「ネグレクト」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ネグレクト」です。

「ネグレクト」の意味・使い方・語源について分かりやすく解説します。

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「ネグレクト」とは?

ネグレクト(neglect):子どもや高齢者などの社会的弱者に、必要な世話を行わず放置すること

「ネグレクト」の意味を詳しく

「ネグレクト」とは、保護者や介護者としての責任を果たさない行為です。

英語の “neglect” には、「無視する」「放置する」という意味があります。「わざとではない」「必要な行為を怠った」というニュアンスがあります。

車を運転していて、標識に気づかずに交通ルールを破ってしまい、交通事故を起こしたとします。標識に注意しながら運転するのは運転者の義務です。しかし、「標識への注意」を怠ったため、事故が起こってしまいました。このような場面でneglectを使います。

カタカナ語の「ネグレクト」は、もっぱら「責任を放棄する行為」という意味で使われています。ここでは、カタカナ語としてのネグレクトの意味を詳しく説明していきます。

「ネグレクト」とは

ネグレクトは、「子ども・高齢者・障害者などの社会的な弱者に対して、必要な世話や介護などを行わない行為」という意味です。つまり、ネグレクトは保護者・介護者としての義務を放棄している行為です。ネグレクトは「虐待」の一部で、法律で禁止されています

ネグレクトは、最悪の場合、相手を死に追い込みます。命を落とさないとしても、身体的・精神的な障害を残したり、人間不信に陥ったり、社会に参加する機会を奪ったりと、人生そのものに影響を与えてしまいます。

かつてはネグレクトといえば、子どもに対するものだけを指していました。しかし、近年では高齢者や障害者に対するネグレクトも問題となっています。

さらには、自分の身の回りのことを怠って生活がすさんでしまう「セルフネグレクト」も問題となっています。ネグレクトが起こる原因を説明してから、それぞれのネグレクトを説明します。

ネグレクトが起こる原因

ネグレクトの原因は、大きく分けると個人的なものと社会的なものに分けられます。

個人的な原因

ネグレクトをする人には、病気や障害などで相手の世話を十分に見られなかったり、お金が足りないために必要なものを買えなかったりという事情がある場合が多いです。ほかにも、十分な知識がないせいで何が必要かわからないという場合もあります。

こういった場合、世話をできないためにネグレクトが起こってしまいます。これを「消極的ネグレクト」と言います。

また、情緒的な原因も多くあると指摘されています。「相手に愛着がわかないせいで、どうしても世話をする気持ちになれない」ということです。「世話をしようと思えばできるが、放棄している」という状態を「積極的ネグレクト」と言います。

社会的な原因

ネグレクトをしている本人だけに原因があるわけではありません

本人が世話をする能力がない場合に、周囲の人が助けることでネグレクトを防げる場合は多くあります。積極的ネグレクトの場合でも、ネグレクトにつながる前に別の人が保護をかわることで被害を抑えられます。

社会的な孤立も、ネグレクトを引き起こす重大な原因です。

様々なネグレクトの種類

子どもへのネグレクト

厚生労働省では、「児童虐待」を4種類に分類したうえで、ネグレクトをその一つにあげています。

ネグレクト

家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など

[出典:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html]

引用した通り、子どもへのネグレクトは様々な種類があります。十分な食事を与えられなかった子どもが餓死したり、親がパチンコをしているあいだ車に放置された子どもが熱中症で亡くなったりと、全国でネグレクトによる子どもの痛ましい死が起こっています。

ネグレクトを受けた子どもは、人間関係を築くのが苦手になるなどの問題が起こる傾向にあります。また、親となった時に子どもをネグレクトしてしまうという「負の連鎖」も指摘されています。

他にも、十分な食事を与えられないために栄養失調や発育不良を起こしたり、清潔にしてもらえないせいで感染症にかかったりすることもあります。

高齢者へのネグレクト

一昔前までは、高齢者の介護は自宅で行うのが当たり前だとされていました。家族での介護は負担が大きく、ネグレクトが起こりやすいと言われています。専門知識の少ない家族が介護するのは負担が大きいうえ、家の中は密室になりやすいからです。

たとえば、必要な食事を与えない、薬を飲ませないなど健康管理を怠ったりすることが起こります。

現在では老人ホームなどの施設での介護が当たり前になりました。しかし、施設の中でもネグレクトが行われていることもあります。職員の数が足りずに、介護が十分にできずネグレクトが起こってしまう場合が考えられます。

障害者へのネグレクト

障害者は、身体的または精神的な原因により、日常生活や社会生活を送るうえで制限を受けている人を指します。

誰かの介助がなければ日常生活を送れない場合、介助者が介助を怠ると命に関わる問題を引き起こします。

孤立が引き起こす「セルフネグレクト」

自分で自分の身の回りに必要なことを行えずに、自らの命を危険にさらしてしまうこともあります。これを「セルフネグレクト」と言います。

以下のような状況が見られた場合、セルフネグレクトの疑いがあります。

  • 部屋が散らかっていて、ゴミ屋敷のようになっている
  • 髪やヒゲが手入れされておらず、身なりが整っていない
  • 十分に食事をとっておらず、やせ細っている

高齢者や、知的障害がある人などが、一人暮らしなどで孤立してしまうことでセルフネグレクトが起こりやすくなります。その人のことを気にかける人がいないことで、自分に起こっている問題に自分で気づけないからです。

たとえば、食欲がないので食事を十分にとらず、気づかぬうちに栄養失調になって倒れてしまうということはよく起こっています。こうしたセルフネグレクトを放置すると、「孤独死」にもつながります。

ただし、若い人や元気な人でもセルフネグレクトに陥る可能性は十分にあります。アルコール依存症やギャンブル依存症などによって日常生活が崩壊してしまったり、失業などで生活に必要なお金がなかったりすると、セルフネグレクトに陥りやすいです。

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「ネグレクト」の使い方

  1. 親の勝手な判断によって、子どもに必要な予防接種を受けさせないのも、ネグレクトである。
  2. 児童虐待には、ネグレクトのほかに、「身体的虐待」「心理的虐待」「性的虐待」がある。
  3. 人間へのネグレクトだけでなく、ペットへのネグレクトも問題となっている。

上の例文のように、「ネグレクト」は「必要な世話の放棄」という意味で広く使われています。

「ネグレクト」の語源

「ネグレクト」の語源はラテン語の “neglego” です。「無関心な」という意味があります。

否定の意味をもつ “neg” と「遊ぶ・欲する」という意味をもつ “lego” が結びついた言葉です。

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まとめ

以上、この記事では「ネグレクト」について解説しました

英語表記ネグレクト(neglect)
意味子どもや高齢者などの必要な世話を放棄すること
語源ラテン語のneglego

ネグレクトは犯罪です。しかし、周りの人が見守ったり助けたりすることで防げることも多く、「自分はネグレクトをしていないから無関心で良い」とは言えません

一人ひとりがネグレクトのことを理解し、自分のできることに取り組むことで、ネグレクトを受けて命を落とす人が少しでも減ることを願います。

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