故事成語「内憂外患(ないゆうがいかん)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「内憂外患(ないゆうがいかん)」です。

意味、由来、対義語についてわかりやすく解説します。

スポンサードリンク

「内憂外患」の意味をスッキリ理解!

内憂外患国内にも国外にも心配事がある状態

「内憂外患」の意味を詳しく

「内憂外患」は、国の「内部に憂(うれ)い」があり、「外部に患(わずら)い」があるという状態を意味します。良くない状態ですが、ある意味では当たり前のことです。国を治めるには、常に外交と内政で、問題を解決しなければなりません。

政治は、問題だらけの難しい局面の解決を目指さなければなりません。

内憂外患は、古代中国のある国のあり方を巡る議論の中からできた言葉です。そのため、国の状態を指します。しかし、国以外の組織に対しても使うこともあります。

スポンサードリンク

「内憂外患」の使い方

  1. 幕末は、国内では打ちこわしが頻発し、異国船が来訪するという内憂外患の状況だった。
  2. 内憂外患の状況に対する国民の不満を反らそうと、政治家は隣国の批判を繰り返した。
  3. 社員がたくさん辞めていく一方で取り引きの中止が相次ぐとは、まさに内憂外患だ。

「内憂外患」の由来

「内憂外患」は、古代中国の話に由来します。戦国時代の中国は、いくつもの国に分かれて戦争を繰り返していました。戦争の中で強い国だけが残るようになりました。晋(シン)と楚(ソ)です。晋の政治家・范文子(はん ぶんし)が言った言葉が、内憂外患の由来となりました。

楚が攻めてくるのに対して、晋は戦うべきかどうか議論していました。そこで、范文子は、戦わない方が良いと提案します。

理由は、「国内外ともにうまくいっている状態はありえないから」です。国外に問題がなくなってしまえば、国内に問題が起こってしまうと考えたのです。だからこそ、あえて楚をライバルとして残しておくことで、国内の安定を目指したのです。

結局、范文子の考えは却下されます。そして、晋は楚にめでたく勝利します。しかし、「内憂外患」の教えは現代まで引き継がれています。

 

先ほど紹介した話が載っている「左氏伝(さしでん)」の中では、「内外無患」という言葉しか載っていません。「内憂外患」という言葉ではなかったのです。

「左氏伝」では、「聖人(せいじん:理想的な君主)が国を治めれば、国はきっと『内外無患』だろう」という文脈で出てくるのです。

しかし、聖人があくまで理想の存在でしかない以上、「内外無患」はありえません。現実には、「内外にも問題がある」状態、つまり「内憂外患」となるのです。

これが、「内憂外患」の由来です。「左氏伝」から派生してできた言葉なのです。

スポンサードリンク

「内憂外患」の対義語

「内憂外患」には、以下のような対義語があります。

  • 内平外成:国内が上手く統治されており、かつ外交上の問題も特にないこと。元号「平成」の由来となったとされる言葉です。
  • 地平天成:世の中が順調にいっている状態。これも、平成の由来とされています。
  • 内外無患:国内外に問題がない状態

まとめ

以上、この記事では「内憂外患」について解説しました。

読み方内憂外患(ないゆうがいかん)
意味国内外に問題がある状態
由来国外の問題がなくなれば、国内で問題が起こるという言葉から
対義語「内平外成」「地平天成」「内外無患」

社会はうまくいかないのが当たり前です。中国の古典には、内憂外患の現代社会を生き抜く知恵が隠されていると言えるでしょう。

スポンサードリンク