「お大事に」とは「相手の体をいたわる気持ち」を表す言葉です。
周囲の人の具合が悪いときに使います。
そうは言っても、上司が相手のときや、かなり相手の体調が悪いときなど、使って良いか悩むときもたくさんありますよね。
この記事では、「お大事に」の意味や使い方、どんな状況で使えるのかなどをわかりやすく解説していきます。
☆「お大事に」をざっくり言うと……
読み方 | お大事に(おだいじに) |
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意味 | 相手の体をいたわる気持ちを表す言葉 |
使い方 | お大事になさってください など |
言い換え表現 | ご自愛ください お体にお気をつけてください 一日も早い回復をお祈りしています など |
英語訳 | Take care.など |
このページの目次
「お大事に」の意味
相手の体をいたわる気持ちを表す言葉
「お大事に」とは、相手の体や具合を労る気持ちを表すあいさつの言葉です。
また、早く治るように祈る意味合いも込められています。
「お大事に」は「お大事になさってください」の省略形にあたります。
「お大事になさってください」の意味
「お大事になさってください」も相手の体をいたわる気持ちを表す言葉です。
こちらは複数の種類の敬語で構成された、非常に丁寧な言葉です。
- お〜なさる
尊敬語 - ください
丁寧語
一方、「お大事に」は「お大事になさってください」を省略しているため、ややカジュアルな言い回しになります。
もともと敬語を省略しているものであるため、目上の人にも使えないことはありませんが、フランクな言い回しであることは理解した上で使用しましょう。
親しい相手でない限りは、省略せず「お大事になさってください」と伝えた方が無難です。
重い病気を患っている方には、「お大事に」はあまり望ましい言葉かけではありません。
「養生なさってください」や「静養なさってください」など、「休んでください」というニュアンスの強い言葉を選ぶ方が好ましいです。
逆に、風邪などの軽い病気や怪我などであれば、「お大事に」くらい軽い言葉の方が自然です。
「お大事に」の使い方
「お大事に」には、以下のような言い回しがあります。
- お大事になさってください
- お大事になさいませ
- お大事にされてください
- お大事にどうぞ
- お大事に至りませんようにお祈り申し上げます
「お大事になさってください」の使い方
「お大事になさってください」は、目上の人やお客様などの体調や具合を労る際に使います。
目の前にいる人に対してだけでなく、相手の家族や友人などに対しても使えます。
この場合、「お大事になさるようお伝えください」と言うこともできます。
「お大事になさってください」の前に添えられるフレーズ
以下のフレーズは、よく「お大事になさってください」の前にくっつける形で使われます。
- ご無理をなさらずに〜
- くれぐれも〜
- 何卒〜
- どうぞ〜
- どうか〜
- お体を〜
一手間加えた丁寧な文章にしたい際に、ぜひ参考にしてみてください。
「お大事になさいませ」の使い方
「お大事になさいませ」も、目上の人やお客様などの体調や具合を労る際に使えます。
ただ、どちらかというと、病院や薬局などで患者さんに対して使うことが多いフレーズです。
「お大事にされてください」の使い方
「お大事にされてください」も時折聞かれます。
文面にするとやや違和感を覚える表現ですが、口頭で使うと自然に聞こえます。
少し親しい関係で、「お大事になさってください」を使うほどかしこまる必要はない相手に対して使います。
「お大事にどうぞ」の使い方
「お大事にどうぞ」は、病院などでよく使われます。
日常会話で使えないというわけではありませんが、あまり病院以外では聞かれません。
「お大事に至りませんようにお祈り申し上げます」の使い方
「お大事に至りませんようにお祈り申し上げます」は、これまで紹介したフレーズと少し意味合いが異なります。
ここでは「大事」という言葉を「大きな出来事」という意味で捉え、「よくないことが大事(おおごと)になる前に解決するように祈っているね」という励ましの言葉をかけています。
あまり見かけない使い方です。
お見舞いメールを書くときのポイント
お見舞いメールを書く場合、以下の点に気をつけると良いです。
- プラスアルファの一言を添える
- お見舞い以外のことはあまり書かない
- 励ましの言葉は慎重に選ぶ
ポイント①:プラスアルファの一言を添える
「お大事に」はお見舞いのときに使える表現ですが、使うときにプラスアルファの一言を添えると、相手により思いが伝わります。
そのときは、「あなただからこそ、体調を大切にしてほしい」または「いまだからこそ、体調を大切にしてほしい」というメッセージを盛り込むのがおすすめです。
相手との関係性にもよりますが、多少親しい相手であれば、例えば「〇〇さんがいらっしゃらないと、職場が随分と静かです」など、一言付け加えるようにすると良いでしょう。
ポイント②:お見舞い以外のことはあまり書かない
①と矛盾するようですが、お見舞い以外のことをたくさん書きすぎてもそれはそれで相手の負担になる可能性があります。
相手が読んで疲れるような内容は避けましょう。
もし相手が仕事のことを気にしているようであれば、「〇〇に関しては順調に進んでおります」など、プラスの報告を添えてあげると良いです。
ポイント③:励ましの言葉は慎重に選ぶ
良かれと思って励ましの言葉をかけても、相手にとって負担になってしまう可能性があります。
例えば「頑張って」という言葉は、病状があまりよくない人にとっては大きな負担になります。
相手の病状がわかっているとき以外は、励ましの言葉は控え、代わりに相手のための申し出をする方が無難です。
例えば「何か私にできることがあれば、遠慮なくお申し付けくださいね」などという言葉かけが良いでしょう。
お見舞いメールへの返答の仕方
返事をするときは、以下の3つのフレーズがよく使われます。
- お心遣い感謝いたします
- お気遣いをいただき、ありがとうございます
- ありがとうございます。ご迷惑をおかけします
「お大事に」の敬語の言い換え表現
「お大事に」を敬語で言い換えたい時には、以下のような言葉を使うことができます。
- ご自愛ください
- お体に気をつけてください
- お体を大事になさってください
- 一日も早い回復をお祈りしております
- お労りください
- お体おいといください
- 養生してください
- 静養なさってください
- ゆっくり休んでください
- お元気で
それぞれの敬語の意味について詳しく見ていきましょう。
「ご自愛ください」
「ご自愛ください」とは、自分の体を大事になさってくださいね、という意味合いの言葉です。
構成する単語に分解すると、意味がわかりやすいです。
- ご
丁寧語 - 自愛
自分を大切にすること - ください
尊敬語「くださる」の命令形
このとき、「くれぐれも」をつけるともっと丁寧になります。
- まだまだ寒い日が続きますから、くれぐれもご自愛くださいね。
「ご自愛ください」には「健康を保ってください」というニュアンスがあるため、すでに体調を崩している人には使えません。
「ご自愛ください」にはすでに「自分の体を」という意味合いが含まれているため、「お体をご自愛ください」は意味の重複になってしまいます。
そのため、避けた方が良いです。
「お体にお気をつけてください」
「お体にお気をつけてください」は、文字通り、「体に気をつけてね」を敬語にしたものになります。
あまりかしこまりすぎずに、きちんと敬意を表すことのできる言葉です。
「お体を大事になさってください」
「お体を大事になさってください」は「お大事になさってください」とほぼ同じ意味です。
目的語である「お体を」が入っているため、いっそう丁寧なニュアンスになります。
「一日も早い回復をお祈りしております」
「一日も早い回復をお祈りしております」は、実際に体調が悪い相手に対して、早く回復するように祈る言葉です。
体調が良い相手に使うと不自然であるため、実際に相手の具合が悪い状況にあるとわかっているときにのみ使いましょう。
「お労(いたわ)りください」
「お労りください」とは、自分の体を大切にしてください、という意味合いの言葉です。
なお、ここでの「労(いたわ)る」とは、手当てを加える、養生するという意味の言葉になります。
どうかお体をお労りください。
「お体おいといください」
「お体おいといください」は、お体を大事にしてください、という意味の言葉です。
「おいとい」は漢字で書くと「お厭い」になります。
「厭う」とは、大事にする、いたわるという意味の単語になります。
そのため、「お体おいといください」で相手の体調を労る気持ちを表すことができます。ただし、あまり使われません。
くれぐれもお体おいといくださいますようお願い申し上げます。
「養生してください」
「養生してください」は、体をゆっくり休ませてくださいね、という意味の言葉です。
「養生する」という言葉に「病気の回復につとめる」という意味合いがあるため、「養生してください」で相手の体をいたわる気持ちを表すことができます。
相手が怪我や病気をしているときに使う言葉です。
その件に関しては私たちで頑張りますから、しっかりと養生してくださいね。
「静養なさってください」
「静養なさってください」も、「養生してください」とほぼ同じ意味になります。
静養とは、静かにゆっくりすごして病気の回復につとめる、という意味です。
体調が芳しくないとお伺いしました。どうか静養なさってください。
「ゆっくり休んでください」
「ゆっくり休んでください」は、もっとフランクに使える言葉です。
友人同士や同僚、ある程度親しい上司などに使うと良いでしょう。
大丈夫ですか? ゆっくり休んでください!
「お元気で」
「お元気で」も、かなりフランクに使える言葉です。
文面よりは口頭での挨拶などに使うと良いでしょう。締めの言葉や、去り際の挨拶などに使います。
また、講義やプレゼンテーションの最後などに使うこともあります。
文面に使う場合は、友達や同僚くらいの間柄の人に使うのが好ましいです。
それではみなさん、お元気で!
「お大事に」の英語訳
お大事にを英語に訳すと、次のような表現になります。
- Please take good care of yourself.
(くれぐれもご自愛ください) - I’m sorry.
(それは災難でしたね) - I hope you will get well.
(早くよくなりますように) - Please get well soon.
(早くよくなってください) - Get better soon.
(早くよくなってね) - Take care.
(お大事に)
“I’m sorry.” は謝罪の言葉として有名ですが、相手への同情を表す言葉としても使えます。
「お大事に」のまとめ
以上、この記事では「お大事に」について解説しました。
読み方 | お大事に(おだいじに) |
---|---|
意味 | 相手の体をいたわる気持ちを表す言葉 |
使い方 | お大事になさってください など |
言い換え表現 | ご自愛ください お体にお気をつけてください 一日も早い回復をお祈りしています など |
英語訳 | Take care.など |
相手の病状などに合わせて、柔軟に使えると素敵です。
言い換え表現やよく使うフレーズも一緒に覚えましょう。