皆さんは「鬼」と聞いて何色を想像しますか。多くの人が「赤」と「青」を思い浮かべると思います。しかし、実は「黄鬼」「緑鬼」「黒鬼」も存在します。これらの違いは何なのでしょうか。
この記事では「鬼」の由来や色の違いまで、詳しく解説します。
☆「赤鬼」「青鬼」の違いをざっくり言うと……
煩悩 | 意味 | |
---|---|---|
赤鬼 | 貪欲 | 欲望や渇望など強い欲望 |
青鬼 | 瞋恚 | 悪意や憎しみ、怒り |
黄鬼 | 悪作・掉挙 | 心の動揺や後悔 |
緑鬼 | 惛沈・睡眠 | 倦怠、眠気、不健康 |
黒鬼 | 疑 | 卑しい気持ち |
結論:持ってる「悪」が異なる
結論から言うと、鬼の色はその鬼が持つ悪(煩悩)によって分けられています。
鬼の色 | 煩悩(ぼんのう) |
---|---|
赤 | 貪欲 |
青 | 瞋恚(しんに) |
黄 | 悪作(おさ)・掉挙(じょうこ) |
緑 | 惛沈(こんちん)・睡眠 |
黒 | 疑 |
「鬼」の基礎知識
「鬼」の語源は「隠(おん・おぬ)」です。隠には以下の意味があります。
- この世のものではない、目に見えない存在
- 人の力を超えるもの
- 人に災いをもたらすもの
そして鬼の色の由来は、「五蓋(ごがい)」です。
五蓋とは、仏教の瞑想修行の邪魔をする、5つの「煩悩(ぼんのう)」を指します。
- 貪欲
- 瞋恚(しんに)
- 掉挙(じょうこ)・悪作(おさ)
- 惛沈(こんちん)
- 疑
「赤」「青」「黄」「緑」「黒」の5色の鬼はそれぞれ、5つの煩悩を当てはめたと言う事です。また節分では自分が対峙したい煩悩の鬼に豆を当てると、その煩悩を取り除くことができると言われています。
次に、色別の鬼の特徴を説明します。
「赤鬼」をもっと詳しく
「赤鬼」は貪欲の象徴で、欲望や渇望など強い欲望を表しています。
赤鬼に豆をぶつけると、自分の中の悪い心が取り除かれると言われています。
「青鬼」をもっと詳しく
「青鬼」は瞋恚の象徴で、悪意や憎しみ・怒りの感情を表しています。
青鬼に豆をぶつける事でそれらが取り除かれ、幸福を手に入れることができると言われています。
「黄鬼」をもっと詳しく
「黄鬼」は掉挙(じょうこ)・悪作(おさ)の象徴で、心の動揺や後悔を表しています。
黄鬼に豆をぶつけることで、過去の後悔や自己中心的な考えが取り除かれます。そして、公平な判断が出来るようになると言われています。
「緑鬼」をもっと詳しく
「緑鬼」は惛沈(こんちん)・睡眠の象徴で、倦怠(けんたい)や眠気・不健康を表しています。
緑鬼に豆をぶつけることで、健康的で規則正しい生活を心がけるようになると言われています。
「黒鬼」をもっと詳しく
「黒鬼」は疑の象徴で、疑心暗鬼を表しています。
黒鬼に豆をぶつけることで、卑しい気持ちが取り除かれ、心に平穏が訪れると言われています。
まとめ
以上、この記事では、「赤鬼」「青鬼」「黄鬼」「緑鬼」「黒鬼」の違いについて解説しました。
もう一度以下の表で確認してみましょう。
煩悩 | 意味 | |
---|---|---|
赤鬼 | 貪欲 | 欲望や渇望など強い欲望 |
青鬼 | 瞋恚 | 悪意や憎しみ、怒り |
黄鬼 | 悪作・掉挙 | 心の動揺や後悔 |
緑鬼 | 惛沈・睡眠 | 倦怠、眠気、不健康 |
黒鬼 | 疑 | 卑しい気持ち |
鬼の色には、このような違いが隠されていました。節分で豆まきを行う際は、自分が取り除きたい煩悩の鬼に豆をぶつけるようにしましょう。