ことわざ「屋上屋を架す」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「屋上屋を架す(おくじょうおくをかす)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。

スポンサードリンク

「屋上屋を架す」の意味をスッキリ理解!

屋上屋を架す(おくじょうおくをかす):屋根の上に屋根を重ねるような、無意味で無駄なこと

「屋上屋を架す」の意味を詳しく

「屋上屋を架す」とは、無駄なことのたとえです。「屋上屋を重ねる」とも言います。「屋上屋」とは、「屋根の上の屋根」という意味です。

屋根が一つあれば十分雨風をしのげます。屋根が一つでも二つでも「雨風をしのぐ」という効果にはかわりがなく、2つめ、3つめの屋根はあっても意味がありません。

 

このように、重ねても意味がないのに重ねてしまうものは、日常生活で多く見受けられます。

たとえば、イベント会場でのビラ配りを考えてみましょう。最寄駅から会場までの間に、2人のスタッフを配置してビラを配るとします。駅に近い方のスタッフだけで十分にビラを配れるならば、2人目のスタッフがいる意味はあまりありません。

2人目のスタッフの前を通る人は、既にビラをもらっているか、ビラをもらううもりがないかのどちらかだからです。

このような無駄な行為を「屋上屋を架すような行為」と形容できます。

 

「屋上屋を架す」という言葉は、あくまでも「無駄なもののたとえ」です。実際に屋上に増築された建物を指す言葉ではありません。また、「念には念を入れる」といった良い意味で使われることもありません

スポンサードリンク

「屋上屋を架す」の使い方

  1. 表計算ソフトの計算結果を電卓で検算するのは、屋上屋を架す行為にすぎない。
  2. 菌やウイルスの侵入は防ぎきれないので、マスクの2枚重ねは、屋上屋を架すことだ。
  3. 郵便番号を書けば市町村名まで省略できるが、屋上屋を架すと言わずに書いた方が丁寧だろう。

「屋上屋を架す」の由来

「屋上屋を架す」は、古代中国の文章に出てくる言葉が由来です。漢が滅びた後の南北朝時代に書かれた二冊の本に出てきます。5世紀前半に劉義慶(りゅうぎけい)が編集した『世説新語(せせつしんご)』と、6世紀後半に顔之推(がん しすい)が書いた『顔氏家訓(がんしかくん)』です。

これらの本では、「屋下に屋を架す」という言い回しが使われています。どちらも、似たり寄ったりの思想書や作品を批判する意味で使われています。

「屋上」ではなく「屋下(おくか)」が、本来の言葉です。

しかし、これらの書物が日本で読まれるようになって、「屋下」が「屋上」に変わってことわざとして定着しました。

スポンサードリンク

「屋上屋を架す」の類義語

「屋上屋を架す」には、以下のような類義語があります。

  • 川に水を運ぶ
  • 泥裏(でいり)に土塊(どかい)を洗う:泥水で土の塊を洗うことのたとえ
  • 雪上霜(せつじょうしも)を加える:雪の上に霜がおりることのたとえ

無駄なもののたとえは色々とありますね。

「屋上屋を架す」の英語訳

「屋上屋を架す」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • gild the lily
    (完成しているものに余計に手を加える:シェイクスピアの一節から)
  • a fifth wheel
    (馬車の5つ目の車輪のように、無駄なものや居場所がないもののたとえ)

a fifth wheel は “a third wheel” とも言います。デートについてくる3人目の人のような「邪魔者」を表す意味もあるそうです。

スポンサードリンク

まとめ

以上、この記事では「屋上屋を架す」について解説しました。

読み方 屋上屋を架す(おくじょうおくをかす)
意味 屋根の上に屋根を重ねるような、無意味なことのたとえ
由来 古代中国の『世説新語』と『顔氏家訓』
類義語 川に水を運ぶ、雪上霜を加えるなど
英語訳 gild the lily(完成しているものに余計に手を加えること)など

念のためにあえて重複させておくことに意味があるものもあれば、まったくもって無駄なものもあります。「屋上屋を架す」ことのないよう、物事が本当に必要か見分けるのが大事でしょう。

スポンサードリンク