刻んで薬味にすると美味しい「ねぎ」。鮮やかな黄緑色は、料理にいろどりを添えてくれます。
薬味といえば、「わけぎ」や「あさつき」もありますよね。これらの違いは何でしょうか。
☆「ねぎ」「わけぎ」「あさつき」の違いをざっくり言うと……
葉の太さ | 球根 | 色 | |
---|---|---|---|
ねぎ | 1mm~90mm (芽ねぎから下仁田ねぎまで様々な品種・商品があります) | なし | 白~緑 |
わけぎ | 7~10mm | あり | 緑 |
あさつき | 3~5mm | あり | 黄緑 |
結論:全部別の種
いずれもねぎの仲間ですが、種は異なっています。わけぎ・あさつきには球根がありますが、ねぎには球根がありません。
細ねぎを「あさつき」と呼ぶこともありますが、間違った区別です。
「ねぎ」をもっと詳しく
「ねぎ」は、日本全国で栽培されている野菜です。地域ごとにさまざまなブランドが出ていますが、種としてはすべて同じです。
ねぎは、中国・中央アジアが原産で、東アジアを中心に栽培されています。日本は中国に次いで世界2位の生産量を誇るほど、ねぎの栽培が盛んなのです。ねぎは、様々な料理の薬味に使われるほか、汁物や炒め物など、色々な料理に大活躍しますよね。
全国で栽培されているねぎですが、東日本と西日本では、ねぎの見た目が異なります。東日本のねぎは、白い部分が多いです。一方、西日本のねぎは、緑の部分が多いです。
こんな話があります。大阪から東京に来た人が、スーパーでねぎを買おうとします。ところが、白い部分ばかりなので「捨てる部分ばかりじゃないか」と怒ってしまった、という話です。もちろん、逆のバージョンもあります。
緑の部分も白い部分も、植物としては葉にあたりますが、食感は異なります。日に当たらない白い部分は柔らかく、日に当たった緑の部分はシャキシャキとしています。
東日本の「根深ねぎ」
東日本で栽培されているねぎは、「根深ねぎ」と言います。土に埋まっている部分が深く、白い部分が多くなります。
仙台などでは、「曲がりねぎ」が栽培されています。土を盛る向きを変えたり、植え直したりして、曲がるように育てるのです。
群馬県下仁田町では、「下仁田ねぎ」が栽培されています。太くて加熱すると甘くトロトロになるのが特徴です。下仁田町以外では栽培できないので、高い値段で取引されます。
ねぎの栽培は、関東地方がとくに盛んです。市町村の中で最大の生産量を誇るのが、埼玉県深谷(ふかや)市です。この地域で栽培されるねぎは「深谷ねぎ」と呼ばれます。深谷ねぎは、キメが細かく甘みが強いと言われます。
西日本の「葉ねぎ」
西日本で人気があるのは、緑の部分が多いねぎです。「葉ねぎ」「青ねぎ」といいます。
京野菜の代表格は、「九条ねぎ」でしょう。鮮やかな緑色で、細い葉をもっています。伝統的な和食だけではなく、とんこつラーメンの具にも使われることが多いです。
福岡県朝倉市で栽培されているのが「万能ねぎ」です。いわゆる「細ねぎ」の一種です。実は、細ねぎは、ねぎを太くなる前に収穫したものです。つまり、細ねぎと太ねぎは同じ野菜なのです。
早く収穫したねぎとして、「芽ねぎ」もあります。太さ1mmほどと非常に細く、歯触りのよさが特徴です。寿司ネタに使われることが多いです。
根深ねぎも、葉ねぎも、色は違っても同じ種です。
そして、太ねぎも、細ねぎも、芽ねぎも、太さは違っても全て同じ種なのです。
「わけぎ」をもっと詳しく
「わけぎ」は、ねぎとは異なる種です。ねぎと玉ねぎの雑種で、球根をもちます。
ねぎと比べて柔らかく、甘味が強いのが特徴です。葉は10mmほどで、やや平たいです。
わけぎの代表的な食べ方として、「ぬた」があげられます。刻んだわけぎと海藻などを、酢味噌であえた料理です。
「あさつき」をもっと詳しく
「あさつき」も、ねぎとは異なる種です。わけぎと同様、球根をもちますが、葉は細いです。
ねぎやわけぎと比べて、辛みが強いです。野生で生えているところもあります。
あさつきも、ぬたが定番の食べ方です。また、火を通すと甘味がでるので、炒め物などにも向いています。
まとめ
以上、この記事では、「ねぎ」「わけぎ」「あさつき」の違いについて解説しました。
葉の太さ | 球根 | 色 | |
---|---|---|---|
ねぎ | 1mm~90mm (芽ねぎから下仁田ねぎまで様々な品種・商品があります) | なし | 白~緑 |
わけぎ | 7~10mm | あり | 緑 |
あさつき | 3~5mm | あり | 黄緑 |
見た目が似ているこれらの野菜。違いを知ると、買い物が楽しくなるかもしれません。