今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「金声玉振(きんせいぎょくしん)」です。
言葉の意味、使い方、由来についてわかりやすく解説します。
☆「金声玉振」をざっくり言うと……
読み方 | 金声玉振(きんせいぎょくしん) |
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意味 | 知性と人徳が備わっていること |
由来 | 中国の春秋戦国時代の本『孟子』より |
「金声玉振」とは?
「金声玉振」の意味を詳しく
「金声玉振」とは、知性があり、また周りからの人望も厚いことを表す四字熟語です。また、その知性と人徳が評価され、偉大な人物として大成することのたとえにも使われます。
「金声」は鐘の音色、「玉」は玉石で作った磬(けい)という打楽器、「振」は物事を締めくくることを意味しています。これらの漢字の意味を合わせ、終わりと始まりが美しく、整っている様子を表しています。
「金声玉振」の使い方
「金声玉振」は文中では以下のように使われます。
- あの人は金声玉振の優れた人物なので、周りの人からも大いに慕われている。
- 孔子(こうし)は知恵だけでなく人格も優れており、その様子から金声玉振と言われた。
優れた人物を褒める際のたとえとして使われる表現です。
「金声玉振」の由来
「金声玉振」は、中国の本『孟子(もうし)』が出典です。孟子が、自らの師である孔子の人格の素晴らしさをたとえた表現です。
古代の中国では、音楽の最初に鐘(かね)を鳴らし、最後に磬を打って締めくくる風習がありました。
この風習から「金声玉振」は最初と最後が整っていることを表し、転じて知性と人徳の両者ともに優れている様子を指す四字熟語になりました。
五大中国の書物である『孟子』は、孟子という人物の行動や言動をまとめてできたものです。孟子は性善説を唱えたことで有名な儒学者で、儒学の中でも孔子に次いで重要な人物とされています。
孟子自身も非常に有名ですが、その母も孟子に対し優れた教育を行ったことで有名です。その様子は「孟母三遷(もうぼさんせん)の教え」や「孟母断機(もうぼだんき)」などの故事成語、四字熟語に残っています。
『孟子』の四字熟語
「金声玉振」の出典である『孟子』は、他にも多くの四字熟語のもとになっています。ここでは、有名なものをいくつか紹介します。
- 暖衣飽食(だんいほうしょく):何の不足もなく生活する様子
- 余裕綽々(よゆうしゃくしゃく):落ち着き払っている様子
- 自暴自棄(じぼうじき):物事が自分の思い通りにならないことで失意し、捨て鉢になること
- 一暴十寒(いちばくじっかん):何事も継続して行わなければ、結果は出ないということ
どれも使用頻度の高い四字熟語なので、「金声玉振」と合わせて覚えておくとよいでしょう。
この他にも、数多くの四字熟語や故事成語があるので、調べてみてください。
まとめ
以上、この記事では「金声玉振」について解説しました。
読み方 | 金声玉振(きんせいぎょくしん) |
---|---|
意味 | 知性と人徳が備わっていること |
由来 | 中国の春秋戦国時代の本『孟子』より |
四字熟語の意味だけでなく成り立ちを知ることで、意味をより深く理解することができます。しっかり覚えて活用してみてください。