化させたものになります。

断定ではなく希望の表現になるため、「伺います」よりも丁寧な印象を与えます。

例文
  1. あなたの活躍の秘訣について、お話を伺いたく存じます

「お尋ねします」

「伺う」は謙譲語であるため、「お〜します」と組み合わせることが文法上はできません。

しかし、「伺う」から敬意を取り払った「聞く」「尋ねる」「訪ねる」であれば、「お〜する」の形に変化させ、謙譲語として扱うことが可能です。

例文
  1. お尋ねしますが、〇〇駅があるのはこの方向で合っていますか?

「お尋ねします」と同様、「お聞きします」「お訪ねします」という表現も文法上は可能です。

「お伺いいたします」の英語訳

お伺いいたしますを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • hear
    (聞く)
  • ask
    (尋ねる)
  • call on
    (訪問する)

「お伺いいたします」のまとめ

以上、この記事では「お伺いいたします」について解説しました。

読み方お伺いいたします(おうかがいいたします)
意味目上の相手に「聞く」「尋ねる」「訪問する」と伝える表現
誤用お伺いいたします、お伺いします
言い換え表現伺います
伺いたく存じます
お尋ねしますなど
英語訳hear(聞く)

「お伺いいたします」は、普段何気なく使われている言葉ですが、実は二重敬語です。

相手が必ずしも二重敬語を気にするとは限りませんが、なるべく正しい「伺います」「お聞きします」といった表現を使いましょう。

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ひな
ひな
国文学専攻の現役東大生ライター。 言葉には人と人をつなぐ力があると信じています。 間違えやすい言葉・新しい言葉の執筆が得意です。