オリエンテーションの意味は何?語源となった英語まで解説

言葉

オリエンテーションとは「(組織に新しく入る人などに対して)説明や講習を行う場」という意味です。

学校に入学したタイミングや就活の際、オリエンテーションのお知らせがよく届きますよね。

意味がよくわかっていなければ、「参加すべきなのかどうか」もわからないものです。

そこで、この記事では、オリエンテーションの意味や具体例、使い方、語源について詳しく解説します。

☆「オリエンテーション」をざっくり言うと……

読み方オリエンテーション
意味説明や講習を行う場
語源英語の “orientation”
類義語ガイダンス
説明会
講習会 など

「オリエンテーション」の意味

オリエンテーション

(組織に新しく入る人などに対して)説明や講習を行う場

例:私たちは入社してすぐに、会社のオリエンテーションに参加した。

オリエンテーションとは、組織に新しく入る人などに対して実施される説明会のことです。

オリエンテーションには以下のような目的があります。

目的
  • 組織の概要について理解を深めてもらう
  • 組織に順応してもらう

オリエンテーションでは、ただ説明を聞くだけでなく、参加者が質問をする機会もあります。

親睦を深めるために行われるような場合は、参加者どうしの自己紹介の時間が設けられていたり、ゲーム形式で行われたりすることもあります。

なお、オリエンテーションは「進路、方針を決定すること」という意味もありますが、この意味で使うことはほとんどありません。

建築用語や医療用語では違う意味も

建築や医療の世界では、「オリエンテーション」は「説明する」とは異なる意味で使われています。

  • 建築用語のオリエンテーション
    敷地のなかでの建物の配置方法
  • 医療用語のオリエンテーション
    意識障害の指標となるもの

「オリエンテーション」の具体例


オリエンテーションは、企業や学校でよく行われます。

ここからは、企業と学校でのオリエンテーションの内容について、それぞれ解説します。

①企業でのオリエンテーション

企業でのオリエンテーションは、就活生や取引先社員などを対象に行われます。

説明内容と一緒に見てみましょう。

対象となる人オリエンテーションの内容
就活生
  • 会社概要
  • 採用の流れ など

※この場合のオリエンテーションは「会社説明会」とも言う

入社が内定している人々
  • 会社概要の詳細
  • 入社後の業務内容
  • 参加者どうしの自己紹介 など

※この場合のオリエンテーションは「入社前説明会」とも言う

インターン生
  • 業務内容
  • 気をつけてほしい心構え など
業務を委託する会社の担当者
  • 依頼したい業務内容
  • コンペ(※)の概要 など

このように、企業におけるオリエンテーションは、「企業に対して理解を深めてほしい」「企業に順応してほしい」と思われる人々に向けて実施されるのです。

(※)コンペとは

コンペとは、複数の会社の案を競わせ、そのなかからもっとも優れている案を選ぶことです。

業務を委託する会社の担当者に対してオリエンテーションを行う際には、複数の会社の担当者を同時に招き、コンペの説明まで行うことが多いです。

就活の「オリエンテーション」の注意点

就活生が「オリエンテーション」に参加するときは、服装に気をつけましょう。

面接の時と同じように、スーツで参加するのが無難です。

「私服でお越しください」という指示があった場合も、派手すぎる服やカジュアルすぎる服は避け、「オフィスカジュアル」の服装にしましょう。

②学校でのオリエンテーション

学校で行われるオリエンテーションとは、「新入生向けの説明会」のことです。

具体的には、おもに下記のようなことが説明されます。

  • 学校生活を送るために必要な心構え
  • 学校の教育方針
  • 進級に必要な条件
  • 授業に必要なもの
  • (大学の場合)単位の取得方法
  • 部活やサークルの紹介

特に大学では、担任の先生もおらず指導してくれる存在がいません。

そのため、入学したらオリエンテーションに忘れずに参加し、話をよく聞くことが大切です。

オリエンテーションを欠席すると、単位の取得方法必須単位の取り方がわからないまま授業が開始してしまい、留年などのトラブルにつながることがあります。

「オリエンテーション」の使い方

オリエンテーションは、文のなかで以下のように使うことができます。

  1. 私たちは入社してすぐに、会社のオリエンテーションに参加した。
  2. 新入生向けのオリエンテーションで、サークルに関する説明を受けた。
  3. それでは、ただいまよりオリエンテーションを始めます。
  4. オリエンの担当者になったので、資料作りを急がなければならない。
  5. 就活中は色々な企業のオリテに参加しなければならないので、少し疲れる。
  6. 先日、コンペに参加する企業を対象にしたオリエンテーションが行われた。

例文③④のように、オリエンテーションは、「オリエン」「オリテ」などと略して呼ぶこともあります。

しかし、これらの省略形はかなりカジュアルな言い回しであるため、目上の方とのやりとりでは使わないようにしましょう。

「オリエンテーション」の語源

オリエンテーションの語源は、英語の “orientation” です。

orientation

  1. 位置や方向を定めること
  2. 新入生や新入社員などを対象とした説明会
  3. 方位、方位測定
  4. 方向性
  5. 環境への適応指導

英語の “orientation” には、「説明会」という意味だけでなく、「方向(または物事の方向性)を決める」というような意味も含まれています。

“orientation” はもともと、「教会の祭壇を東向きに位置するように設計すること」を指す言葉だったからです。

この「方向を正しく設定する」という意味から派生して、「物事の方向性を決める」「新入生などが正しい方向性で活動できるよう、指導する」という意味も生まれていったのです。

「オリエンテーション」の類義語

オリエンテーションには以下のような類義語があります。

  • ガイダンス
    初心者に物事の概要を説明すること
  • 説明会
    物事を説明するための集まり
  • 講習会
    物事を指導するための集まり
  • イントロダクション
    紹介すること
  • 趣旨説明
    物事の主なポイントを説明すること

「オリエンテーション」と「ガイダンス」の違い

オリエンテーションとガイダンスは、「説明する」という点は意味が共通していますが、厳密には下記の点が異なります。

  • オリエンテーション
    テーマ内容について、ある程度の知識がある人に対して説明する
  • ガイダンス
    テーマ内容について、予備知識が全くない人に対して説明する

オリエンテーションは、初歩的な理解が進んでいる人を対象にしています。

一方でガイダンスは、テーマ内容について何も理解していない人に対して、ゼロから丁寧に説明するものなのです。

そのため、ガイダンスのほうがより詳細な内容になっています。

「オリエンテーリング」は類義語ではない

オリエンテーションと響きが似ている言葉に「オリエンテーリング」がありますが、両者は意味が全く異なるため注意しましょう。

オリエンテーリングとは、競技の一種です。

地図とコンパスを用いて、山野を指定コースに沿って進んでいき、ゴールまでの時間を競うスポーツです。

「オリエンテーション」のまとめ

以上、この記事ではオリエンテーションについて解説しました。

読み方オリエンテーション
意味説明や講習を行う場
語源英語の “orientation”
類義語ガイダンス
説明会
講習会 など

かつては学校や企業のオリエンテーションに参加していた人も、社会人経験を積むと、じきにオリエンテーションを実施する立場になります。

つまり、オリエンテーションは社会人にとって身近な存在ですから、オリエンテーションの意味をしっかりと理解しておきましょう。