心理学用語「ナイーブリアリズム」とは?意味と具体例を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「ナイーブリアリズム」です。

言葉の意味・具体例・由来についてわかりやすく解説します。

「ナイーブリアリズム」の意味をスッキリ理解!

ナイーブリアリズム(ないーぶりありずむ):自分は客観的に物事を見ていると考えている状態

「ナイーブリアリズム」の意味を詳しく

「ナイーブリアリズム」とは、自分は客観的に物事を見ていると考えている状態を指します。結果、自己中心的な意見にたどり着いてしまいます

人は誰でも、「自分は他人と違って、物事を客観的に偏見なしに捉えている」という思い込みをしています。

その思い込みが、「自分の考えや好みなどは、こうした冷静な判断に基づいている」という信念になります。

以上が「ナイーブリアリズム」が発現することについての、社会心理学的見解です。

 

ナイーブの意味は、世間知らず、幼稚などです。リアリズムの意味は、写実主義や現実認識です。写実主義とは、現実をなるべく正確にとらえようとする主義です。

つまり「ナイーブリアリズム」は、「幼稚な写実主義」となり、当人の現実認識が不完全だということを意味しています。

「ナイーブリアリズム」の具体例

「ナイーブリアリズム」がもたらす、自己中心的な意見・結論とはどのようなものでしょうか?以下に具体例をまとめました。

  1. 自分はドロップのハッカ味が一番好きだから、喜んでもらうために他の人にハッカ味をあげた。
  2. 部屋が肌寒いと感じたので、隣人も寒い思いをしているだろうと考え、ブランケットを貸した。
  3. あの子のことがたまらなく好きだから、向こうも好いてくれているに違いない。
  4. 高速道路を走行しているとき、前の車が遅く走っていて腹を立てた。横の車に追い越されてスピードを出しすぎていると思った。
①は、良かれと思ってはいるものの、結果として自分の好みを人に押し付けてしまっています。自分の好みは絶対的なものであり、他人も好きだろうと考えているため、「ナイーブリアリズム」に当たります。

②の隣人が寒い思いをしているという推測は、自分の主観を押し付けてしまっています。

③の向こうも好いてくれているに違いないという思い込みは、「ナイーブリアリズム」によるものです。

④は自分の速度を基準にして、主観的に判断しています。

「ナイーブリアリズム」の由来

「ナイーブリアリズム」の提唱者は、はっきりとわかっていませんが、由来となった実験を紹介します。

心理学者のヴァンボーデンが行った実験です。「ハイキング中に遭難した人たちは、のどの渇きと空腹のどちらで苦しんでいるか」を実験参加者に問いかけました。

実験参加者の半数には、ランニングマシンで汗を流させたあとに、この問いを投げかけました。つまり、のどが渇いている状態にしてから質問をしました。

 

ランニングマシンを使わなかったグループに比べて、使ったグループは「のどの渇きで苦しんでいる」と答えた人の割合が高いという結果が出ました。

この結果は、自分の苦しみを遭難者に勝手に投影したことを表します。もちろん参加者は遭難者のことを客観的に考えていますが、自分の状態が答えに影響してしまっています。

これが「ナイーブリアリズム」提唱にいたった実験です。

まとめ

以上、この記事では「ナイーブリアリズム」について解説しました。

読み方ナイーブリアリズム(ないーぶりありずむ)
意味自分は客観的に物事を見ていると考えている状態
具体例部屋が肌寒いと感じたので、隣人も寒い思いをしているだろうと考えることなど
由来心理学者のヴァンボーデンの実験から

この記事を読んで、自分は「ナイーブリアリズム」ではないだろうと思った人はいませんか?

その考えこそ、まさに「ナイーブリアリズム」です。

「ナイーブリアリズム」は、個人の人格がある以上避けられません。ただ、そのような状態になってしまうことを知っていれば、「ナイーブリアリズム」を超えた客観性を持つことができます。

何か判断や推測などをするときは、「ナイーブリアリズム」の存在を思い出してください。