ネット用語「なろう系」の意味と使い方をわかりやすく解説

言葉

なろう系とは「『小説家になろう』に掲載された作品・テンプレート化された作品」という意味です。

なろう系は最近よく目にする言葉ですが、ネット用語であるため、その詳しい意味を知らない方も多いでしょう。

今回の記事では、なろう系の詳しい意味から由来までを解説します。

「なろう系」の意味

なろうけい

『小説家になろう』に掲載された作品・テンプレート化された作品

なろう系は基本的に、『小説家になろう』に投稿された作品やその作者のことを表します。

『小説家になろう』とは、誰でも自作の小説を投稿できるWEBサイトです。

また、ここから派生して『小説家になろう』から書籍化、アニメ化などが行われた場合には、そのアニメのことをなろう系と表現することもあります。

マイナスの意味を表すこともある

なろう系は、「平凡な主人公が異世界で活躍する」といったテンプレート化された設定や、平坦なストーリー展開が含まれる小説やアニメを表す言葉でもあります。

「ありきたりな設定」「つまらないストーリー」というニュアンスを含むため、使う時には注意しましょう。

「なろう系」の特徴

なろう系の作品には、テンプレート化された設定が多いです。

具体的に、なろう系の小説には、以下のような設定やストーリーが含まれていることが非常に多いです。

なろう系の特徴
  • 現実世界では普通の主人公が異世界に転生する
  • 主人公は異世界で異様に強い能力を保持している
  • 主人公は異世界で特別な血筋や存在である
  • 主人公が理由もなく女性にモテる
  • 主人公が努力せずとも良い結果が得られる
  • ゲームのようなステータスがある
  • 作品名が長い

実際には『小説家になろう』に投稿されていない作品でも、上記の特徴に当てはまっている小説やアニメは、なろう系と言われることがあるのです。

また、主人公が転生する「異世界」は、中世ヨーロッパに似ている世界観であることが多いです。

その独特な世界観のことは、通称「ナーロッパ」と言います。

「なろう系」の種類

なろう系がテンプレート化された設定や展開を持つと述べてきましたが、もちろん全てが全く同じなわけではありません。

なろう系は主に以下の3つの種類に分けることができます。

種類
  • ざまあ系
  • 悪徳令嬢もの
  • 婚約破棄系

それぞれのジャンルの特徴について、詳しく解説します。

「ざまあ系」の意味

物語の最初に、周りからあざ笑われる立場だった主人公が、そこから成りあがって周りを見返すストーリーのなろう系作品を「ざまあ系」と言います。

ざまあ系の多くの作品では、以下のようなストーリー展開が見られます。

主人公が「使えない奴」「お荷物」というレッテルを貼られて、チームを追放されたり、仲間外れにされてしまいます。

しかし、後に主人公には特別な力が宿っていたことが判明したり、真の能力が覚醒したりするのです。

周りの人間は、主人公に戻ってきてほしいとすがりますが、主人公は彼らを相手にしません。

読んでいてスカッとするようなストーリーが特徴です。

「悪徳令嬢もの」の意味

異世界に転生するなろう系の中でも、乙女ゲームの主人公の敵役として異世界に転生する物語が、「悪徳令嬢もの」です。

乙女ゲームは、冴えない、もしくは身分の低い女性主人が、王子様や学校の人気者などと結ばれる様子を描いた作品です。

そんな乙女ゲームのなかの、女性主人公ではなく、その敵役として異世界転生してしまいます。

乙女ゲームの中の敵は、以下のような特徴を持っていることが多いです。

特徴
  • 王子の婚約者
  • 美しいが冷たい印象
  • 可愛げはない
  • 完璧主義で他人に厳しい

また、展開としては、以下の2パターンに大きく分けられます。

展開
  • ヒロインよりも素敵な男性と結ばれて立場も優位に立つ
  • 陰からヒロインの恋愛を支える

どちらの展開になるにしろ、完全なバッドエンドにならないのが特徴です。

「婚約破棄系」の意味

「婚約破棄系」は、女性主人公が婚約者から婚約破棄をされるところから始まる物語を指します。

基本的に、婚約者は王子などの身分のある人で、女性主人公とは関係のない理由で婚約破棄されます。

そこから、もう一度落ちた地位を取り戻したり、王族から離れて質素ながら幸せな生活を手に入れてたりと、ハッピーエンドに向かいます。

「なろう系」の代表作


なろう系作品として有名な作品がいくつかあります。

代表作
  • 転生したらスライムだった件
  • ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
  • Re:ゼロから始める異世界生活
  • 無職転生 異世界行ったら本気だす
  • 君の膵臓を食べたい

代表作ということもあり、アニメ化されている作品が多いです。

それぞれの作品に含まれるなろう系の特徴を簡単に解説します。

転生したらスライムだった件

「37歳の男性が、突然路上で通り魔に刺殺されてしまい、目が覚めると異世界でスライムになっていた」というストーリーです。

タイトルからもわかるように、「異世界に転生する」というなろう系の特徴を強く持っている作品です。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

こちらは、小説投稿サイト「Arcadia」に投稿された作品です。

「小説家になろう」ではありませんが、同様の小説投稿サイト出身の作品ということで、なろう系と言われることが多いです。

また、なろう系の「作品名が長い」という特徴もよく表わされていますね。

Re:ゼロから始める異世界生活

引きこもりだった冴えない高校生の主人公が、異世界転生をする物語です。

主人公には、「死んだ瞬間に、死ぬ前の段階まで時間が自動的に巻き戻る」という特殊能力が付与されています。

「主人公が異世界に転生する」「主人公が異世界で強い力を保持している」という点が、典型的ななろう系の特徴に当てはまっています。

無職転生 異世界行ったら本気だす

34歳無職の日本人が、中世ヨーロッパ風の異世界に転生したとことから物語が始まります。

「冴えない主人公」「異世界転生」「中世ヨーロッパ風の異世界」という特徴を持っていることがわかります。

君の膵臓を食べたい

『君の膵臓を食べたい』は、これまで挙げたような異世界転生やライトノベルのジャンルの小説ではありません。

主人公の男子高校生は、高校の同級生のヒロインがひそかにつづる闘病日記を偶然見つけます。

日記の内容から、彼女が膵臓の病気で余命わずかなことを知り、一緒の時間を過ごすようになった二人の様子を描いた小説です。

そのため、なろう系というイメージを持っている人は少ないと思います。

 

しかし、『君の膵臓を食べたい』は実は、「小説家になろう」に投稿された作品なのです。

「なろう系」の使い方


なろう系は、単に『小説家になろう』に掲載された作品のことを表すこともありますが、現在では「テンプレート化された小説」という意味で使われることが多いです。

後者では、マイナスの意味合いが強く含まれており、「ありきたりな設定」「つまらないストーリー」というニュアンスを含んでしまいます

そのため、なろう系は、使用する際には注意が必要な言葉です。

  1. 最近のライトノベルはストーリー展開が単調ななろう系が多すぎる。
  2. なろう系作品がアニメ化されることが増えてきたね。

➀のなろう系は、「テンプレート化された作品」というマイナスの意味で使われています。

➁のなろう系は、「『小説家になろう』に掲載された作品」という意味で使われています。

「なろう系」の由来

なろう系の由来は、『小説家になろう』というサイト名です。

もともとは、『小説家になろう』に投稿された作品や作者を表していました。

その後、『小説家になろう』に多かった作品の特徴から、ひとつのジャンルとしての意味を持つようになりました。

「なろう系」が生まれた理由

「なろう系」が生まれた理由には以下の2つの理由があります。

  1. 素人やアマチュアが投稿するため
  2. 作者を作品の主人公に投影しているため

それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。

➀素人やアマチュアが投稿するため

もともと、誰でも小説が投稿できるサイトである『小説家になろう』には、素人やアマチュアが多く作品を投稿していました。

そのため、独自のストーリー展開や設定を定めることが難しく、どれも似たようなテンプレート的な作品が多く生まれてしまったという背景があります。

➁作者を作品の主人公に投影しているため

『小説家になろう』にファンタジー作品を投稿している層には、いわゆる女性にモテず、承認欲求が満たされていないオタクの人が多いと言われています。

彼らは、現実世界で満たされない自分を作品の主人公に投影している傾向があると分析されています。

つまり、主人公が異世界で特別な存在となり、憧れの存在になり、女性にもモテるというストーリーによって、作者自らの承認欲求を満たそうとしているため、なろう系のようなストーリー展開が多くなっていると言われています。

「なろう系」の類義語

なろう系の類義語には、以下のような言葉があります。

類義語
  • 異世界転生系
  • なろう小説

なろう系作品は、「異世界に転生する」という特徴が非常に大きいので、「異世界転生系」と呼ばれることがあるのです。

「なろう系」の英語訳


なろう系を英語に訳すと、次のような表現になります。

Mary Sue novel
(メアリー・スーが出てくる小説)

Mary Sue(メアリー・スー)とは、映画『スター・トレック』シリーズの二次創作小説『A Trekkie’s Tale』に登場するキャラクターです。

二次創作とは、公開されている作品を元にした絵や小説などの創作作品などをファンが作ることです。

つまり、『A Trekkie’s Tale』は、『スター・トレック』の設定や世界観を使った、公式ではない作品です。

 

『A Trekkie’s Tale』の中でMary Sueは、登場人物全員から愛され、危機に瀕しても大活躍します。

この作品が生まれてから、「主人公が活躍しすぎることで物語の世界観を壊してしまう作品のこと」を、英語圏では “Mary Sue” と呼ぶようになりました。

なろう系の作品も、「主人公が活躍しすぎる」「ハーレム状態になる」などの特徴があることから、なろう系の英語訳として “Mary Sue novel” をあてることができます。

「なろう系」のまとめ

以上、この記事では「なろう系」について解説しました。

読み方なろう系(なろうけい)
意味『小説家になろう』に掲載された作品・テンプレート化された作品
種類ざまあ系
悪徳令嬢もの
婚約破棄系
代表作転生したらスライムだった件
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか、など
由来『小説家になろう』というWEBサイト名から
類義語なろう小説
異世界転生系
英語訳Mary Sue novel
(メアリー・スーが出てくる小説)

なろう系にはマイナスの意味合いが含まれる場合があるため、注意して使いましょう。

ABOUT US

LEON
LEON
年間100冊読む本の虫。InstagramよりTwitter派。 大学でも、精神分析を学びながら文章の書き方を日々勉強しています。 「言葉」と「心理学用語」の執筆が得意です。