今回ご紹介する言葉は、ことわざの「もぬけの殻(から)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「もぬけの殻」をざっくり言うと……
読み方 | もぬけの殻(から) |
---|---|
意味 | 人がいなくなり、空っぽになったもののたとえ |
由来 | 「セミやヘビが脱皮した後に残った殻」という意味から |
類義語 | 猫の子一匹いない、閑古鳥が鳴くなど |
対義語 | 黒山の人だかり |
英語訳 | The bird has flown.(相手は逃げてしまった。) |
このページの目次
「もぬけの殻」の意味をスッキリ理解!
「もぬけの殻」の意味を詳しく
「もぬけの殻」は、人がいなくなり、空っぽになったものという意味のことわざです。特に、人がいなくなった後の家や部屋、寝床などに対して使用します。
また、「セミやヘビの抜け殻」「魂の抜けた体」という意味もあります。
「もぬけの空」と表記してしまう人が多いですが、こちらは間違いになります。漢字では「蛻の殻」と書きます。
「もぬけの殻」の使い方
- 深夜、息子の部屋から物音がしたので、見に行った。すると、既に寝床はもぬけの殻だった
- 盗賊団のアジトに乗り込んだが、人の気配はなく、もぬけの殻だった。一足遅かったようだ。
- 「さようなら」というメールを受け取り、私は彼の家に走った。しかし、そこに彼の姿はなく、部屋はもぬけの殻だった。
➀の例文のように、寝床に対して使うことは多いです。この場合、人がいなくなった布団を抜け殻にたとえています。
➁の例文は、追っていた人に逃げられた場面です。
➂の例文では、部屋に対して使っています。この場合、人だけではなく、家具一式全てなくなっているというニュアンスになります。
「もぬけの殻」の由来
「もぬけ」という言葉は、「もぬける」という動詞が元になっています。「もぬける」には、以下のような意味があります。
- 抜けて脱出する
- セミやヘビが脱皮をする
「もぬけ」は、「もぬける」が名詞となった言葉です。つまり「もぬけの殻」は、「セミやヘビが脱皮した後に残った殻」という意味です。
これが転じて、現在のような意味で使われるようになりました。
「もぬけの殻」の類義語
「もぬけの殻」には以下のような類義語があります。
- 猫の子一匹いない:人の気配が全くしないことのたとえ
- 閑古鳥(かんこどり)が鳴く:訪れる人がおらず、静まりかえっている様子
「閑古鳥が鳴く」は、主に商売がうまくいっていない様子を表すことわざです。
「もぬけの殻」の対義語
「もぬけの殻」には以下のような対義語があります。
- 黒山の人だかり:人々が大量に集まっていること
「黒山」の黒は、日本人の髪色を表していると言われています。
「もぬけの殻」の英語訳
「もぬけの殻」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- The bird has flown.
(相手は逃げてしまった。) - completely empty
(完全に空っぽの) - be quite empty.
(すっかり空っぽである)
まとめ
以上、この記事では「もぬけの殻」について解説しました。
読み方 | もぬけの殻(から) |
---|---|
意味 | 人がいなくなり、空っぽになったもののたとえ |
由来 | 「セミやヘビが脱皮した後に残った殻」という意味から |
類義語 | 猫の子一匹いない、閑古鳥が鳴くなど |
対義語 | 黒山の人だかり |
英語訳 | The bird has flown.(相手は逃げてしまった。) |
夏頃になると、都会であっても、セミの抜け殻を頻繁に目にします。そのため、「もぬけの殻」は比較的イメージしやすいことわざだと思います。
現在でも使用頻度が高いことわざなので、しっかり覚えておきましょう。