故事成語「嚢中の錐(のうちゅうのきり)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「嚢中の錐」です。

「嚢中の錐」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

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「嚢中の錐」の意味をスッキリ理解!

嚢中の錐(のうちゅうのきり):優れた人物は多くの人の中にいても自然と才能が現れ、目立つものだということ

「嚢中の錐」の意味を詳しく

「嚢中の錐」とは、優れた人物は多くの人の中にいても自然と才能が現れ、目立つものだということです。

」とは、袋のことを表しています。

そして、この言葉は袋の中に入った錐の先端がおのずと袋の外に突き出て目立つことから、現在の意味を表すようになりました。

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「嚢中の錐」の例文

  1. 彼は入社当初から嚢中の錐であると言われていたが、さっそく業績を上げているようだ。
  2. 君は嚢中の錐だから、きっとすぐに活躍することになるよ。
  3. 新卒採用で嚢中の錐を見つけたいものだ。

「嚢中の錐」の由来

「嚢中の錐」の出典は『史記』の「平原君伝(へいげんくんでん)」という章です。

この章の中に「夫(そ)れ賢士の世に処(お)るや、たとえば嚢中の錐に処(お)るが若(ごと)し」という言葉が出てくるのです。

この言葉は「賢人が世の中に現れるのは、例えば袋の中に入った錐の先端がおのずと袋の外に突き出てしまうようなものだ」という意味です。

詳しく見ていきましょう。

 

ある時、中国では趙(ちょう)という国が秦の国に包囲されてしまいました。

趙はこの事態を打開するために、楚の国に救援を求めることにします。

そして、趙は楚の国へ行く使者として平原君(へいげんくん)を選びます。

 

そんな平原君ですが、彼は交渉に同行する従者を20人決めることにしました。

そして、19人を決定しましたが、あと1人、どうしてもふさわしい人物が見つかりません。

すると、平原君の食客(しょっかく)のひとりであった毛遂(もうすい)は自薦し、自分を連れていくように言いました。

 

これに対し、平原君は「賢人が世の中に現れるのは、例えば袋の中に入った錐の先端がおのずと袋の外に突き出てしまうようなもので、頭角はすぐに現れる。しかしあなたはそうではない」と答えました。

しかし、毛遂はあきらめず食い下がったので、平原君は仕方なく彼を連れていくことにしました。

その後、平原君は毛遂の活躍により、無事に楚の協力を取り付けることができました。

食客

食客とは、君主たちが才能のある人物を客として養う代わりに、客は主人を助けるというものです。

そして、食客の中には君主のために命を差し出す人もいました。

しかし、主人を裏切って殺害する人もいました。

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「嚢中の錐」の類義語

「嚢中の錐」には以下のような類義語があります。

  • 錐の中に処るが如し(きりのなかにおるがごとし)
  • 錐、嚢を通す(きり、のうをとおす)
  • 紅は園生に植えても隠れなし(くれないはそのうにうえてもかくれなし)
  • 出る杭
  • 鶏群一鶴(けいぐんいっかく)

「嚢中の錐」の英語訳

「嚢中の錐」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • cream rises to the top
    (精鋭は頂点まで上がってくる)
  • a drill in a bag will always poke through
    (カバンの中にある錐は突き出る)
  • talent will show itself
    (才能はやがて明らかになる)
  • You can’t hide talent.
    (才能を隠すことはできない)
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まとめ

以上、この記事では「嚢中の錐」について解説しました。

読み方 嚢中の錐(のうちゅうのきり)
意味 優れた人物は多くの人の中にいても自然と才能が現れ、目立つものだということ
由来 『史記』の「夫れ賢士の世に処るや、たとえば嚢中の錐に処るが若し」という言葉から
類義語 錐の中に処るが如し、紅は園生に植えても隠れなし、出る杭
英語訳 cream rises to the top, a drill in a bag will always poke through

「嚢中の錐」という言葉は由来となった故事の中では否定されていましたが、実際には役立つ言葉です。

この言葉を覚えておけば、役立つこともあるかもしれません。

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