今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ワンマン」です。
「ワンマン」の意味・使い方・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「ワンマン」をざっくり言うと……
英語表記 | ワンマン(one-man) |
---|---|
意味 | 一人であること。「独裁的な」などの意味も |
英語訳 | solo, autocrat, conductorlessなど場面によって使い分け |
「ワンマン」とは?
「ワンマン」の意味を詳しく
「ワンマン」の元々の意味は、「一人だけ」ということです。
たとえば、「ワンマンショー」や「ワンマンライブ」は、一人のパフォーマーがショーやライブを行うことをさします。
元々「ワンマン」は、良い意味も悪い意味もない中立的な言葉でした。
しかし、日本語で使われ始めて、様々な意味が与えられます。順番に見ていきましょう。
和製英語の「ワンマン社長」
「あの社長はワンマンだよ」と言うときは、「社長は一人だ」という意味ではありません。「社長は独裁的で、一人で何でも決めてしまう人だ」という意味で使われます。
ここでのワンマンは、「一人だ」という意味が転じて、「一人が支配する」という意味になっています。
このような独裁的なリーダーを表す「ワンマン」は、日本語特有の意味です。英語だとワンマンでは通じないので注意しましょう。
電車やバスの「ワンマン運転」
列車やバスで「ワンマン」と書かれているのを目にしたことがある人は多いでしょう。「ワンマン運転」の意味で、ワンマンと書かれていれば運転手の一人だけが乗務しています。
本来の列車やバスは、運転手と車掌の2名が乗務して運転されます。現在の日本ではバスの車掌はほとんど見なくなりましたが、外国では今でもバスに車掌が乗務している国もあります。
ワンマン運転をしているときは、運転手がドアの開け閉めをします。また、地下鉄などを除けば、運転手が運賃や切符の受け渡しまで行います。
「ワンマン」の使い方
- 次に来る列車はワンマンだから、1両目の後ろのドアからしか乗れない。
- 社長のワンマンぶりは多くの対立を生んだが、業績は大きく伸びた。
- 大好きな歌手のワンマンライブに行く。
上の例文のように、「ワンマン○○」という言葉を省略して「ワンマン」としてしまう場合も多いです。一人で何をするのか、考えないと意味が理解できません。
「ワンマン」の英語訳
英語でも “one-man” という言葉はありますが、日本での使われ方とは少し違います。
英語の “one-man” は、一人で何でもする多彩な人というニュアンスがあります。
日本で使われる「ワンマン○○」を “one-man ○○” と訳しても、伝わりません。
日本語 | 英語 |
---|---|
ワンマンライブ | solo concert |
ワンマン(独裁的な) | autocrat, dictatorial |
ワンマン運転 | conductorless, one-man operation |
ワンマン運転をアメリカでは “one-man operation” ということもあります。しかし、日本語のように「ワンマン」だけで「ワンマン運転」を意味することはありません。
他の語であれば、“one-man” という単語すら使いません。直訳するのではなく、それぞれの場面に応じて必要な言葉を選ぶ必要があります。
まとめ
以上、この記事では「ワンマン」について解説しました。
英語表記 | ワンマン(one-man) |
---|---|
意味 | 一人であること。「独裁的な」などの意味も |
英語訳 | solo, autocrat, conductorlessなど場面によって使い分け |
ワンマンは英語にないわけではありませんが、もはや和製英語と言ってよいほど日本語特有の意味が多い言葉です。英語でワンマンを説明するときは、場面に応じて英語で何というか考えた方が良いでしょう。