「音読み」と「訓読み」の違いとは?見分け方や覚え方を実例で解説

違いのギモン

漢字の読み方には、「音読み」と「訓読み」があります。

私たちは、無意識のうちに両者を使い分けていますが、その違いを正確に説明するのは意外にも難しいものです。そこで、この記事では、「音読み」と「訓読み」の相違点について解説します。

結論:読み方の基本となる言語が異なる

「音読み」は、中国の発音をもとに読む方法のことです。「訓読み」は、漢字に日本語の意味を当てはめて読む方法のことです

「音読み」についてもっと詳しく

「音読み」とは、漢字を中国での発音と同じように読む方法のことです。

漢字が中国から日本に伝わった際、ひとつひとつの文字の読み方も伝来しました。この読み方が「音読み」なのです。中国語の発音に基づいているため、音を聞いただけでは意味が基本的に通じないという特徴があります。

また、辞書では「音読み」はカタカナで表記されています。

「音読み」の例

“山” という漢字は、中国で “サン” と発音されました。よって、日本に伝来した際、 “山” の「音読み」は “サン” となりました。

また、 “サン” という音だけでは、 “山” という字そのものや “周りの土地よりも高く盛り上がった場所” という意味が特定されません。

ですから、 “サン” は “山” という漢字の「音読み」といえます。

音読みの特徴と見分け方

音読みには、以下の特徴があります。

音読みの特徴
  1. 音読みは、かな文字で書くと3文字以内
  2. かな3文字の音読みの場合、2文字目は「ゃ」「ゅ」「ょ」
  3. かな2文字の音読みの場合、2文字目は「い」「う」「つ」「く」「ち」「き」「ん」

①の特徴については、中国語の漢字は1文字で1音節を指すためです。音節とは、簡単に言うと、発音された音を区切った時のひとまとまりのことです。

人の発音を最小単位まで区切ると、かな3文字以内となります。そのことから、②が導かれます。人が3文字のかなを一度に発音できるケースは、「ショウ」などのように「ゃ」「ゅ」「ょ」を挟むときのみです。

③については、この条件を満たすものの中にも訓読みがあるため、絶対の条件ではありません。たとえば、「靴(くつ)」の2文字目は「つ」ですが、「くつ」は訓読みに分類されます。

このように、すべてが絶対的な特徴ではありませんが、音読みかどうかを見分けるのには大変有効な条件であることは間違いないです。

「訓読み」をさらに詳しく

「訓読み」とは、漢字の意味を日本語の発音で読む方法のことです。すでに述べたように、漢字は文字だけでなく、中国での発音も一緒に日本に伝わりました。この読み方が「音読み」でしたね。

のちに日本では、「音読み」とは別に、日本語の読み方も加えられました。この読み方が「訓読み」です。「訓」には、「意味をわかるようにする」という意味があるため、中国語としての漢字に、日本語の意味を当てはめたのが「訓読み」と言えます。

日本語の意味がそのまま読み方になっているため、音を聞いただけで意味が通じます

また、「訓読み」は辞書ではひらがなで表記されています。さらに、漢字そのものだけでなく、送り仮名と合わせて使われる場合があることも特徴です。

「訓読み」の例

“山” と “書” の2つの漢字を挙げて、「訓読み」の例を解説します。

“山” という漢字が伝来したとき、中国での発音に基づいて “サン” という「音読み」がつきました。

しかし、日本語ではもともと、平地よりも高く盛り上がった場所を “やま” と呼んでいました。そこで、同じ意味を示す “山” という漢字が伝来したとき、 「音読み」とは別に、“やま” という読み方も加えられたのです。

ですから、 “山” の「訓読み」は “やま” となります。日本語の意味がそのまま読み方になっているため、 “やま” という音を聞いただけで意味が伝わりますね。

 

また、 “書” という漢字の「音読み」は “ショ” ですが、 “ショ” という音だけでは文字や意味が特定できません。そこで、 “く” という送り仮名を加えて “書く” と「訓読み」にすることで、 “書” という漢字の意味が明快になるのです。

「音読み」と「訓読み」を組み合わせて使う例


ここまで、「音読み」と「訓読み」の使い分けについて解説しました。しかし、両者を組み合わせて使う場合もあるのです

まず、「音読み」・「訓読み」の順に組み合わされる例を以下にご紹介します。

「音読み」・「訓読み」の順
  • 重箱(ジュウばこ)
  • 残高(ザンだか)

ちなみに、「音読み」・「訓読み」の順で熟語を読むことを「重箱読み」と言います。「重箱」は、まさに「音読み」・「訓読み」の順で読む熟語ですよね。

 

次に、「訓読み」・「音読み」の順に組み合わされる例を紹介します。

「訓読み」・「音読み」の順
  • 粗熱(あらネツ)
  • 朝晩(あさバン)

ちなみに、「訓読み」・「音読み」の順で熟語を読むことを「湯桶(ゆとう)読み」と言います。「湯桶」は、食後に飲むお湯を入れる木製容器のことですが、その読み方は “ゆトウ” となっており、「訓読み」・「音読み」の順です。

「音読み」と「訓読み」の英語訳

「音読み」と「訓読み」は、それぞれ以下の英語訳で表現されます。

英語訳
  • 音読み:Chinese reading
  • 訓読み:Japanese reading

単純に、onyomi・kunyomi と表記することもあります。

まとめ

以上、この記事では、「音読み」と「訓読み」の違いについて解説しました。最後に、両者の相違点をおさらいしましょう。

  • 音読み:中国での発音に基づいた読み方で、そのままの音では意味が通じない
  • 訓読み:日本語の意味に基づいた読み方で、そのままの音でも意味が通じる

両者の相違点は、漢字が中国から日本に伝わった経緯と関係しているのです。漢字を読む際には、その字の「音読み」と「訓読み」の両方を考えて、漢字の歴史に思いをはせてみるのも良いですね。