ことわざ「濡れ衣を着せる」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「濡れ衣を着せる(ぬれぎぬをきせる)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

スポンサードリンク

「濡れ衣を着せる」の意味をスッキリ理解!

濡れ衣を着せる(ぬれぎぬをきせる):本来は罪のない人に、無実の罪を負わすこと

「濡れ衣を着せる」の意味を詳しく

「濡れ衣を着せる」は、無実の罪を着せるという意味です。

「濡れ衣」とは文字通り濡れた衣服のことです。無実の罪の喩え(たとえ)として使用されています。

 

犯罪など大きなことだけでなく、日常の些細(ささい)なことにも使われることわざです。

「濡れ衣を着せる」よりも、「濡れ衣を着せられる」という受け身の形での使われ方が多いです。

スポンサードリンク

「濡れ衣を着せる」の使い方

  1. 職場で、上司のミスの濡れ衣を着せられた
  2. 僕は悪くない。ただ濡れ衣を着せられただけだ。
  3. 後輩に自分の失態の濡れ衣を着せるなんて、最低だ。

「濡れ衣を着せる」の由来

無実の罪という意味で、「濡れ衣」という言葉が用いられ始めたのは平安時代です。

その由来は、以下の4つが挙げられます。

  1. 父親が、娘が漁師の服を盗んだと思い込み、逆上して娘を殺してしまったことに由来する説
  2. 濡れ衣を着て、海に「かずく(潜く)」海女と、責任をなすりつける意味の「かずける」を掛けたことに由来する説
  3. 日本の神話で、神が濡れた衣服が乾けば無罪、乾かなければ有罪という裁判をしたことに由来する説
  4. 古今集の和歌「かきくらし ことはふらなむ 春の雨に 濡衣きせて 君をとどめむ」に由来する説
この中で最も有力な説は➀の説だと言われています。

福岡県福岡市博多区の国道3番沿いに、➀の説を裏づける「濡れ衣塚(ぬれぎぬづか)」という石碑(せきひ)が立っています。

「濡れ衣塚」の物語を詳しく

この石碑の歴史は聖武天皇(しょうむてんのう)の奈良時代に遡ります。

現在の福岡県北西部にあたる筑前(ちくぜん)の国司として、佐野近世(さのちかよ)が妻と娘の春姫を連れて赴任してきました。

国司とは、朝廷から諸国に派遣されて、その国の統治をする地方官のことです。

 

しかし、連れてきた妻は亡くなってしまいます。

そして土地の娘を新しく妻として迎え入れもう一人娘を授かりますが、前妻の娘の春姫の美しさを疎ましく思ったその継母は、「春姫様が釣り衣を盗むので困っている」と漁師に訴えさせました。

 

継母は、春姫が眠っている間に、濡れた衣服を着せ、それを父親の近世に見せたところ、近世は怒り狂って春姫を斬り殺してしまいます。

1年後、近世の夢に、無実を罪を訴える春姫が現れ続けました。これがきっかけで、近世は自分の過失を悔やみ、出家してこの石碑を造ったとされています。

スポンサードリンク

「濡れ衣を着せる」の類義語

濡れ衣を着せるには以下のような類義語があります。

  • トカゲの尻尾切りをする:責任や罪を人になすりつけること
  • 詰め腹を切らせる:本来罪や責任のない人にそれを負わせること

「濡れ衣を着せる」の英語訳

濡れ衣を着せるを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • She was falsely accused.
    (彼女は濡れ衣を着せられた)
  • The tall man framed a murder on John Smith.
    (その背の高い男は、ジョン・スミスに殺人の濡れ衣を着せた)
  • That was a false accusation!
    (それはとんだ濡れ衣だった!)
英語に、「濡れ衣を着せる」にそのまま対応する慣用表現はありませんが、同様の意味を表す表現はあります。

「false accusation(不当な非難)」や「frame on ~(~を罪に陥れる)」といった表現があり、これらが日本語の「濡れ衣を着せる」という意味にあたります。

スポンサードリンク

まとめ

以上、この記事では「濡れ衣を着せる」について解説しました。

読み方濡れ衣を着せる(ぬれぎぬをきせる)
意味本来は罪の無い人に、無実の罪を負わすこと
由来主に4つあるが、福岡県の濡れ衣塚にまつわる話が由来として有力
類義語トカゲの尻尾切りをする、詰め腹を切らせるなど
英語訳I was falsely accused.(私は濡れ衣を着せられた)

人に濡れ衣を着せることは、多大な反感を買いますし、着せられた側の恨みは一生続くでしょう。

犯罪で人に濡れ衣を着せる冤罪(えんざい)は、その人の人生を狂わせます。

濡れ衣を着せる・着せられることが一つでも少ない世の中になることを願います。

スポンサードリンク