ネット用語「なろう系」の意味と使い方をわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ネット用語の「なろう系(なろうけい)」です。

言葉の意味・使い方・英語訳についてわかりやすく解説します。

「なろう系」の意味をスッキリ理解!

なろう系(なろうけい):「小説家になろう」で公開されているような小説

「なろう系」の意味を詳しく

「なろう系」とは、「小説家になろう」という小説投稿サイトにて公開されている小説、またその小説と類似した展開や要素を持つ小説のことです。

ただし、なろう系という言葉が指す範囲はさまざまです。「どこまでがなろう系か」と議論されるときによく出てくる論点を、いくつかご紹介します。

①作品の系統で分類する場合

「小説家になろう」に投稿される作品の多くが、異世界転生など、一定の特徴を有しています。これらの、いわゆる「なろうテンプレ」と呼ばれる要素を有しているものだけを「なろう系」と呼ぶ場合があります。

「なろうテンプレ」の代表的な特徴をご紹介します。

  1. 主人公が異世界に転生する、また、転生した後に英雄になる
  2. 主人公がチート(=その世界の中で不自然に強い)能力を有している
  3. 主人公が女性キャラに愛され、ハーレムを築く
  4. 主人公が努力せずいい結果を得る
  5. 作品名が長い
  6. ステータスなどがゲームのように表示される
このような特徴を有している作品が「なろう系」と呼ばれます。特に①で主人公が転生する「異世界」は、多くの作品で似通った、中世ヨーロッパに似ている世界観を持っています。その独特な世界観のことは通称「ナーロッパ」と呼ばれています。

逆に、「小説家になろう」に投稿された作品であっても、上記の特徴がなければ「なろう系」と呼ばれないこともあります。

②原作が投稿されているサイトや媒体で分類する場合

純粋に「小説家になろう」に投稿された作品や、それを原作にして作られたアニメや漫画などを「なろう系」と呼ぶ場合もあります。

このとき、人によって定義が異なる点は以下の2つです。

  1. 「小説家になろう」以外の小説投稿サイトで連載していたもの(「エブリスタ」など)を「なろう系」と呼ぶか
  2. 「小説家になろう」で投稿していた作者が他媒体で書いた作品を「なろう系」と呼ぶか

また、この場合は、小説が「なろうテンプレ」に沿っているかどうかはあまり気にしません。

③作品を揶揄(やゆ)するときに使う場合

人によっては、「なろう系」という言葉を、小説を駄作だと揶揄するときに使うことがあります。特に前述した「なろうテンプレ」の要素を持ち、かつ批判の多い作品を「なろう系」と呼ぶ傾向があります。

 

このように、「なろう系」は人によって定義が異なる言葉です。③のように否定的な意味で使う人も多いため、「君の小説はなろう系だね」などど言ってしまうと、侮辱(ぶじょく)しているように捉えられてしまうことも少なくありませんので、注意が必要です。

また、exciteニュースのインタビュー記事によると、「小説家になろう」を運営している株式会社ヒナプロジェクトの代表取締役・平井幸さん曰く「小説家になろう」が公式で「なろう系」という言葉を使ったこともないそうです。

理由としては、「小説家になろう」には異世界転生もの以外にもさまざまな小説が投稿されているため、イメージが固定化されすぎるのも望ましくない、とのことです。
[出典:https://www.excite.co.jp/news/article/E1569912350069/]

「なろう系」という言葉を使用する際は、気をつけて使いましょう。

「なろう系」の使い方

  1. いまのなろう系ブームは、この小説が火付け役になったんだ。
  2. 今見ているアニメは、「小説家になろう」に投稿されていた小説が原作なんだよ。いわばなろう系アニメだね。
  3. 最近の文庫は典型的ななろう系ばっかりだ。

上記の例文のように、「なろう系」は物語や小説などを形容するのに使われます。

①の例文は、数年前から続いている異世界転生系ブームを「なろう系」ブームと称し、その火付け役になった小説を紹介しています。このなろう系は「なろうテンプレ」の要素を持つ作品のことを指している単語です。

②の文では、原作が「小説家になろう」に投稿されていた作品を「なろう系」と呼んでいます。このように、「小説家になろう」発の作品がアニメになることも少なくありません。

③のみ、「なろう系」を否定的な言葉として使用しています。「なろうテンプレ」の要素が強い駄作が多く文庫になっていてつまらない、という意味の文です。

 

このとき、①と③を比べると、一見似たようなことを言っている文章に見えるものの、意味はまったく異なる
という点に留意しましょう。

どちらも「最近はなろう系の作品が多い」という意味を持つ文章ですが、込められているニュアンスはまったく違います。①は中立的もしくはプラスの意味、③はマイナスな意味の文章ですが、前後の文脈などの情報がないと同じに見えてしまいます。

このように、「なろう系」は、文脈や相手の受け取り方などでイメージがガラッと変わってしまう言葉です。

「小説家になろう」発で、商業化に至った小説の例

「小説家になろう」に原作が投稿されている作品で、商業化され書店に並んでいたり、アニメ化・映画化などがなされた作品をいくつかご紹介します。

『Re:ゼロから始める異世界生活』

異世界に召喚されてしまった主人公が「死に戻り」というタイムリープ能力を得て、自分の窮地を救ってくれたハーフエルフの少女に協力する話です。漫画化・アニメ化・ゲーム化がなされ、飲食店ともコラボしています。

『転生したらスライムだった件』

死んだ主人公がスライムとして異世界の洞窟に転生し、巨大な竜ともに洞窟を脱出して、街づくりを行う話です。アニメ化・ゲーム化がなされています。

『君の膵臓を食べたい』

主人公がクラスメイトの闘病日記を偶然拾ったことから、そのクラスメイトの秘密を知り、「彼女の死ぬ前にやりたいこと」に付き合う話です。漫画化・オーディオブック化・実写映画化・アニメ映画化がなされています。

 

このように、異世界転生ものが多い傾向にはありますが、『君の膵臓を食べたい』のように、恋愛もので商業化に至っているものも存在します。

「なろう系」の英語訳

なろう系を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Mary Sue novel
    (メアリー・スーが出てくる小説)

Mary Sueは、映画シリーズ『スター・トレック』の二次創作小説『A Trekkie’s Tale』に登場するキャラクターです。

二次創作とは、公開されている作品の設定やキャラクターを使って絵を描いたり小説を書いたりといった創作活動をファンが行うことです。この場合では、『スター・トレック』の設定とキャラクターを使い、新しい小説『A Trekkie’s Tale』を書いています。

Mary Sueは、登場人物みんなに愛され、危機に瀕しても大活躍します。

これ以降、主人公が活躍しすぎて物語の世界観を壊すような作品のことを “Mary Sue” と呼ぶようになりました。そのため、「なろうテンプレを要している小説」という意味の「なろう系」には “Mary Sue novel” という英語訳をあてることができます。

まとめ

以上、この記事では「なろう系」について解説しました。

読み方なろう系(なろうけい)
意味「小説家になろう」で公開されているような小説
英語訳Mary Sue novel(メアリー・スーが出てくる小説)

「小説家になろう」にはさまざまな小説が存在しますので、「なろう系」とひとくくりにするのは難しいということを確認しましょう。