知っておくべき「小説」と「物語」の違い

違いのギモン

小説と物語の違い、なんとなくになっていませんか?

この本は小説か物語か、考える機会はなかなか無いかもしれません。

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結論:必然性のある作品が小説、偶然性のある作品が物語

小説と物語を区別する違いとは話の展開と時代です。必然性のある明治以降の作品が小説、偶然性のある平安から室町の作品が物語です。

「小説」の解説

話の展開

19世紀以前は話の展開に、内容から導かれる必然性があるものが小説だとされていました。必然性とは必ずそうなると決まっていて、それ以外にはありえないという要素・性質のことです。

そして19世紀には主題概念が強まります。主題とは、その文章・作品の中心となる内容です。概念とは、それはどういうものなのか、どういうことなのかを考えた時の思考や知識そのものです。

強まったことで話の展開には内容だけでなく、主題にも必然的な関わりがあるものへと変わりました。

つまりハッピーエンドの展開にしたければ、内容はもちろん、主題もハッピーエンドにならざるを得ないものにしているのが小説なのです。

時代

明治18年に坪内逍遥の『小説神髄』という文芸評論で “novel” の訳語に「小説」が使われたのが始まりです。それをきっかけに近代小説というジャンルが確立されました。

その頃から書かれた虚構の物語は小説に分類されます。

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「物語」の解説

話の展開

内容とは関わりなく、偶然性によって話を進めてゆくものが物語です。偶然性とは予期しないことが起こる要素・性質のことです。

物語の代表作である竹取物語を例に考えてみましょう。

竹から女の子が生まれることに何の因果関係もありませんし、もはや奇跡と言える偶然です。更には、竹から生まれて無理難題を押し付けて月に帰るのですから主題概念も見当たりません。

また、物語は作者の考えを元に人物や事件、日常を語る形式で書かれています。ですから、物語は「語る」ことができますが、小説を「語る」という言い方は違和感があります

時代

狭い意味ではありますが、平安時代から室町時代までに書かれたものを指します。

伝記物語や写実物語、歌物語が挙げられます。歌物語である伊勢物語や紫式部の源氏物語が有名です。

まとめ

以上、この記事では今でも曖昧になっている小説と物語の違いについて話の展開と時代に着目して解説しました。

  • 小説:必然性のある話、明治時代以降に書かれた作品
  • 物語:偶然性のある話、平安時代から室町時代の作品

これでもう、この本は小説なのか物語なのか悩むことはありませんね。

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