「ねぶた」と「ねぷた」の違いとは?どっちがどっち?日程まで解説

違いのギモン

ラッセラー、ラッセラー!短い青森の夏を彩るお祭りは、有名ですよね。

巨大な灯篭(とうろう)が街を練り歩き、威勢の良いかけ声とともに跳人(はねと)が舞う。

そのお祭りの名前は、「ねぶた」?「ねぷた」?どちらでしょうか。迷ったことはありませんか?

「ねぶた」と「ねぷた」には、どのような違いがあるのでしょうか。

結論:「ねぶた」も「ねぷた」も同じお祭り

「ねぶた」も「ねぷた」にも、違いはありません。名前の違いは地域差によるものです

青森市を中心に「ねぶた」が、弘前市・五所川原市を中心に「ねぷた」が使われています。

市町村ごとの「ねぶた」・「ねぷた」の分布は、下の地図を見てください。

そもそも「ねぶた」・「ねぷた」って何?


「ねぶた」・「ねぷた」は、青森県津軽地域(県西部)で広く行われている夏のお祭りです。どこも和紙で作られたあざやかな山車灯篭を曳きまわします。

時期は旧暦の七夕、つまり8月の上旬ころに行われることが多いです。これには、七夕祭りに由来していることと関係があります。灯篭流しは七夕祭りでも行いますよね。

「ねぶた」・「ねぷた」は、「眠り流し」という農作業中に眠気に襲われないように祈るお祭りが名前の由来となっている、という説が有力です。睡眠もままならないほど忙しい農繁期に向けての、大切なお祭りなのですね。

「七夕祭り」と「眠り流し」、盆踊りなどが融合して、現在の「ねぶた」・「ねぷた」が形作られました。

全部違う!「三大ねぶた祭り」

各地で行われている「ねぶた」・「ねぷた」ですが、特に青森市・弘前市・五所川原市で行われているものが有名です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

青森市:青森ねぶた祭


  • 期間:8月2日~7日
  • かけ声:ラッセラー
  • 特徴:人形型の大型ねぶた
  • 主な題材:伝説・歴史上の人物、歌舞伎
「青森ねぶた祭」は、毎年 300万人弱を動員する県内最大のお祭りです。国の重要無形文化財に指定されています。

 

大型ねぶたの他にも、子供ねぶた、地域ねぶたが練り歩きます。

その時に灯篭の横で飛び跳ね続ける人たちを「跳人(はねと)」と呼びます。白装束の正装をすれば、誰でも参加することができます。冒頭で書いたのは、この「青森ねぶた祭」の様子です。

大型ねぶたは、企業などがスポンサーとなって、「ねぶた師」と呼ばれる職人の手によって作られています。ねぶたは審査を受け、優秀な作品は賞を受け取ります。

弘前市:弘前ねぷたまつり


[出典:http://ja.wikipedia.org/]

「弘前ねぷたまつり」は、「弘前四大まつり」の一つで夏の風物詩として定着しています。青森ねぶた祭と並んで国の重要無形文化財に登録されています。

  • 期間:8月1日~7日
  • かけ声:ヤーヤドー
  • 特徴:扇形のねぷた
  • 主な題材:水滸伝など中国古典の登場人物
扇形のねぷたが知られていますが、「組ねぷた」と呼ばれる人形などを組み合わせたねぷたもあります。

戦前は「けんかねぷた」と呼ばれるほど激しく行われた時代もありましたが、戦後は「けんか」は禁じられています。かけ声をかける囃子方は列の最後尾につき、笛や太鼓を演奏します。

五所川原市:五所川原立佞武多


  • 期間:8月4日~8日
  • かけ声:ヤッテマレ
  • 特徴:20m 以上の高さがある立佞武多
  • 主な題材:三国志や歌舞伎などの登場人物
「五所川原立佞武多(たちねぷた)」は 1998年に始まった新しい祭りですが、年々人気が高まっています。

「新しい」といっても、1920年頃までは行われていたのが、およそ 80年間の断絶を経て復活したのです。

 

80年間祭りが行われていなかったのは、電線が街に引かれるようになって、背の高いねぷたが道を通れなくなったためです。

1993年に立佞武多の設計図が発見されたことで復活の機運が高まり、1998年に復活しました。

「立佞武多」復活のために、市街地の電線を地中に埋める工事などの多くの準備が行われました。現在でも立佞武多の数は増え続け、年々盛んになっています。

まとめ

以上、この記事では、「ねぶた」と「ねぷた」の違いについて解説しました。

「ねぶた」と「ねぷた」は同じ祭りを指す言葉で、由来も同じです。

地域によって呼び方が異なっていて、青森県北西部では「ねぶた」、南西部では「ねぷた」と呼ばれる場合が多いです。

この記事では「三大ねぶた祭り」と呼ばれる、青森市・弘前市・五所川原市のものを紹介しましたが、各地で個性的な祭りが行われています。

 

青森県の風物詩を、ぜひ見に行ってみてください。